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剣士様は女になりたい【完結済】  作者: ZIKIRU
第2章 帝国編
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帝国編 第10話 『死闘』

アルベール領の屋敷の一角でその戦いは静かに幕を開けた。

重い冷気が体を包み、呼吸をするたびに息が白く濁る。

目の前にいるのは”アイシクルランス”を展開したメーリアだ。

(まずいな…できれば戦いたくないんだけど…)

ルイは少しずつ間合いをとる。ゆっくりとゆっくりと…

その時、メーリアが仕掛けた。


ー「アイシクルランス」ー


氷柱の槍がルイに向かって飛んでくる。ルイは交わした。

「おらっ!」

ルイはその隙を見逃さずメーリアに迫る。メーリアも即座に魔法を展開する。


ー「アイスウォール」ー


『ガキン!』という音が室内に響き渡る。ルイの軍刀は巨大な氷の壁に止められた。

ルイは一旦距離をとる。そこにメーリアが間髪入れずに魔法を叩き込む。


ー「アイシクルランス」ー

ー「アイシクルランス」ー

ー「アイシクルランス」ー

ー「アイシクルランス」ー


メーリアの魔法の生成速度は凄まじい。ルイはなんとか避けている。

このままではジリ貧だと判断したメーリアは奥の手を出す。


ー「アイシクルランス…×3(クロス スリー)」ー


メーリアの周りに氷柱の槍が同時に三本生成される。

(バカな⁉︎ 並列構築だと⁉︎)

“並列構築”それは一回に複数回の魔法を同時に扱う芸当。

簡単に言うがこれは脳にかなりの負担がかかる。

そして今メーリアが使ったのは“×3”かなりの負荷がかかっているはずだ。

先ほどの攻撃の3倍の量で氷柱の槍がルイめがけて降りかかる。

ルイは腕や脚などに擦り傷を負った。いくらルイでも完全には避けられない。

するとメーリア鼻から一筋の血が流れるのが見えた。

「お前!それ以上使うと脳が焼き切れるぞ!」

ルイがメーリアに警告する。

「それでお前を殺せるなら本望だ!」


ー「アイシクルランス×3」ー

ー「アイシクルランス×3」ー

ー「アイシクルランス×3」ー


メーリアは攻撃を止める様子がない。

「仕方ねえ…」

ルイは全身に魔力を循環させる。


ー「身体強化(ステータスアップ)」ー


ルイは強化した身体能力で降り注ぐ氷柱の槍を交わす。

そしてメーリアの懐に入り込む。

(もらった!)

ルイは軍刀を振るった。

だが、刃先がメーリアの首元まで来たところで手が止まった。

リアナの言葉を思い出したからだ。これは“守るための戦い”であると。

メーリアはその隙にルイから距離を置く。

「なぜ、殺さなかったのです?」

「まあ、愛する人からの願いなのでね」

「私をバカにしているのですか?」

「そんなことないさ。で、話し合いをする気は?」

「ありませんね」

「そうかよ」

二人はまた戦闘体制に入る。

メーリアの顔から明らかに疲れているのがわかる。

(このまま戦闘不能になるまで持ち堪えるか?

いや、それではこいつが持たない…どうすれば…)


ー「アイシクルラ……ッ」ー


二人が再び力をぶつけ合おうとした、その刹那――


ー「ライトニングジャベリン」ー


『ズドーン』という音と共にメーリアの生成した氷が砕かれた。

メーリアが魔法を使う前に誰かが別の魔法を使ったのだ。

もちろんルイは魔力循環体質者なので違う。では一体誰なのか?

二人は魔法の放たれた方向を見る。

そこには金色の髪に白い軍服を着た“剣姫”の姿があったのだった。

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