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冒険者から漁った戦利品を広げる。
皮の膝当て、ダガーナイフ、マジックボウガン、以上。
物理的に持ち運びが難しい為、鎧や盾の類は全て諦める事になりそうだ。
また、薬の類は使い切ってしまったらしく持っていなかった。
『やっぱりこの中に私が使えそうな武器はないかなぁ』
ワッフルが溜め息混じりに口にする。
確かにそうだ。ちなみに俺が使えそうなものもない。
『やっぱり人間の道具をあーし達が使うとか無理だったんじゃない!?』
ミラがダガーナイフを手にするもやはり使うのは難しそうですぐに元の場所に戻す。
俺は皮の膝当てを拾い、ワッフルの背中に乗せて固定する。
『どうだ?』
ワッフルは背中を少し気にしながらも跳ねたり走ったりして具合を確かめる。
『うん! 気持ち背中が重いけど動くのに支障は無さそう』
人間だと膝に装着する防具だが、ワッフルの背中に丁度フィットするので背中を守る防具として使えそうだ。
『これで多少の攻撃は防げるな。使える武器は手に入らなかったが、防具が付けられたのは大きな一歩だ』
『そうだね! ありがとう!』
『次はミラだな』
『あーし!?』
何とも言えない反応だ。そもそもミラが武器を欲しているかはわからない。だが戦利品を見た時にミラだけはイメージがしっかりと浮かんでしまったので是非とも試してみたい。
『まぁ試してみようぜ』
俺はマジックボウガンを拾い、皮の膝当てと同じ要領でミラの背中に乗せて固定する。
『おおっ! なんか想像と違う装備方法なんですけど!?』
マジックボウガンは持ち主の魔力を使って作られた矢を発射する少しレアな武器だ。
魔力が続く限り何発でも発射が出来るし、魔力の込め方によっては一撃の威力を増大させられる。
ミラの魔力がどれくらいかはわからないが、この世界に住む生き物ならば大なり小なり魔力は有している。理論上使えるはずだ。
『尾を上手く使って発射してみてくれ。的は……そうだな。あの木に向かって撃ってみろ』
『こうかな……』
ミラは尾の部分を背中に向かって丸める。そして尾の近くにある後ろ足を器用に動かしてボウガンを引いた。
魔法で構築された矢は木を貫き、後ろにある別の木にまで到達した。
『うわっ、これマジヤバくない!? あーし、ヤバくない!?』
ミラは目を輝かせながら興奮気味に俺に迫ってくる。仕方のない事だがそのキラキラした瞳のすぐ上でボウガンがこちらを向いているの凄く怖ぇな。
『残ったダガーナイフだがー……今のところ使い道も無さそうだし、取り敢えず俺が持っておく事にしよう』
俺はダガーナイフを体内に収納する。
『…………』
『…………』
二人の視線が痛い。親父ギャグで悪かったな。
『……てかさ、ミラはまだここにいて大丈夫なのか?』
武器やら何やらで盛り上がっていたが、気が付けばあれだけいたビッグキャタピラー達は何処かへと行ってしまった。
他のモンスター達も散り散りになり、今ここに残っているのは俺達三体と近くの木にウイルスバットが一体止まっているだけだ。
『いいのいいの! あーし、あんた達と一緒に行く事にしたから』
突然の申し出に少しだけ驚いた。
だが好都合。正直俺はミラをパーティに誘うつもりでいた。
彼女が少しでも長生きする為に何かをしたい。そう思ったからだ。
『それはパーティに加入するって事でいいんだよな?』
『そうそう! 今のあーしが入れば戦力大幅アップじゃない!?』
『確かにそうだな。期待してるぞ』
ワッフルがニコニコしながらミラの顔を覗き込む。ミラもまた嬉しそうにワッフルの顔を見つめている。
『よろしくね! ミラ!』
『ヨロピ! ワッフル』
二人の仲睦まじい様子を見ていると……なんか喧嘩勃発寸前の不良同士みたいな距離感じゃね? これガン飛ばしてるわけじゃないよね? 二人とも視線一切逸らさないし、少し目つき怖いけど大丈夫だよね?




