王国編 第9話
セフィロース王国の王都カザリア。王都というだけあってさまざまな品が市場を賑わせている。
ルイとリアナは人々の間をかき分けながら進んでいた。
「リアナは何か買いたいものはある?」
「あのね、ルイ」
「なんだ?」
「ここ王都なんだから流石にその呼び方はまずいでしょう?」
「あ!確かに。うっかりだったな。じゃあ、そうだな。アナでいいか?」
「適当ね。まあ私は別にそれでいいけど」
「買いたいもの…そうねー。…あっ」
リアナは一つの露店の前で足を止めた。そこではブドウが売られていた。
「おっ!お嬢さん目がいいね。これはアルベール領で取れたものだよ。お一ついかがかな?」
露店の店主が気前よく話しかけてきた。リアナはどこか懐かしそうな表情をしている。
「アナ?このブドウが欲しいのか?」
「ええ、久しぶりに食べたいなと思って」
「親父さん。このブドウを一つお願い」
「はいよ。銅貨3枚ね」
ルイは3枚の銅貨を店主に渡し、一番綺麗なブドウを一房買った。
「ありがとう。ルイ!」
「これくらいいいよ。そうだ今日は依頼を受けないことを冒険者ギルドに報告しに行ってもいいか?」
「いいわよ」
「じゃあ行こう」
二人は冒険者ギルド向かった。
王都の冒険者ギルドはとても大きい。中央の大広間から買う施設へ広がるように立っている。
ルイはリアナを連れて冒険者ギルドに入った。すると受付近くにゲイルの姿があった。
「おお!ルイ!今日は遅いな。ちょうどよかった。今から一緒に依頼を…」
言いかけたところでゲイルの目にルイの後ろを引っ付くように歩く顔を隠した女がいるのが映った。
「おい、おいおいおいルイ!まさかそいつ…」
「ああ、お前が散々からかってきた同居人のアナだ。顔は見せたくないらしいからそこは勘弁してくれ」
「ゲ、ゲイルだよろしくな」
ゲイルは緊張しているのか、少し声が上擦っている。
「ルイから聞いています。こちらこそよろしくお願いします」
リアナは少し小さな声で返事した。
「そうだアナさん。俺がいいお茶屋さんを紹介して…」
「殺すぞ…」ルイはゲイルを睨みつける。
「はい。スンマセン…」
ゲイルは後ろに引っ込んだ。
「すまんが今日はアナと買い物だ。依頼は受けん」
「そうか、楽しんでこいよ。チェッ!」
ルイは申請書を受付に出し、リアナと冒険者ギルドを出た。
「さあ、買い物の再開だ!」
「うん!」
二人はまた歩き出した。
だが、二人は気づいていなかった。迫ってきている危険を…




