3 冒険者
久々に大通りに出た気がする。いつも裏路地ばっかり通っていたからな。
さて、どうしよう。貴族に復讐するにしても、実力も人脈も情報も足りない。ならば、誰でも簡単になれる、冒険者になるのが得策だろう。
最低限の力は裏社会で培ってきた。ステータスを一度見直すか。
『名前:レイジ
lv.32
《職業》
取り立て屋
《スキル》3/3
【短剣術】
【気配察知】
【威圧】
《ギフテッド》
【契約貸借】
』
『【短剣術】
短剣の扱いを補助する。』
『【気配察知】
気配を感じ取りやすくする。』
『【威圧】
威圧した時の圧が強くなり、調整しやすくなる。』
『【契約貸借】
???』
スキルが斥候に寄ってるな。取り立てに必要なことをしていると、気がつけばスキルが身についていた。
襲いかかってくるやつに対抗するための【短剣術】
尾行を察知したり、追跡するときに使う【気配察知】
プレッシャーを与えて金を払わせる【威圧】
尾行とかされて、アジトがバレれば組織は一巻の終わりだ。さっき撒いた尾行も危機の一つではあった。いちいち依頼主とか調べるのも面倒だし、正直振り払えれるなら放置でも良い。
ギフテッドの【契約貸借】に関しては未だに扱い方がよくわからない。説明が???って書いてあるし。
ハネスさんのもとで7年間鍛えられたんだ。少なくとも、一般の冒険者よりは生き残る自信がある。妹の夢は冒険者だった。あいつの分まで世界を見てこないといけない。
まずは冒険者ギルドに行って登録しないといけないな。
……
………
冒険者ギルドに付くと、強面の人、爽やかそうな人、美人な人。多種多様な人がいた。中には亜人と呼ばれる人たちもいる。亜とは言うが、しっかり人権がある。昔は差別などが酷かったらしい。
カウンターに向かい、手袋をした受付嬢に「冒険者登録お願いします」と話しかける。
「わかりました。年齢と名前、レベル、そして持っているのならばスキルの提示をお願いします。」
「はい。名前はレイジ、年齢は16。レベルは32 スキルは【短剣術】【気配察知】【威圧】の3つだ。」
「その年齢で32レベル、更にスキルを3つもお持ちなのですね。素晴らしいです。あなたぐらいの歳の新米の冒険者は基本的にレベル10前後、スキルもないことがほとんどなので。生き物を殺したことはありますか?」
「はい」
時々、契約で命をペナルティにして多くの金を借りるやつも居た。そういうやつが返せなかった時に、俺が殺したことはある。初めて人を殺した日は、手が震えて、喉も飯を通らなかった。
だが、生きるための術だと割り切ることにした。
「...わかりました。実践経験ありとのことなので、木級、鉄級を飛ばして銅級になります。」
「早くないか?銅級は持っていれば一人前と呼ばれるものでは?」
「もう一つ上の銀級までなら信用より、実力で上がることが出来るんですよ。こちらも人手不足なので。」
「そうなのか。」
ギフテッドに関しては何も聞かれなくて良かった。そもそも数万人の内、1人を見つけるのは珍しすぎていちいち聞いてられないんだろうか。話すのはもっと後でいいだろう。また領主に目をつけられるのは嫌なのでな。
「こちらの亜麻色の板に30秒ほど触れると魔力と情報が登録されます。」
受付嬢は手袋をしたまま、板をこちらへ滑らせる。
「職員は誤って情報を登録しないよう、手袋を着用しているんです。」
「なるほど」
このプレートってどういう仕組みなんだろう。考えてもわからないか。魔道具の類は俺にはよくわからない。
「はい、登録完了です。依頼はあちらの掲示板から依頼書を取ってカウンターに持ってくると、受注することが出来ます。何か質問はありますでしょうか?」
「銀級から上のランクになるためには何をすれば良いんだ?」
「金以上のランクは、ギルドからの信用と、素行などを見られています。人が良く、実力がある方が、金以上の、白金、ミスリル、オリハルコンまで行くことが出来ます。」
ランクは木、鉄、銅、銀、金、白金、ミスリル、オリハルコンの八段階。ミスリル以上は英雄で、オリハルコンは伝説や逸話として歴史に語り継がれている。
そういったおとぎ話に夢を持つ子どもがたくさん居て、みんな冒険者にあこがれている。
俺もそのうちの1人だった。
「なるほど、あと、報酬の良いおすすめの依頼はあるか?」
「銅級で初めてですと、、危険の少ない、遺跡の地図作りがおすすめですね。最近見つかった遺跡なのですが、毎回中の構造が変わっているとの報告がありまして...」
「…それは鉄級などに調査を任せれば良いのではないのか?」
この辺の簡単な依頼だからありふれている木級や、鉄級に回すのが妥当だと思うのだが。なんでわざわざ銅級の俺に?
「遺跡までの道中には魔物も居ますし、遺跡も絶対に安全とは言い切れないので、最低限の実力が必要なんですよ。その分、地図の正確さや、広さによっては報酬が上乗せされることもありますので。」
「わかった。その依頼を受ける」
取り立てで何度も地図を書いて逃走経路や、入り組んだ裏路地を覚えてきた。そこまで苦戦はしないだろうな。でも、毎回中の構造が変わるっていうのが気がかりだな…
「依頼を破棄した場合は、ペナルティーがあるのでご注意を。あと、マッピング中に手に入ったものはすべて冒険者に帰属されますのでご安心ください。」
「あぁ、ありがとう。行ってくる。」
「お気をつけていってらっしゃいませ。」
俺は冒険者ギルドを出て、遺跡に向かった。
この遺跡の先で何が待っているのか、楽しみだ。
スキルについて
この世界では、スキルはスクロールと、自力習得の2種類があります。
ですが、スキルを持っていても、心得や知識がなければまともに扱うことも出来ません。
あくまでも、スキルは補助として成り立っています。
大雑把に分けると、
◯術、◯魔法、その他に分かれ、その他の中でも進化するものと進化しないものがあります。
◯術と付くものは、◯豪術、◯聖術、◯帝術、◯神術の順で進化します。
◯魔法と付くものは、◯魔術、◯智魔術、◯天魔術、◯神魔術の順で進化します。
進化するその他のスキルは、今レイジが持つ、【気配察知】、【威圧】などがあります。
スキル同士を組み合わせる統合スキルなどもあります。
是非スキル名や、組み合わせれるスキル同士を予想してみてください。
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