↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無料ゲームを積みゲーしてたら学習型VRに取り込まれた件  作者: 灯坂ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/12

【第3話】違和感

・・・・


・・・


・・


・


意識が覚醒していく。


ぼんやり遠くで中性的な声が聞こえたような気がしたが、よく思い出せない。


視界が徐々にクリアになっていく。


片膝を付いた形で脱力している状態のようだ。


まだ頭がぼんやりとして、スッキリしない。


立ち上がり、手足を軽く振るようにして動かしてみる。


リアルだな。


現実と変わらない重力を感じる。


体が慣れるまでストレッチしようか。おっと、その前に現状確認だ。


RPGってことは、大体はじまりの町とかからのスタートだよな。


周りを見渡しすと、どうやら現在は廃屋のような場所にいるようだ。


壁は所々が崩れており、天井も抜けている。


ここは小高い丘の上に建てられているようで、眼下には中世西洋風の街並みが軒先の明かりに照らされているのが見える。


なるほどこういう感じね。


ってことは剣と魔法系な王道かな?


ベタだがまあ良いだろう、一定の安心感がある。


しかし薄暗い。


時間の概念はありそうな雰囲気で、今は夜ってことかな。


夜ということで一般的には活動時間外ということか、周りには人気がない。


ただ、正面に巨大なモニュメントが鎮座。


その存在感を主張しており、いかにも調べてみろと言った風情だ。


水晶製なのか、それとも類似した違う素材なのかは不明だが、とにかく透明感のある石柱が月明かりに照らされて佇んでいる。


今のキャラクターがリアルの身長のままであれば、自分の3倍くらいあるありそうだ。それがぼんやりと燐光を放っている。


・・・・段々目が慣れてきたので、改めて周りを見渡す。


まばらに椅子が置かれ、石柱の手前には演説に使用するような机が置かれている。


どうやらここは開放型の教会みたいな所になっているようだ。


人気はないが、街中であるのは間違いなさそうだ。


・・・・よし、とりあえずポップ直後の殺し要素は無いようだな。


しかし、ほぼノーヒントでゲームスタートさせてくる系のヤツか。


このパターンは良ゲー1割、クソゲー9割と、40年のゲーマー人生における経験則から俺の中では決まっている。


メジャー系や実績のあるメーカーであればある程度信頼できるが、聞いたことがない新興系だったからな、クソゲー確率が高そうだ。


・・・・とは言え、作りこみというのか、現状ではリアリティレベルは極めて高いと言える。


視覚も良好で現実との違いを感じさせない、自然な重心移動から、空気感、呼吸の感覚もある。


右腕をつねると鋭い痛みがその箇所に走る。


痛覚もありのパターンね。


なかなかやるな。


「E2E」だったか、このレベルのものが開発されているとは、情報系サイトにも見かけなかったよな。


今後期待のメーカーとなりそうな予感がするな、覚えておこう。


さて、このノーヒントリアル系RPG「サンクチュアリ」、やっていくとしようか。


途中になっていたストレッチを再開し、頭と体もクリアになってきたところで、今後の方向性を決めていく。


まあゲーム概要ではRPGってことだったから、敵を倒してキャラの育成をしながら何らかの目標を達成するってことだと予想する。


まずは自分のステータス、そして金の存在だな。


あとはデスペナルティや敵の難易度確認とかをしたい。


最悪なのはリロードなしの初期戻しだが、どうだろうな。


・・・・しかしなんだか違和感があるな。


そうだ、VRものにはよくある視界上のステータスや情報の表示がない。


ただ、一点その代わりと言っちゃなんだが、視界の右下に鞄のアイコンが小さく表示されている。


とりえず鞄を右手でタッチしてみる。


すると視界の正面に、リンゴのような果実が1個と、10cmくらいの大きさをした革袋がイメージとして浮かんだ。


なるほどアイテムパックか。


果実はHP回復要素か、もしかして空腹ゲージありとか用の純粋な食糧とかか?


革袋の方は、金か?


中を見たいな。


スッ・・・・・・・カシャ


イメージから実体化し、地面に革袋が落ちたようだ。


ふむ、意識を集中させればリアルに出てくる系ね、了解。


革袋を拾って中を確認、直径2cmくらいの丸い銀色の硬貨が数十枚確認できた。


銀貨って奴か、ってことは金貨もあるかもな、いやきっとあるだろう。


とりあえず銀貨は30枚あった。


・・・・さて、アイテムはこれだけか。


しかしステータスも分からず、林檎みたいなの1個と価値の分からん銀貨30枚でスタートね。


ここでようやく自分の身なりを確認。


中世西洋風の町民衣装っぽいな。


薄茶の生地は綿っぽくて、そこまで着心地は悪くない。


着心地まで再現か、こんなところにもこだわってるのか。


長袖長ズボン、ベルトは丈夫そうな結わかれた紐だ。


靴は革靴で意外にしっかりしている。


痛覚ありのゲームで靴は重要だからな、助かる。


武器は・・・何もないな。


なかなかにハードモード味を感じるぜ。


現状で確認できるところは以上か。


さてシステムメニュー等の環境設定をするとしよう。


・・・・


・・・


・・


・


ない。


視界上にもそれらしい表示がないし、「システム」「メニュー」「ヘルプ」など関連ワードにも無反応。


なかなかに尖った仕様にしてくれるじゃねえか、E2Eさんよ。


っていうか、システムメニュー開けんとログアウトできんぞ!?


「あれ?もしかしてこれって転生系?いや・・・監禁系か」


思わず独り言が漏れた。


良く分からんが、とりあえず現状ではログアウト方法不明なゲームに閉じ込められたってことか?


システムバグなのか仕様なのか分からんが、とんでもないゲームを引いちまったもんだ。


良ゲーかクソゲーか分からんが、このままでは流石にまずいな。


・・・・自死すれば強制ログアウトできるか?


痛覚有りでは取りたくない手段だ。


・・・・・


・・・


・・


・


その後も混乱する頭でいろいろ考えてみたものの、良い解決策が浮かばない。


・・・・とりあえずやるだけやってみるか。


諦め大半、ほんの少しの期待感をもって動き出す。


こうして俺の強制監禁ゲームからの脱出物語が始まったのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。