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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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線で繋ぐ報告網

植物工場の設計図を文官と職人達に渡した翌日。


「よし、後は頼んだわ」


私は机から立ち上がる。


早速、植物試験工場の建築を開始。

こちらはまた設計したので完成までは丸投げ。


まあ、今はやる事が多すぎる。


一つ一つ見て回っていたら時間が足りない。


そんな事を考えていると、文官が慌てた様子で入ってきた。


「お嬢様」


「どうしたの?」


文官は書類を差し出した。


「冒険ギルドから支店建築許可を求められてます!」


私は一瞬考えて、すぐ答えた。


「冒険ギルドか」


これは悪くない。むしろ歓迎だ。


「情報が入って来るから速攻で許可!」


文官は少し驚いた顔をする。


「よろしいのですか?」


私は頷く。


「この辺りには支店が無いからなぁ」


魔物情報。依頼。人の流れ。品物。

全部ギルドに集まる。


「まあ建ててくれるなら建てて貰った方がいいに決まってる」


文官は安心したように頷いた。


「ではすぐに返事を出します」


文官が部屋を出て行く。

私は窓から外を見た。

この村も随分変わった。


そして今度は冒険者ギルド。

人が集まる場所になり始めている。


私は山の斜面を見上げる。


「しかしこの地形」


ここは山だ。谷も多い。


「登り降りがきつい」


人が移動するだけでも大変。


「報告ですら大変そうだ……」


村からの報告。鉱山からの報告。

各建築の進捗状況。


全部、人が走って運ぶ。

私は腕を組む。


「ん?」


ふと、思い出した。


通信。無線。いや――


「そうだ」


私は指を鳴らす。


「普通に有線電話作れば良く無い?」


電線。信号。音声。

無線があるなら、有線はもっと簡単だ。

しかも報告だけなら距離の問題も小さい。

私は机に戻り、紙を広げた。


「早速設計して作って貰おう」


発電。配線。送受信機。


簡単な電話なら作れる。

私はペンを走らせる。


「まきちゃんの方にも通せば問題無い」


トンネルが繋がっている。

線を通せばいいだけ。

無線より安定する。


私は笑った。


「そうしましょう!」


鉱山。トンネル。その内に領都まで。

そして国境の向こう。

線は世界を繋ぐ。


今度は――電線で。

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