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4 古代遺跡

 初めて、門を出た。草原から心地よい風が吹く。地図は買った。方向音痴ではないから問題はない。北の方向に真っすぐ行けば山がある。そこに遺跡があるそうだ。あいにく街道はないので草を踏み潰しながら歩く。


 スキルスロットを教会で解放できるんだが、いま解放しても欲しいスキルもない。それに、スキルは付け替えれない。何かのはずみでいらないスキルを押し付けられるより、今あるスキルを強くして進化させた方が良いだろう。


 昔本で読んだんだが、スキルは進化する。熟練度が上がると、進化するって言われているが、未だに完全には解明されていないらしい。


『グルルルルゥ!』


 お、こいつが魔物か?初めての魔物との戦闘は狼と戦うのか。


「来いよ、相手してやる。」

『ギャアアア!』


 こいつは確か『ステップウルフ』。この辺に生まれる魔物は何度も本を読んで知っている。

 つまり、その急所もだ。


『ギャウ!』


 正面から飛びかかってきた狼を右に一歩横にズレて躱す。真っすぐにしか突っ込んでこないから、対処も容易…って本に書いてた。


 ザリザリザリ!

『ギャウウウ!?』


 躱したところをすれ違いざまに短剣を横腹に突き立て、足まで切り裂く。骨にあたった感覚がある。狼の勢いを利用したので、狼の左半身をあまり力を入れずに切り裂けた。


 機動力が削がれた狼は、荒い息をしながらこちらを睨みつける。


「あ?」

『キャイン!?』


 ガタガタガタ…


 【威圧】が発動させる。狼が怯えているが、それはただの隙だ。


 ザシュ!


 肉薄し、喉に短剣を差し込むと、そのまま狼は絶命した。

 血を流して横たわる狼の死体。体から魔石を取り出して売れば少しは金になるが、あいにく解体に関してはよく分かってない。

 そのうち習得するべきなんだろうか?


「まぁ考えても仕方ない。遺跡に向かうか。」


 初めての魔物との戦闘は案外あっけなく終わった。


……

………


 あの後、何体かと遭遇したが、3匹の群れまでなら余裕で倒すことが出来る。ステップウルフは大勢で群れる習性がないので、初心者にも戦いやすい部類に入るらしい。

 いろいろな戦法を試してみると、案外楽しかった。レベルが32→36とだいぶ上がったし、また今度狩りをするのもアリだな。


 やっと遺跡についた。鞄の中には、紙、ペン、方位磁石がある。できれば測量機も欲しいが、無駄遣いするわけには行かない。


「よし、探索開始だ。」


 遺跡の入口には扉がある。扉を開いて中にはいると、後ろで勝手にバタン!と大きな音を立てて扉がしまった。少し心配になって扉を引いてみると、ちゃんと開いた。特に問題はなさそうだ。

 気を取り直して探索を再開しようとすると…


「あれ、前の廊下って左曲がりだったか?」


 さっきは右曲がりだった。見間違えることはない。これがあの受付嬢が言ってた構造の変化か。マッピングの意味があるのか少し心配だな。帰れなくなったらどうするんだ。

 もしかして銅級以上の難易度がある可能性があるのか…?


 まぁいい、とりあえずこの部屋のサイズと縮尺を書いて、、

 この部屋の扉のある壁は目測で8メートル。奥行きは10メートルほどか。


 こういったことをするのは昔から得意だったんだよな。家具を買う時、毎回俺が連れてかれていた。家の間取りにフィットするかどうか。毎回ドンピシャ当ててるからな。でもあまり信用しないでほしい。

 毎回間違ってないかビクビクしながら帰っている。


 このまま俺はマッピングを進めた。


………

……



 遺跡には所々トラップがあって、それが少し危なかった。だが、そこまで高難易度じゃなかったから命の心配をすることはなかった。

 そして、よくわからない通路にたどり着き、壁に書いてある少し風化して消えかけた文字を見つける。


「なんだこれ?」


 見覚えのある文字、、かすれかけた記憶の中から一つを導き出す。

 確かこれは……


「古代語!」


 ぼやけかかっていた記憶を鮮明に思い出した。

 妹と昔勉強したんだ。冒険するなら遺跡も行くし、必須だよ!って妹に言われて頑張って覚えた。勉強が昔から少し苦手だった俺にはしんどかった。

 えーと、これはたしか…


「汝…に、研…究の、成果を託‥す?」


 ここは研究施設だったのか?それにしては寂れてるが…研究の成果なんて残ってるのか?


{音声認識を検知。解読に成功した個体を発見。}

{直ちにゲートを解除します。}

「なんだ!?」


 虚空から声が聞こえた。まるで感情のない淡々とした声。


 ズゴゴゴゴ...

 数十年、いや、数百年は動いていないような空気が震えた。眼の前の壁が上に上がり、新たな部屋が現れる。


『…貴方が次の主ですか?』

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