王国編 第2話
暖かい。何かに包まれている。これは布団だろうか?
リアナはうっすらと目を開ける。窓から差し込む朝日が異様に眩しい。
ふと、自分を見つめる。所々に包帯が巻かれ、ベットに横になっていた。
リアナはゆっくりと体を起こす。頭痛がひどく、気分が悪い。
しばらく、ベットから窓の外を見ていた。朝日が濃い霧に反射して眩い光を放っている。
すると、後ろから『ガチャ』っとドアの音がした。振り返ると水の張った桶に手拭いを持った男が立っていた。
年は自分と同じ20歳くらいだろうか、整った顔立ちに首元まで伸びた銀色の髪。こちらを見て驚いている。
リアナはふと我に帰り、戦闘体制になろうとした。
「貴様、何もn」言いかけた瞬間、全身に激痛が走る。リアナはベットの上でうずくまり、悶えた。
「バカお前⁉︎…大丈夫か⁉︎」男は桶を置き、駆け寄ってくる。
悶えるリアナの背中をさすりながら心配そうに見つめている。その手はとても暖かい。
落ち着いたところでもう一度男を見る。さっきより少し安心した顔だ。
「ここは…どこだ?私はなんで…」直後、あの時の記憶が蘇る。落ちていく体、笑う婚約者、遠ざかる景色…。
リアナはハッとし、男の服の裾を掴み、焦りながら話した。
「ここはどこなんだ⁉︎あれから何日経った⁉︎王国は⁉︎」息を荒らしながら男に質問する。
「落ち着け!落ち着くんだ!全部話すから一旦落ち着け!」男はリアナの肩に手を置き、落ち着かせた。
男はベットの隣に椅子を運び、話し始めた。
「いいか、お前は俺が湖に打ち上げられていたお前を拾って、ここに寝かせてから1週間が経った。
そしてお前は王国ではもう死んだものとされている」
「そんな…待て、なせお前は私が死んだことになっていることを知ってるんだ?
初対面だし、名乗ってないだろ?」
「看病するときに持ち物から身分証が出てきたんだよ。女の騎士様」
「そうか、だがもう私は騎士ではない。ただの剣士だ…」
「まあ、そうなるね。お前も苦労したんだな」
「なあ…」リアナは不機嫌そうに男の顔を覗き込む。
「な、なんだよ」男は少しのけぞりながら答えた。
「その“お前”っていうのやめてくれないか?私にもちゃんと名前があるのだが」
「そうか?ならリアナ様って言うのもなんだから、リアナでいいか?」
「まあ、良いだろう。それで、君の名前は?」
そう聞かれた男は少し困った顔で考え始めた。
「名前…名前か、そうだな…俺の名前は…」
ー「ルイだ」ー




