次の層
「ふふふ……」
私は出荷書類を見ながら、思わず笑っていた。
「やっとね」
木箱に丁寧に梱包されたそれ。
「四十七ミリ」
ついに。
「まきちゃんの所へ送れる」
私は腕を組みながら、にやりとする。
「くくく」
二十ミリも強いが。
「威力は桁違い」
一撃の重さ。破壊力。存在感。
「まきちゃんの驚く顔が目に浮かぶわ!!」
きっと最初に撃った瞬間。
「何これ!?」ってなる。
私はその想像だけで少し楽しくなった。
「楽しみね」
文官は苦笑しながら確認する。
「固定砲座運用前提で送ります」
私は頷く。
「そうね」
まずは確実に、車体が無くても火力は火力。
十分価値がある。
「さて」
私は次の報告書へ視線を移す。
「第二トンネル」
進捗。
「半分くらい……か」
悪くない。むしろ。
「順調ね」
L6大型工事車両。あれが効いている。
文官も頷く。
「前回より明らかに速度が上がっております」
私は満足げに笑う。
「いいわね」
経験。機械。両方ある。
「そりゃ早いか」
そして私は少しだけ考える。
「……これなら」
第二トンネル。
広さに強度。
「武装型L6、通せるわね?」
文官は少し考えてから答える。
「可能と思われます」
私は頷く。
「なら」
少量でもいい。
「少しずつ載せていく」
完全量産前でも試験配備と運用確認。
「慣らしも必要」
いきなり大量投入より安全。
私は静かに言った。
「備えは分散」
一箇所だけじゃ弱い。
「向こうにも」
力を置く。私はさらに別の書類を見る。
「生活必需品」
鍋。包丁。細部品。
「こっちも順調」
やっと。
「少し落ち着いて来たかな?」
武器一辺倒だった頃よりはかなり。
私は椅子にもたれながら考える。
「そうなると」
次。
「種類を増やす」
一般向けは回り始めた。
なら。
「見た目」
そこも必要。
私は口元を上げる。
「富裕層向け」
貴族。裕福な商人。
彼らは機能だけじゃない。
「見栄え」
装飾。高級感。
そこにも金を出す。
「無視出来ないのよね」
利益率も高い。
私は指で机を軽く叩いた。
「一般で数。富裕層で利益」
いい形。
私は静かに笑った。
「……いいじゃない」
武器。インフラ。生活用品。高級品。
「全部やるわよ」
守って稼いで広げる。
私は窓の外を見る。
少しずつ広がる領地。
「次の層」
そこへ手を伸ばし始めていた。




