表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/94

第二十七話 村を目指すわたしたち

わたしたちは、村を目指す。

殿下は、わたしに配慮してくれていて、速度は抑えめにしている。


もう日が暮れかけてきていて、次第に寒くなってきていた。


「疲れがますますたまっていると思います。お体の方は大丈夫ですか? 寒くないですか? 乗っていてつらくないですか? 休みたくなったら言ってください」


速度を緩め、殿下はわたしに聞いてくる。


「大丈夫です。お気づかいなく。このまま進んでください」


とは言ったものの、寒いと思うようになってきているし、疲れもたまってきている。


そうした状態で馬に乗るのは、決して楽なものではない。


しかし、殿下をこうして後ろから抱きしめていると、そうしたことは、そこまでつらいとは思わなくなっていた。


いや、それを乗り越え、幸せな気持ちになってきている。


そして、殿下に対する好意はどんどん増してきていた。


わたしは殿下に恋をしているのかもしれない。


それは自分でもよくわからない。


恋ではなかったとしても、わたしは殿下のことが好きだ。


わたしを生命の危機から救ってくれた、ハンサムで凛々しい殿下。


賊をあっという間に倒したその強さ。


素敵な人。


わたしはこのお方の為に尽くしたい。


なにかお世話できることがあればいいんだけど。


それには、王太子妃になるのが一番だと思う。


毎日殿下の為に、この身を捧げることができる。


しかし……。


わたしは、子爵家から追放された身。


王太子殿下とは身分が違いすぎる。


王太子妃になるということは、夢のまた夢。


村についたら、もうお別れだ。寂しいが仕方がない。


せめて、今だけは幸せな気分を味わっていたい。


わたしはそう思い、殿下の体に一生懸命しがみついていた。




夜になって少し経った後、わたしたちは村に着いた。


ここでお別れだ。


わたしはここで宿をこれから探さなければならない。


もっと殿下と一緒にいたかった。


でもそれは望めないことだ。


これからは、また一人で旅を続けなくてはいけない。


そう思っていたのだけど……。


宿屋と思われるところの前に来た。


豪華ではないが、結構大きな建物だ。


「今日はここに泊まる予定ですね」


殿下がそう言うと、


「はい。そうです」


と側近が答える。


「お嬢様の部屋も追加でお願いしたい」


「もちろんです」


「よろしく頼む」


側近は、宿屋に入っていく。


「殿下、わたしの部屋を追加でお願いしたい、という話をされていたようですけど、どういうことでしょうか?」


わたしがそう言うと、


「あなたは生命の危機に合い、疲れ切っています。これから宿を探すのは大変でしょう。今日は、ここに泊まっていきなさい。それがいいと思います」


と殿下は微笑みながら言った。


予想もしていなかった申し出だ。


「そんな、殿下にご迷惑をかけてしまいます」


殿下の申し出を受けていいのだろうか……。


「そんなことはない。わたしは助けたいからそうしているのです。宿代もこちらで払いますからご安心ください」


「そんな、それこそ殿下の御迷惑になってしまいます」


「気にしなくていいですよ。とにかく、この宿でくつろいでください。そうしてもらえるとわたしもうれしい」


殿下はそう言って微笑む。


断るのも失礼だと思ったわたしは、


「では申し訳ありませんが、お世話になります」


と言って、殿下の申し出を受けることにした。


すると、側近が戻ってきた。


「手続きは終わりました」


側近がそう言うと、


「ありがとう」


と殿下は言った。


殿下は、


「これから宿屋に入ります。ここで馬を降りてもらいますが、一人で大丈夫ですか?」


と言ってわたしを気づかってくれる。


「大丈夫です」


わたしは、馬には今までそれなりに乗っているので、難なく地面に降りることができた。


それに続き、殿下も馬を降りた。


「後はよろしくお願いします」


「かしこまりました」


殿下は馬を側近の一人に預ける。


「それではまいりましょう」


殿下はわたしにやさしく言う。


「殿下、ありがとうございます」


わたしは殿下に頭を下げた。


そして、わたしたちは、宿屋の中に入って行った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ