鉄の機械と次の構想
レールを数十本作り終わって先ずは設置してと。そこから蒸気機関車を作り始めると。
鉄のレールが地面に並び始めると、景色が少し変わって見える。
まだ短い距離だけど、確実に「道」になっている。
「うん、悪くないわね」
私は腕を組んでレールを眺めた。
次は本命。蒸気機関車。
その為の工作機械自体も作った。
旋盤。ボール盤。簡易フライス。
これがあるだけで精度も作業速度も段違いになる。
「これで多少は早く作れるかな?」
私は機械の回転音を聞きながら笑った。
「やっぱ機械は重要よねー」
人の手だけでは限界がある。
だが機械が機械を作り始めれば、世界は一気に変わる。
私はため息をつく。
「ちゃんと作らんとまきちゃん何言い出すか解らないし」
あの子は容赦がない。
設計が甘い。効率が悪い。
もっと改良出来る。
絶対言う。
「今はこれに集中かしら?」
そう呟きながら工事現場を見渡す。
そこでは、いつもの光景が広がっていた。
「カーデンロイド型大活躍だなー」
小型の作業機械。
資材を持ち上げる。運ぶ。積み込む。
クレーンと合わせることで作業効率が格段に上がっていた。
「資材の積み込みもクレーンのお陰で楽になってるし」
以前なら十人がかりだった作業が、今は数人で済む。
さらに。
「掘削型も活躍で鉄鉱石はたっぷりと掘れてるし」
鉱山の方も順調。
鉄鉱石は山のように備蓄されている。
「問題は無さそうね」
私は少し考え込む。
「あと必要なのは何かしら?」
蒸気機関車。鉄道。輸送。
それでもまだ何か足りない。
私は顎に手を当てる。
「ふむ〜」
頭の中で設計図が浮かぶ。
カーデンロイド型より大きい作業機。
「カーデンロイドより大型機があれば、更に早そうだけど」
そうなれば土砂も資材も一気に運べる。
私は小さく笑った。
「思い切ってM11/39の車体作製してみるか?」
軍用の設計をベースにした作業機械。
装甲を付ける必要はない。
車体構造は優秀だ。
問題はエンジン。
私は空を見上げる。
「エンジンは、、そうね」
少し考える。
「空冷V8で行こうかしら」
冷却水がいらない。構造が単純。整備も楽。
「カーデンロイドも空冷にした様だし」
私はさらに思いつく。
「序でに空冷V6も」
これは用途が違う。
「これは、、、そうね」
私は指を鳴らす。
「完全にトラック用予定で」
輸送はまだまだ荷馬車が多い。
ここを機械化すれば物流が一気に変わる。
私は設計を頭の中で組み立てる。
「トラックは何が良いかな」
少し悩む。
「フィアット・666かな?」
大型。輸送力がある。
私はすぐに首を振った。
「いや」
整備性。部品。技術者。
この世界のレベルを考えると――
「整備性も考えないと」
そして結論が出た。
「となるとTXが良いか」
構造が単純。扱いやすい。
私は笑った。
「これならまきちゃんからも何も言われないだろ」
そう言いながら設計台に向かう。
紙を広げる。
蒸気機関車。輸送用貨車。
大型作業機。トラック。
鉄と機械の世界は、まだ始まったばかりだった。




