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剣士様は女になりたい【完結済】  作者: ZIKIRU
第2章 帝国編
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帝国編 第9話 『因縁の相手』[挿絵あり]

セフィロース王国アルベール領。

雨が少なく、乾燥したこの土地はブドウの栽培にとても適している。

そんな豊かな土地の静かな夜にひっそりと迫る影があった。



ー3日前ー



「ところで具体的な作戦はどうするのだ?」

マークはリアナに質問する。リアナは冷静に話し始めた。

「まず、この作戦で最も重要な役割を持つのは私とルイです」

「俺もなのか⁉︎」

「ええ、そうよ。ところでマーク様、軍を少々貸していただけませんか?」

「いいだろう。どれくらい欲しい?」

「一小隊[30〜40人]ほどで構いません」

「たった一小隊だけで良いのか?」

「はい。先程も言ったようにこの作戦の要は私たち二人です」

「では、小隊は何に使うのだ?」

「屋敷を占領した時に見張りとして使うのです」

「なるほど…」

マークはあまり納得していないようだ。

「この作戦、必ず成功させて見せます」



・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・



そして、今に至る。

二人は屋敷の前まで来ていた。

マークが貸してくれた特別精鋭特殊部隊“暗影”は近くの森に待機している。

「じゃ、作戦開始よ」

「了解。でも暗くてよく見えないな…」

「仕方ないわね」

リアナは手に魔力を込める。


ー「ライトニング」ー


リアナの手から小さな光の玉が生成され周りをほんのり照らした。

「リアナって魔法使えたんだな」

「まあね、光魔法だけだけど」

「魔術師にはならなかったのか?」

「私はそこまで魔力がないのよ。だから剣士の方があってるわ」

「ふーん。それじゃ、始めるとしますか。俺は右に行くからリアナは左をお願いな」

「任せて」

二人はゆっくりと窓から侵入し、左右に分かれて走り出した。

ルイは少し走っていると光が漏れている部屋を見つけた。

ルイはその部屋の扉をゆっくりと開けた。その時、中から誰かの声がした。

「何者ですか⁉︎」

メイド服を着た女が一人いた。でも、どこかで見た顔だ。

それは侍女長のメーリアだった。



メーリアはルイたちの僅かな気配を感じ取り目を覚ました。

侍女長であるメーリアは元は王国の魔術師だったのでかなり腕が立つ。

部屋の扉がゆっくりと開く。

「何者ですか⁉︎」

メーリアが警告すると一人の男が入ってきた。帝国の軍服を着ていた。

メーリアは男を警戒した。だが、男の顔が見えた時、言葉を失った。

整った顔に銀色の髪…忘れるはずがない。あの男だ。

あの夜、主人を…リアナ様を攫ったあの憎き帝国人。

部屋の空気が冷気を帯び始め、床や壁には霜がついていく。


ー「アイシクルランス」ー


メーリアの周りに即座に氷の槍が生成される。

「あなたにはここで死んでもらいます」

その言葉には明確な殺意が見える。

ルイは軍刀を抜き、戦闘体制に入る。

そしてここに同じ人を思う二人の戦いが始まったのであった。










挿絵(By みてみん)

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