表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/119

動力の発想

私は机の上に広げた紙をじっと見つめていた。そこには、あの絵。


護衛が描いた――

まきちゃんの重機らしきもの。


私は腕を組む。


「いやしかし……」


問題はそこだ。


「燃料は何から?」


ショベルカーが動くには動力がいる。

この世界にガソリンスタンドなんてない。

私は机を指で叩いた。


「バイオ燃料か?」


私も考えたが。

油を精製して燃やす方法。

植物油。アルコール。


可能ではある。


私はすぐ首を振った。


「でも……まきちゃんが、わざわざ食料から作る訳ない」


あの性格だ。合理主義。

農業資源は絶対に優先する。

食料を燃料にするなんて選ばない。


私は目を細めた。


「……ハッ」


一つの可能性が頭に浮かぶ。


「まさか」


私は呟いた。


「人造石油?」


石炭。この世界で最も豊富な燃料資源。

それを化学処理すれば――

石油の代替燃料が作れる。


私は椅子に深く座った。


「石炭からか」


あり得る。いやかなり現実的だ。

私は苦笑する。


「逆に石炭しか無いから、そこに注目したって訳か」


石炭液化。合成燃料。


もしそこまでやっているなら。

私はさらに考える。


「となると合成ゴムも?」


タイヤ。シール。パッキン。


全部必要になる。

私は額を指で叩いた。


「鉄鉱石から……」


いや違う。


「鉄やろ」


私は小さく笑った。

材料は鉄。燃料は石炭。


つまり完全な石炭文明。

私は天井を見上げる。


「やるわね」


私は首を振った。


「いや。同じ所で張り合っても仕方ない」


向こうが石炭文明なら。

こちらは別の方向を伸ばす。

それが合理的だ。


私は椅子から立ち上がる。


「こっちは別の物を考えるか」


私は外へ出た。拠点は今日も忙しい。

鉱山。トンネル。村の建設。

私は現場を見回しながら歩く。


「ふむ〜」


問題は山ほどある。

そして視線が止まった。


トンネルの入口。

そこから出てくる作業員達。


そして――山のように積まれた土砂。


私は腕を組む。


「……んー」


ふと頭の中で一つの案が形になる。

私は呟いた。


「石炭」


少量ある。


「小さい蒸気機関」


それを作る。回転力を得る。

私は空中に指で線を描く。


「その回転でベルトコンベアー」


回す。コンベアーをトンネルの奥へ伸ばす。

さらに繋げる。

さらに繋げる。


私は笑った。


「土砂」


「鉄鉱石」


全部。


「外まで運ぶ」


人が担ぐ必要がなくなる。

効率が跳ね上がる。

私は腕を組んだ。


「重機じゃない。鉱山機械」


これはこれで革命だ。

私は小さく笑った。


「よし!これでいこう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ