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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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貫通後の打ち合わせ

トンネルが貫通してから、現場は一気に慌ただしくなった。

作業員達は喜びながらも、すぐに次の仕事へ移っている。

私は研究室に戻り、固定式無線機の前に座った。


スイッチを入れる。


ジジ……。


雑音が少し流れる。

私はマイクに口を寄せた。


「こちらさくら」


すぐに返事が返ってくる。


「こちらフジ」


まきちゃんの声だ。

今日は雑談ではな来る具体的な打ち合わせ。

私は早速、本題に入る。


「まずトンネル補強の件ね」


掘り抜いただけのトンネルは、まだ危険だ。

岩壁はむき出し。

崩落の可能性もある。


私は説明する。


「こっちは既にアーチ状のコンクリパーツを作ってあるの」


トンネル壁面を支えるコンクリートブロック。


事前に設計していたものだ。

ここで一つ問題がある。


私は続ける。


「ただしコンクリを輸送するのが大変」


すると向こうからすぐ返事が来た。


「それならこっちで作れるわよ」


私は少し驚いた。


「ほんと?」


まきちゃんは続ける。


「材料あるし設備も作った」


私はすぐ理解した。

なるほど。原料が豊富な場所で作る。

そして現場に直接使う。

輸送コストも減る。


私は頷く。


「それなら人材だけ送るわ」


コンクリ製造のノウハウを持った人員。

それを派遣する。

まきちゃんの所で大量生産。

私はさらに言う。


「そっちは重機あるんでしょ?」


向こうから笑い声が聞こえる。


「あるよ」


やっぱりか。私は続ける。


「なら嵌め込み作業も早いわね」


重機があれば、コンクリパーツの設置は一気に進む。


次の話題。私は言った。


「あと土砂。如何処理してるの?」


トンネル工事で出た大量の土。

私はずっと処理に困っていた。

するとまきちゃんが言った。


「欲しい」


私は思わず笑った。


「ほんと?」


向こうは即答する。


「レンガにしてる」


私は机を叩いた。


「やったね!」


あの土の山、処分に困っていた。


それが――資材になる。

私はすぐ言う。


「コンベアーで送る」


トンネルは既に繋がっている。

なら。ベルトコンベアーでそのまま流せる。

これはかなり効率がいい。


次。私は聞く。


「重機の件」


するとまきちゃんが答える。


「操作の人材育成でしょ?」


操縦者が必要なので。


私は頷いた。


「それも操縦希望者を派遣する」


重機の操作を覚えれば、この先いくらでも役に立つ。


そしてもう一つ。私は言った。


「重機欲しい」


向こうが笑う。


「でしょうね」


私は続ける。


「その代わり鉄鉱石送る」


鉄鉱石用のコンベアーを更に設置してそれを使えば鉄鉱石もトンネルを通して送れる。


向こうには石炭がある。

こちらには鉄がある。

完全な相互補完だ。


しばらく話し合い、私は最後に言った。


「取り敢えずこんな所ね」


まきちゃんも頷く。


「了解」


私は無線機のスイッチを切った。

研究室が静かになる。

私は椅子にもたれた。

トンネルが繋がった。


物流も繋がる。資源も繋がる。


私は小さく笑った。


「これは忙しくなるわね」


だがそれは――悪い忙しさではなかった。

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