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剣士様は女になりたい【完結済】  作者: ZIKIRU
第2章 帝国編
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帝国編 第4話 『二人の関係』

窓の外の光が徐々に消えていく。

ダグラスがリアナを連れて隣の部屋に消えていってからかなりの時間が経った。

ルイは護衛の人たちに手伝ってもらいながら夕食を作っていた。

今日は人数が多いのでとてもいつもより多く作らなくてはならない。

すると『ガチャ』っとドアの開く音がした。

部屋からリアナとダグラスが出てくる。だが、様子がおかしい。

リアナは顔を真っ赤にし、ダグラスは満足そうな笑みを浮かべている。

「おい、父上、リアナに何をした?」

「何って、リアナ嬢とお前の馴れ初めとか、お前のどんなところが好きなのかを聞いただけだが?」

ルイは無言で軍刀を手に取り、ダグラスに近づく。それを護衛達が必死に制す。

「お前らどけ!たとえ父上でも一発入れてやる!」

「第三様!どうか落ち着いて!」

ルイは今にも軍刀を抜きそうである。

そんな小競り合いが続いた後、夕食をとり、再び席に着いた。



ダグラスの顔が”親”から”皇帝”に変わる。

「さて、まあリアナ嬢がお前の大切な相手であることはよくわかった」

部屋の空気がまた一段と引き締まる。

「だが、王国の大貴族の一人を手に入れたことは事実だ。よってお前には名が与えられるだろう」

となると今から言われることは一つしかない。

「帝国に帰るぞ。名をもらいにな」

そう。これに否定権は無い。

名を与えられる事が決まれば帝国で『与名式』が行われる。

それは必ず出席しなくてはならない。これは王族としての義務なのだ。

「分かりました父上。ただ…」

ルイはリアナの手を握る。

「リアナも連れて行きます!」

その目は本気である。ただ、ここで一つの問題が生まれる。

「あのー、私の扱いはどうなるのでしょうか?」

リアナは恐る恐る手を挙げて質問する。

ダグラスが重い口を開く。

「”捕虜”…だろうな…」

部屋に沈黙が走る。そしてルイが口を開く。

「俺はリアナを捕虜としては連れて行きたくない。」

「おお!ならば良い案が一つあるぞ!」

ダグラスの顔が”皇帝”から”親”に変わったのが分かった。

「何ですか?父上!」



ー「結婚すれば良いんじゃよ。お前達二人が!」ー



二人は驚きすぎて反応が遅れた。

しかし、どんどん顔が赤くなっていく。

”結婚”、確かにいつかはすると思っていたが、あまりに急過ぎたからである。

「リ、リアナはそれで良いのか?」

ルイはリアナを見ながら質問する。喋り方がとてもぎこちない。

リアナは少し時間を置いて、俯きながらコクリと頭を小さく縦に振った。

こうしてルイとリアナの婚約は呆気なく結ばれたのである。

「まあ、まだ今は”婚約”だがな」

ダグラスがとてもニヤニヤしながら話している。今すぐこの空間から逃げ出したい。

今日の夜は何故かいつもより暑かった。


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