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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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空を見る目

「お嬢様!」


慌ただしく駆け込んできた文官に、私は書類から顔を上げた。


「何?」


「まき様より伝達です!」


私は少しだけ姿勢を正す。


「内容は?」


文官は息を整え、報告した。


「電探施設、完成」


「……へ?」


一瞬、思考が止まる。


「感度良好」


さらに。


「両ギルドへ小型無線機設置予定」


そして最後に。


「防空体制の確立を、との事です」


「……」


私は静かに固まった。


数秒。


「え!?」


思わず立ち上がる。


「まきちゃん、電探施設なんて物を作っていたの!?」


文官が少し困惑した顔になる。


「……電探、とは?」


私は一瞬だけ考える。

説明。


「えーっと……」


出来るだけ簡単に。


「遠くの空の動きが解る機械よ」


文官の目が少し見開く。


「……ほぉー」


理解が早い。


「つまり」


すぐに繋げた。


「空からの襲撃への対応が早くなる、という事ですね?」


私は指を差した。


「正解!!」


文官が感心した様に呟く。


「それは……」


かなり重要だ。

私は頷く。


「そうなのよ」


今まで飛来してから気付く。

見えてから動く、それでは遅い。


「先に分かる」


それだけで。

準備。配置。迎撃。時間。

全部が変わる。

私は腕を組みながら、にやりと笑った。


「流石だなー、まきちゃん」


やる事が早い。

しかも。


「ちゃんとギルドにも無線機」


情報共有。警報網。単独じゃない。


「防空体制」


もう立派な戦略だ。

私は思わず笑う。


「やるねー!」


文官も興味深そうに言う。


「となると……」


私はその先を引き取る。


「電探に」


そして。


「対空火器」


私は静かに呟く。


「揃う」


見つけ、伝え、撃つ。


「……強いわね」


かなり。空の脅威。以前の様な突然の不意打ち。それが減る。

私は窓の外を見る。


空。


あの日、慌てて迎撃した記憶。

だが今は違う。


「先に見つけて、先に備える」


それが出来る。

私はすぐに指示を出した。


「こちらも受信体制、急いで整えるわよ」


文官が姿勢を正す。


「はっ!」


私はさらに続ける。


「ギルドとの連携強化。警備隊にも共有。対空部隊は即応訓練」


文官が一気に書き留める。

私は小さく笑った。


「面白くなってきたじゃない」


山を掘り。地下を作り。武器を作り。

そして――


「空を見る」


私達は少しずつ。

確実に――「戦い方を進化させてる」

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