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無料ゲームを積みゲーしてたら学習型VRに取り込まれた件  作者: 灯坂ソラ


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【第10話】ミザリータウン冒険者協会

青果店のおばちゃんに勧められたとおり、冒険者協会なる建物を目指す。


綺麗に造成された石畳の路地を、丘の上から見た大体の方角を当てに歩いていくと、それまでと比較して2倍ほど幅員が広がった街路に出た。


見渡してみると、商店らしき建物が立ち並んでおり、活気という面で先程までと比べ明らかに賑やかな雰囲気を醸し出していた。


ここが恐らくメインストリートのどこかなのだろう。


更に左右を見渡したところ、左の方がより賑やかな雰囲気を感じたため、そちらへ進むと予想通り目的の十字路が見えてきた。


十字路の中心には教会の入り口にあったアーチを大きくしたようなものが、上から見るとロの字型にみえるであろう四方に配置されている。


未だ早朝ということであろうか、開店している店舗は少ないようだが、十字路からほど近い所は比較的開店している店舗が多いようだ。


それから数分を掛けて、ようやく町の中心地に到着し、再度周辺を見渡してみる。


街並みは整然としており、特に石畳の凹凸は意外にも少なく、確かな技術力を感じる。


魔法で造成とかあり得るかもな。


建物も石造りのものが住居地区と同様に立ち並んでいるが、店舗等の商業系が多いためか、カラフルで若干の華やかさを感じる。


十字路の中心地から順に、看板を掲げて開店している建物を確認していると・・・・


「ミザリータウン冒険者協会」


目的の場所が見つかった。


なるほど、どうやらこの町はミザリータウンというらしい。


流石に既に町にいるのに、「この町の名前は何ですか?」などとは、他人に聞けなかったところなので助かった。


冒険者協会は、おばちゃんの話のとおり24時間営業なのだろう、未だ時間的には早朝ではあるが、問題なくやっているようだ。


予想よりも小綺麗な3階建ての石造りである冒険者協会の外観を見つつ、正面入り口であろう両開き戸を手前に引くような形で、中に入ることにした。


ギッ・・・・


中に入った第一印象、それは「想像の範囲内」、いわゆる冒険者ギルドだな。


1階の床は基本的に土間のような仕上げとなっており、正面入り口から奥へ続くラインのみ絨毯が敷かれている。


入り口から見て左側には、2m四方の掲示板が2つ並び壁に設置されており、様々な形状をした用紙が貼り付けられている。


恐らくオーダーボードというやつだろう。


早朝ということもあり、見ている者はいない。


逆に入り口から見て右側には、ハイカウンターが設置され、職員らしき受付が2名いる。


奥を見ると仕切りがされたいくつかの空間があり、更に奥には2階へ続く露出階段が見える。


・・・・さて、入り口で突っ立っていても仕方がない。


まずは必要な情報を得なければ。


順当に行けば会員になって、情報を得てから依頼受注という流れか。


客が他に誰もいないからか、受付に見られているな。


入り口に近い方の受付は、褐色の肌をした巨漢のスキンヘッド。


額から顎までに走る裂傷が凄みをより際立たせており、荒事にも強そうだ。


逆に奥の受付は、対照的で薄茶色のセミボブな長身優男。


片肘をカウンターにつき、如何にもやる気のないオーラを漂わせている。


どちらも軽装ではあるが、武装をしている様に見える。


・・・・いや、癖強いな。


普通こういう時は可愛い受付嬢とかにしておくだろう。


まあ、荒くれ者の集まりである冒険者の受付ともなれば、トラブル上等の対応もあることから、本来はこういう体制がリアルっぽいのか。


どっちも話づらそうで面倒だが、仕方ない。


俺の勘を信じてスキンヘッドの受付へ向かうこととした。


「すみません、この町に来たばかりなんですが、これから冒険者登録ってできますかね?」


「・・・・新規の登録か。可能だ。登録には銀貨1枚かかるが払えるか?」


なるほど、見た目にそぐわぬ素っ気なさだ。現実世界の接客を期待してはいけないな。


まあ、これならこっちも気を使わなくても良いか。


・・・・ん?


奥の優男が笑ったような気がする


が、まあ気にしないでおこうか。


登録料は銀貨1枚か。


しまったな、おばちゃんに果物の金額を聞いとけばよかった。


価値が分からんぞ。


今銀貨30枚だから、まあ致命的な額ではないと思うが。


「銀貨1枚、了解だ。」


アイテムボックスを操作し、金袋を取り出す。その時、スキンヘッドの顔がわずかに反応したのが見えた。


ふむ、反応したのはアイテムボックスか、金自体か。


金袋から銀貨を1枚取り出しカウンターへ置く。


「これで良いか?」


「・・・・ああ、問題ない。これより手続きを進める。」


「その前に確認したいんだが、登録したら町の情報とかを知れる資料室はあるか?」


「資料室は2階にある。会員は協会職員の許可を得れば自由に使用できる。」


「了解だ。では登録をお願いする。」


話しながら、金袋をアイテムボックスに収納すると、またもやスキンヘッドは反応した。


これは恐らくアイテムボックスへの反応だな。


この世界ではアイテムボックスは標準ではないのかもしれないな。


おっとまさかのチートか?


「では協会の説明をする。・・・・・・・・・・」


いろいろ説明されたがまとめると以下のようになる。


1 冒険者協会の会員は依頼者からの依頼を協会を通じて受注し、達成することで報酬を得る。


2 依頼の達成回数に応じて階級付けがされる。最下級の木級から始まり、石・鉄・銅・銀・金・虹へ昇格することができる。


3 依頼の難易度に応じた階級制限が協会によって設定される。設定以上の階級の者のみが受注可能となる。


4 受注の掛け持ちは銅級以上から可能となり、掛け持ち数は昇級に応じて2・3・4・無制限となる。


5 依頼のキャンセルはペナルティとなり、降級や一定期間の受注不可となることがある。


6 協会員証は他の町の協会でも使用可能だが、情報連携のためその協会を新たに利用する際に、銅貨5枚が掛かる。


掛け持ちの制限が序盤はキツイな。


後は依頼キャンセルによるペナルティも序盤はキツイので、慎重に依頼を選んでいく必要があるだろう。


あとは複数の町の協会で連携代金が掛かることを考えると、基本は拠点とする町を決めて活動をするのが望ましいんだろうな。


まあ、金に余裕ができたら関係ないと思うが。


あとは持っていない通貨、銅貨が出てきたな。


「つまり別の町の協会を利用する時は初回の登録料の半分が掛かるってことか?」


スキンヘッドに物価を知っていいる風に問いかけてみる。


「ああ、そういうことになる。」


銅貨10枚=銀貨1枚ということだな。


把握した。


「説明は大体理解できたんで、登録をしてくれ。」


「・・・どちらの手でもいいから、このクリスタルに手をかざせ。」


そうスキンヘッドが言うと、おもむろにカウンターの下から装置を取り出した。


装置は箱状をしており、箱の上部にクリスタルと呼ばれた水晶が埋め込まれた10cm程の木の板が乗っている。恐らく協会員証か?


右手を差し出し、クリスタルの上にかざす。


その瞬間。


かざした手の下とクリスタルの間で、まばゆい光が一瞬発生し、クリスタルの中に

光が収束していったのが見て取れた。


「・・・・登録完了だ。このカードが協会員証となるから、無くさず持っておけよ。資料室は自由に使っていい。」


「ありがとう、では。」


これで晴れて職業「冒険者」だな。


スキンヘッドから協会員証を受け取り、2階の資料室を目指す。


「・・・・あの歳でルーキーかよ。野垂れ死ぬのが目に浮かぶぜ。」


カウンターを通り過ぎざま、嘲笑じみた声が聞こえてくる。


・・・もう一人の優男か。


おう。


絶対にお前の受付は利用しないと、今心に決めたぜ。


そんな声を聞き流しながら、階段を上り2階へ。


ちなみに1階の奥の仕切りは、打合せスペースの様だった。


カウンターでは話が済まない時などに利用するとかか。


2階は1階と異なり、いくつもの間仕切りがされた部屋が並ぶ空間となっていた。


いくつか部屋を見て回った後、目的の資料室にたどり着いた。


さて、この世界観の勉強をするかな。


若干の面倒臭さを感じながらも資料漁りを開始することした。



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