王国編 第4話
リアナがルイの家で暮らすようになってから2週間が経った。
ルイは元々、この森で自給自足をしていたらしいがリアナが来てから冒険者になった。
ルイは毎日霧が濃く数メートル先が見えないような早朝から家を出ていき、夕方あたりに帰ってくる。
そして当たり前のように稼いだお金を薬やリアナの服などに使うのだから申し訳ない。
今日もルイは笑顔で帰ってきた。疲れも見せないような屈託のない笑顔で。
「見てよリアナ!今日、依頼でオークを倒したらEランクになったんだ!」
ルイはキラキラした目で冒険者カードを見せてきた。ランクはS〜Fまである。
そして何よりルイは強い。この森で自給自足してたからなのか、リアナの推定でもBランクくらいに見える。
「なあ、ルイ…」
「なんだい?リアナ?」
「私のためにお金を稼いでくれるのはありがたいのだが、
ほら、もう怪我も治ってきたし無理しなくても良いんだぞ?」
「全然無理なんかしてないよ。むしろ楽しい。森から出たおかげで友達もできたし」
「それは良いのだが、少しは稼いだお金を自分のために使ったらどうだ?私のものばかりだろ?」
「自分のためって言っても買う物なんてないからな〜」
「うむ…お!一つあるぞお前の買うもの」
「なんだなんだ!」
「ベットだよ」
「ベット?なんで?もうあるじゃん?」
「これは私が使ってしまっているからな。さすかにお前が床ばかりで寝ていると私が申し訳なくなってしまう」
「ベットね〜。まあ、確かに。じゃあまたお金が入ったら買ってみるよ」
次の日、ルイは依頼を早く終わらせ、家具屋でベットを見ていた。
「おう!ルイ。服の次にベットとはお前も侮れんな」ふと、後ろから肩を叩かれた。振り返るとゲイルだった。
ゲイルはルイが冒険者になって初めてできた友達だ。尖った赤い髪に少し悪い目つき。
パッと見ると悪ガキみたいだが、仲間思いの良いやつだ。ちなみにルイより先輩でCランクである。
また、冒険者パーティー“烈風”のリーダーでもある。
「そんなんじゃねえよ。なんだゲイル?また俺を勧誘しにきたのか?」ルイはめんどくさそうな顔をしている。
「いや、お前には大切な人がいるみたいだからそれは諦めたさ」
「だからそんなんじゃねえって」
「なんだ?ダブルベットか?」
「ちげーよ!シングルだわ!」
「素直じゃねえな〜。じゃあその女、俺にも紹介してくれよ」
その瞬間、場の空気が凍る。
「…殺すぞ?」ルイが低い声でゲイルを睨む。
「わ、悪かったって!冗談だよ冗談!」ゲイルは慌ててルイに謝る。
ルイは呆れて帰っていた。その後ろ姿にゲイルが呟く。
「恋だね〜」




