走り出す鉄の道
私の拠点に余っていたパイプを、トラックに積み込む。まきちゃん……
「これ全部借りるわね」
私は呆れた顔をしていたけど。仕方なく。
「はいはい。どうぞどうぞ……」
まきちゃんは笑っていた。
「じゃあ遠慮なく」
そのパイプを温泉の吹き出し口に接続。
増設。分岐。配管。そして帰り道。
トラックでトンネルを戻りながら、パイプを設置していくそうだ。
私に仕事を振られた……
「小型蒸気機関車と大型蒸気機関車作っておいてね!」
私はが驚いてる中、まきちゃんは笑っていた
「うん」
そして言われた。
「丸投げ」
私はため息をつきながら…‥
「はいはい」
まきちゃんは更に続ける。
「最低二両ずつ、それとレール生産お願い」
私は
「了解」
そして笑う。
「働かせる気満々ね」
まきちゃんは即答する。
「もちろん」
――そして、今。
私は机の前で腕を組んでいた。
はぁ〜。サボってたつもりは無いけど、、丸投げされてしまった。
とはいえ、蒸気機関車の設計自体は既に終わっている。
蒸気機関車R410と、その改造型2.5倍モデルR410改
まずは基礎となるR410からだ。
私は設計図を広げ、紙に写し直す。
スキルの設計図は便利だが、そのままでは職人達が理解できない。
「文官さん」
呼ばれて入ってきた文官が頭を下げる。
「はい、お嬢様」
私は図面を差し出した。
「これを作ります」
文官は図面を見る。
歯車。ボイラー。車輪。シリンダー。
そして眉が上がった。
「……これは」
私は頷く。
「蒸気機関車。鉄の道を走る馬車よ」
文官は驚いた顔をしていた。
「これが走るのですか……?」
私は軽く笑う。
「走るわよ!しかも馬より速い」
文官は完全に固まった。
私は続ける。
「まずは製造」
指を二本立てる。
「R410を二両」
そしてさらに言う。
「その後」
もう一枚の図面を広げた。
長い。かなり大きい。
「この2.5倍型R410改」
文官の目が丸くなる。
「……大きいですね」
私は頷く。
「大型蒸気機関車これも二両」
つまり合計四両。
文官は小さく息を吐いた。
「鉄が大量に必要になりますね」
私は笑った。
「だから石炭を運んでるのよ」
トンネル。鉱山。輸送。
全てはここに繋がる。
私は机を軽く叩いた。
「これが出来れば、トンネルの価値は十倍になる」
馬車輸送とは比べ物にならない。
大量輸送。
私は窓の外を見る。
トンネルの向こう。まきちゃんの領地。
そして小さく呟く。
「鉄道の時代よ」
文官は静かに頷いた。
「……世界が変わりますね」
私は笑った。
「もう変わり始めてるわ」
蒸気機関車に鉄道。
それはただの乗り物ではない。
この世界の物流を――
根本から変える物だった。




