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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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増えすぎた人手

今日も村の入口には荷馬車が並んでいた。


「お嬢様!到着しました!」


護衛が声を上げる。

私は村の広場からそれを見て、満足そうに頷いた。


「今日も来たわね」


荷馬車の後ろから降りてくる人々。

経済奴隷として送られてきた者達だ。

男もいれば女もいる。

年齢も様々。


農民、鉱夫、大工、料理人、放牧民。


私は軽く手を叩いた。


「はい、集合!」


集まった人達を見回す。


「まず仕事の確認ね」


文官が横で帳簿を開く。

私は指示を出していく。


「大工班は空き家の補修」


「農業班は畑の整備」


「鉱山班は坑道作業」


「料理班は炊き出しの補助」


人々はすぐに動き始める。

私は満足そうに頷いた。


「いい流れね」


文官も頷く。


「ええ」


人手が増えれば、村は動き出す。

それは間違いない。


そして――次の日。


また荷馬車がやって来た。


「お嬢様!到着です!」


私は軽く手を振る。


「はいはい、こっちね」


同じように人員を集める。

そして配置。


「あなた達は農業班」


「こっちは鉱山」


「大工経験ある人はこっち」


テキパキと配置していく。

文官が横でメモを取る。

村はますます賑やかになってきた。


そして――その次の日も。


「お嬢様!また到着しました!」


私は笑った。


「順調ね〜」


同じく配置。適材適所。

村の人口はどんどん増えていく。


そして――さらに次の日。


荷馬車がまた到着した。

私は遠くからそれを見ていた。


「……ん?」


馬車の数が多い。私は腕を組んだ。


「おいおい」


そして小さく呟く。


「なんか可笑しくないかい?」


予定より多い。

明らかに多い。

私は文官を呼んだ。


「文官さん……ちょっと」


文官も既に気づいていたようだった。

困った顔で近づいてくる。


「お嬢様……言いたい事は理解しております」


私は腕を組んだ。


「よね?」


文官が帳簿を見せる。


「手配した人数と到着人数が合いません」


私は額を押さえた。


「ですよね」


予定では、ここまで増えるはずがない。

なのに荷馬車は次々と人を降ろしている。


私は空を見上げた。


「何がどうなってるの……」


文官は深く頭を下げる。


「直ぐに調べます!」


彼は慌てて走っていった。

私は広場を見渡す。


村人。経済奴隷。作業員。

もうかなりの人数だ。


私は小さく呟いた。


「これ……食料足りる?」


倉庫。備蓄。炊き出し。

全部計算している。


だがこの人数は――予定外。


しばらくして文官が

息を切らして戻ってきた。


「お嬢様!」


「解りました!」


私は腕を組んだ。


「何?」


「ダブって手配しちゃった?」


文官は首を振る。


「いえ」


そして少し言いにくそうに言った。


「領主様もこちらへ手配を掛けていたようです」


私は数秒固まった。


「……あー」


つまり。私の手配。父の手配。

両方同時に動いた。


結果――二倍。


私はため息をついた。


「……そうなのね」


文官も苦笑する。


「はい」


私は頭を押さえた。


「ぱっぱ……」


そして小さく呟く。


「一言、連絡欲しかったです」


文官が静かに頷く。


「確かに」


私は村の広場を見渡した。

増えた人。増えた荷物。増えた仕事。


だが――増えた問題もある。


私は指を折って数える。


「住む所」


「食料」


「道具」


「水」


全部手配しないといけない。

私は大きく息を吐いた。


「まあ」


そして小さく笑った。


「人手が足りないよりはマシね」


文官も苦笑する。


「確かに」


私は腕を組んだ。


「よし計画変更」


そして村を指した。


「この村予定より早く町になるわよ」

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