表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣士様は女になりたい【完結済】  作者: ZIKIRU
第3章 神聖国編
PR
40/53

神聖国編 第8話 『⬛︎⬛︎』

『エルフ』、それは遥か昔から存在しており、未だ謎多き種族である。

この時代で知られていることはエルフは皆、耳が尖り、老けず、長寿である事。

そして、古くから伝わる文献には興味深いことが書かれてある。

神の血が流れている種族。そしてこの世界で最も神に近しい種族であると。



リアナは帝国の郊外へ続く道を歩いていた。

しかし、一昨日隣にいた愛する人の姿はそこにはない。

そこには愛する人の面影を持つ男がいた。

「すいませんジークさん。わざわざ付いてきてもらって」

「いいんだよこれくらい。新しい剣ができたんだろ?」

普段外では面布をしているジークだが、今回は暗影の任務ではないので付けていない。

そのせいか風に揺れる銀色の髪が視界に入るたび、リアナの心が痛む。

「……すまんな。リアナ」

「え…?」

リアナはジークが突然謝ったことに驚いた。

「ルイの事だよ。兄として謝っておこうと思ってな」

「いえいえそんな!私も言い過ぎたと思ってますので!」

リアナも怒りたくて怒ったわけではないのだ。

ただ少しだけ、愛する人の隣に立てないかもしれないという恐怖に怯え、口が出てしまったのだ。リアナは今でもルイのことを心の底から愛している。そのことだけはずっと変わらない。

「あいつにもあいつなりの”悩み”ってものがあるんだよ」

「悩み…ですか…」

リアナは知らない。ルイの悩み事など。

きっと尋ねてもルイは話したりしないだろう。

できることなら知りたい。痛みや悩みは打ち明けてほしい。

自分だって愛する人を支えたいのだ。

そんな叶わないかもしれない願いをリアナは抱えるのだった。



しばらく歩いたところで鍛冶屋に着いた。

「ほれ、これがお前さんの剣じゃよ」

鍛治氏はリアナに布で巻かれた剣を手渡した。

リアナはその布を解く。中から現れたのは純白の鞘に金の彫刻が入った軍刀だった。刀身を見ると何やらキラキラしたものが見える。

「この刀身、何か混ぜてあるんですか?」

「よくわかったな。その刀身には砕いた魔石が混ぜてある。お前さんが魔法も使えると言っていたからな。一応、杖としても使えるぞ」

杖は魔法を使う時に魔力の消費量を調節してくれるものだ。

魔力量の少ないリアナにとって杖はとても嬉しい。

「それと…おや?この前のお連れさんはどうしたんじゃ?」

「………」

リアナは答えられなかった。顔が暗くなる。

「あーすまねえな。あいつ体調崩しちゃってよ〜」

ジークがなんとか誤魔化してくれた。

「そうか、それは残念だ。もう一つ依頼されていたものがあったんじゃが…」

「もう一つ…?」

リアナは軍刀しか頼んでいない。つまりそれはルイが頼んだものだ。

「ああ、気にせんでくれ!またお連れさんがきた時に渡しておくわい」

鍛治氏は少し焦った口調で話した。

「そう…ですか…」

リアナはそれが何か気になったが仕方なく諦めた。

そして鍛冶屋を後にした。



ここからは帝国を出てエルフの森へ向かう。

しばらくこの地とはお別れだ。リアナは寂しそうに道を歩いていた。

その時、ジークに声をかけられた。

「……なあ、歩きながらでいいから聞いてほしいんだ」

ジークは何か覚悟を決めたような顔をしている。

「分かりました…。なんでしょう?」

「ルイ、あいつの過去についてだよ…」

「ーー!」

「俺たち王族に女が居たことを知ってるか?」

「ええ、確かお姉様がいらっしゃるとルイから聞いていますが…」

「正確に言うと…()()()()

「え…?それはどういう……?」

「お前には話しておこうと思ってな。

 マーク兄上と俺にとっての妹であり、ルイの⬛︎⬛︎(姉上)に当たる…」



ー「セリア・トラニカルについて」ー

実はルイの”姉上”は帝国編 第2話『リアナ・アルベール』にて、単語だけですが一度登場しています。よかったら確認してみて下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ