第104話 俺ニート、お互い秘密を暴露する
主役はまさかのニート!?堕落した生活を送るニートに、ゲームに勝利し続けるとお金を稼ぐことができるという、神のゲームに参加!そのチャンスをものにするために、早速リバーサル社にて契約を交わした!
戦いに勝利し続け、快適な生活を送ることができるのか!
自室に戻ると、すでにアリスの姿があった。
「あっ!淳一さんお帰りなさいです!」
「ただいま……俺の方が遅くなるのは予想外でした」
こういうのって女子の方が風呂が長くなるものでは?
って些細な疑問点が浮かんだが、そんなことはどうでもよかった。
「早速話をしてもいいですか?」
「…………」
「アリスさん?」
「正直に今の心境を言ってもいいですか?」
「いいですよ。どうしました?」
「私……怖いです」
「怖い……?」
「今から内容を話したところで、私やリバーサル社の見方が変わってしまうんじゃないかなって。そして私がリバーサル社から見限られてしまうんじゃないかと……」
(…………)
これは俺にゆさぶりをかけているのか?
それともアリスが心の底で思っている、本当の不安なのか?
冷静に考えてみれば、おかしいよな。
利用者であるニートに、リバーサル社のことを語るわけがない。
俺も最初冗談半分で提案したのだが、まさかのOKをもらえた。
これは……アリスは俺に"気を許している"のだろうか?
ひとまず俺は、アリスを安心させることにした。
「アリスさん大丈夫です。秘密を話したからと言って、クビになると決まったわけではありません」
「…………」
「もしそんなことがあったら全力で守って見せます。だって俺の大事なパートナーなんですから」
「……!」
ニートである俺ができることは限られているだろうが、
それでも俺のために頑張ってくれている担当者のことを守りたかった。
「……わかりました!少し不安ですけど覚悟を決めました!淳一さんの質問に答えます!」
「それでどのようなことを聞きたいんですか?」
ここは結構迷ったが、まず最初に気になったことを聞いてみた。
「どうして……負けた人は死なないといけないんですか?」
「……なぜそれが気になるのですか?」
「もし金儲けのためなら、負けた人は強制労働ってことにすればいい。そして働いた分の何%を引く、これだけでも稼げるはずなのに、なぜかリバーサル社は殺そうとしている」
「…………」
「だって、死んだら何も得られないじゃないですか。さすがに財産を差し押さえるなんていうことはできないでしょうし……リバーサル社がどうやって利益を出しているのか?の部分がとても気になります」
「……それはそうですね」
「さらにもう1つおかしいところがあります。それは自殺をしてはいけない理由。もし仮に本当に利用者の死が目的なら、なぜ自殺を縛る必要があるんですか?自殺すれば、リバーサル社の手間が省けるはずなのに……」
「…………」
「俺がきになっている部分はこれです。教えてください」
「……わかりました。全ては言えないですけど、ヒントなら教えます」
(……!)
ヒント!さすがに答えは得られなかったが、ヒントを得られることで、
だいぶ真相に近づけるかもしれない!
「それで、ヒントとは?」
「確かに淳一さんの言っていることは正しいです。人を強制労働させて、給料の何%をもらうというビジネスこそ、確実性もあり合法的なのかもしれません」
「だったら……」
「でも……淳一さん1つ可能性を見逃していますよ……?」
「……なんだって!?」
「強制労働させるよりも儲かる方法があったとしたら……どうでしょうか?」
「どういうことですか!」
「つまり……『人が死ぬことで利益を得ている』そう考えてもらってもいいですよ」
「人が死ぬことで利益を……そんなの無理に決まってるじゃないですか!」
「いいえできます!というか現に今でも亡くなった遺体を活用して、ある重要な取引を行っているのです」
(…………)
アリスは……何を言っているのだ?
人が死ぬことで何を得をするというのだ?
ニートが死ねば確かに、かかる税金が減る。
でもそれで喜ぶのは政府だ。決してリバーサル社ではないだろう。
人が死ぬことで利益を得る方法、これを調べないといけないな。
「これで私の言うことが終わりました。次は淳一さんの番ですよ!」
「わかりました。なんでも言ってください」
「…………」
「……アリスさん?」
「ごめんなさい、心の準備ができていないので、明日にしてもいいですか?明日も確かホテルに宿泊しますよね?」
「そうですね。それでは明日待っていますね」
「ありがとうございます」
こうして秘密の暴露大会は終わった。
……いや俺の番は明日になったから、まだ終わってはいないか。
ひとまずこれ以上進展はない。
バトルも今日はお休みだ。
っとなると、お互い自由な時間を過ごすってことになるな。
「あの……淳一さん?」
「はい?」
「またすみません。リバーサル社の仕事があるので、一度戻ってもいいですか?」
「……わかりました」
20時になってもまだ仕事があるなんて、本当にリバーサル社の従業員は多忙だ。
本当はブラック企業なんじゃないか?ってさえ思う。
……明日はこのあたりを聞いてみるのも悪くないかもしれないな。
って考えつつ、今日のやることが終わった俺は、
寝る時間まで適当に過ごして、そして……眠ることにした。
ホテルのベッドはふかふかだ。家よりもすやすや眠れそうである。
これが現実……あやふやながらも真実を手に入れましたね。




