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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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山越えの隊列

翌朝。

私は村の広場に立っていた。

目の前には荷馬車が並んでいる。


「……二十八台」


思ったより集まった方だろう。


本当は五十台ほど欲しかったが、この拠点の規模を考えれば上出来だ。


私は腕を組んで眺める。


「よく集めたわね」


横で文官が頷く。


「かき集めました」


農家の荷車。商人の荷車。建築用の運搬車。

使えるものは全部使う。

私は荷台を軽く叩いた。


既に鉄鉱石が積み込まれている。


「鉄鉱石は問題なし」


文官が答える。


「はい。以前から掘っていた分があります」


鉱山から出た鉱石は、ある程度備蓄されていた。だから今回の分は、すぐに準備できた。


私は満足そうに頷いた。


「良いわ!準備早い」


次の問題は――護衛。


山越え輸送には危険が付きまとう。

魔物。盗賊。道の崩落。


私は文官を見る。


「護衛は?」


文官が帳簿をめくる。


「募集を出しました」


今回の募集は少し特殊だ。

騎士団だけでは人数が足りない。


だから。


「経済奴隷の中からも募集」


文官が頷く。


「冒険者経験者」


「商隊護衛経験者」


「元兵士」


意外と多い。


借金で奴隷になっただけで、元々は腕の立つ者も多いのだ。


私は感心した。


「結構いるのね」


文官も苦笑する。


「はい」


そして少し真面目な顔になる。


「ですが危険な仕事です」


そこで決めたのが――危険手当。


私は机を指で叩いた。


「今回、特別手当を支給」


文官も頷く。


「二回分です」


今回の輸送。そして次の輸送。

合計二回分。

それを約束して募集をかけた。


結果は――


「早かったわね」


文官が苦笑する。


「一瞬でした」


応募者があっという間に集まった。

やはり金は強い。


私は腕を組む。


「まあ、そうよね」


そして隊列を見る。荷馬車二十八台。

護衛数十名。なかなかの規模だ。


私は言った。


「二班に分けましょう」


文官が頷く。


「往復ですからね」


一班が出発。


戻ってきたら――


二班が出る。


荷馬車の数が足りない以上、この方法しかない。


私は護衛達を見渡した。


冒険者上がり。商隊護衛。元兵士。

顔つきは悪くない。

私は軽く頷いた。


「頼んだわよ」


護衛達が一斉に頭を下げた。


「お任せください!」


荷馬車の御者達も準備を始める。

馬の手綱。荷の固定。武器の確認。


いよいよ出発だ。

私は少し離れた場所から、その様子を見ていた。

そして小さく呟く。


「待っててね」


遠くの山を見る。

その向こうには――

まきちゃんの領地がある。


私は小さく笑った。


「まきちゃん」

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