第三話 これはゲームであっても遊びではない
またもやソードアートオンラインです
別のも出したいと思います
俺の頬から血が流れる。
物陰に隠れ目を凝らす。
月明かりがタイミングよく照らすが誰もいなかった。
「リリィ。少し外に出て来る」
「え、わ、分かりました」
俺たちの部屋は2階にある。俺の頬をかすり真横に切り傷がつくということは真横からの投げナイフ。
ならば当然ながら窓ガラスは割れているはず。
しかし部屋の窓ガラスは傷一つ付いておらず開けてもいない。
とりあえず俺は反対側の家の屋根に登った。
登って分かったことだがここには確かに誰かいたらしい。
なぜなら足跡がついてある。しかも真新しい。
しかしそれにしたとしても説明がつかない。
窓ガラスをすり抜けて俺に当てる。
その方法。
あるとすれば魔法によるもの。
だとしてもそんな都合のいいような魔法を作れるやつはほとんどいない。
それに投げナイフを反対側からかすらせるなんて。というか俺が気付いてなければあのナイフか俺の頭、デコの真ん中に命中している。
魔法と遠距離攻撃の使い手。
敵以外はありえない。厄介なのを敵に回したな。
とりあえず部屋に戻るとしよう。
部屋に戻ると俺の考えは一気に吹き飛んでしまった。
そこには浴衣のリリィがいた。
さて、何が言いたいのか。俺は14年間今まで恋愛というものを経験したことが全くない。
アニメや漫画、ゲームでさえほとんどでるが、それを理解することは到底できずにいた。
それを理解することなどありえないとさえ思っていた。
しかしどうやら俺の初恋は異世界であってその相手は今目の前にいる。
まどろっこしかったな。
俺はリリィに惚れたらしい。
「はぁー」
「ど、どうかしました?」
「ん、いやなんでもない。こっちのことだ」
情けない。知って間もない奴のことを好きになるなんて。というか初恋が一目惚れなのは正直嫌になる。
まるで外見で人を見ていると言われている気分だ。
「あ、あの。これから時間までどうしますか?」
「え、ああ。なんでもいいけど・・・」
そういえば1つ違和感がある。
なんでリリィはこんなにしおらしいというか臆病というか気弱い。
「なあ、話し方。なんで変えたの?」
「え?えっとあの時は緊張がなくて・・・」
「ふーん」
「慣れるまでは・・・このままです・・・」
「別にいいよ。っと、そういえばステータスの開き方とか教えて欲しいんだけど」
「え?いいですよ。ステータスの開き方は・・・
そこからリリィにいろんなことを教えてもらった。
と言ってもステータスの開き方や基本的なレベルの概念。ジョブやスキル。まぁ基本中の基本だ。
ノックオンか響く。
「おーい!そろそろ始めるぜ!降りて来てくれよ!」
「ああ、今行く」
バタバタと階段を駆け下りる音がした。
「さて、それじゃ行こ・・・」
「どうしたの・・」
「しっ・・・」
違う。階段を駆け下りる音じゃない。どんどん大きく・・・
登って来ている?!
「お、お前なんだ?!や、やめろ!!!」
ドーターの悲鳴が聞こえる。
「リリィ!逃げるぞ!速く!」
嫌な予感がする。なぜ逃げるのか。そんなの決まっている。俺が勝てるかわからないから?違う。分からないものが怖いから?違う。
俺が1人で食い止めるからだ。
「あれ?スフィアさん?!どこに?!」
「よし!降りたな・・・速く。とにかく速く逃げろ!」
別のところから悲鳴が聞こえる。いや町中から悲鳴の合唱が始まった。
「直ぐに向かう。町の外で会う」
「え?わ、分かりました」
扉を開け刀を構える。
「ゔっ、なんだてめぇ」
そこには見たこともないような気持ち悪い化け物がいた。
化け物は触手を生やしていてドーターを貫いている。
「上等だ。相手してやる」
刀で触手を切れつける。
しかし俺の刀は触手を切らずにそこで止まった。
これはダメだ。全力で斬りつけても傷1つつかない。
本気でやるしか・・・
あれ?リリィはどうやって逃げるんだ?俺ですら困る。そんな奴を相手に殺す?できるはずない。なぜなら目の前にいる化け物は俺よりも何倍も強くリリィは俺よりも弱い。でなきゃ黒のハートを倒せるはずだからな。
「くそが!」
部屋に戻り窓から飛び降りる。
そこの町は昼間のような平和な場所ではなく。
兵隊のような集団と化け物たちが人間を食い荒らしていた。
気がつくのが遅かったかもしれない。
ここはファンタジーの世界。そしてゲームだ。
しかしここで失うものは全てで安全は保障されない。
ここは実在し俺は死ぬ。
魔軍が来たのだ。
分かってたはずだ。町が狙われやすく魔軍が来たらおしまいだって。
分かってたはずだ。ここに長居するべきではないって。
いや懺悔や後悔は後だ。
今できることは死力を尽くして人を助け一刻も早くリリィを見つけることだ。
ここはゲームであっても遊びではない・・・
それを気づくのが遅かった・・・
短めですいません
次回は長くしよう思います




