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イルカとウニと……

 

 イルカさんは、優しさと親切心をおかしな方向に全力投球するような子だ。


 最近、イタズラに飽きてきたイルカは、たまには親(仮)孝行でもしようかと考えていた。



「何しようかなぁ」


 ひとりでに呟きながら、手元を動かす。



 コバ君は現在クジラに貸し出し中である。



 ほかのイタズラ仲間も今日は都合がつかないとかで、イルカは暇を持て余して粘土でお城を作って暇つぶしをしていた。



 城といえば、外国のお洒落な中世ヨーロッパ的なお城もいいけれど、日本屋敷的な城もいいよね。


 僕は前世を思い出してくすくす笑いつつ今日のおやつのキャラメルを口に放り込む。



 ちなみに今僕が作っているのは真っ白な日本屋敷風のお城である。思い出しながら作っているため、ところどころおかしな点があるが、気にしない。



 あれ、瓦屋根になんか乗っていなかったけ?シャケだっけ?





 まぁいっか。





 特に気にもせず作ったせいか、どこか歪なお城になってしまった。


 恥ずかしいし焼却処分でもしてしまおうかと考えていると、自室の扉からノック音がした。



 コンコンっ、いいリズム感。



 余談だが僕の前世の家ではインターホンが主流の金属の扉だったため、ノック音なんて聞いたことがない家だった。



「はーあーい?なんですか〜」



 のんびりとした口調で聞くと、聞きなれない声が聞こえた。




「……イルカ。今から、薬草採取に行く。……暇なら、一緒に……」




 あんまり聞かない声だ。でも絶対、たまに聞く感じがする。



 もしかしなくとも、ウニだろう。



 あの人はあまり声を出さない大人しいタイプだもんな。



「行くー」



 のんきに答えつつ、羽織とリュックをしょって部屋から出る。


 歪なお城は、部屋にひっそりと佇んでいた。




 扉の隙間から、ソレがウニの目に映ったが、イルカは面白い毒草がないか考えていて気づかなかった。












 数日後、イルカはいつも通りに大好きなクジラに突撃をかましていた。



「くじらぁ、かまってー」


 抱きついてからまた怒られるかなぁなんて思いつつ笑う。





「……おう。いい子いい子」





「へ?」




 予想とは違い、今日のクジラはなんだか優しかった。



「え? へんなもの食べたの?」


「あのなぁ……俺は犬じゃないんだから……」



 すぐさまいつも通りのツッコミがくる。



 うん、クジラだ。偽物じゃない。



「じゃあどうしたの? 気まぐれ?」




「あ゛ぁ〜、ウニが……」




 ウニが?




「寂しがって暇を持て余したイルカがおかしな建物建設しそうだって」



 だから、そんなことになる前に手を打っておこうかな、なんて言っているクジラは微笑んでいる。


 なにそれ、別に立てる気ないよ、なんて返した。事実だ。でもウニのおかげでクジラが構ってくれた。なので誤報が広まっていても問題はない。


 その後、たまたまカメとウニが通りがかったので、ウニにお礼にケットシーをあげた。





 ブカバクがとってきた猫だ。猫にしては姿がおかしい、服着てるし後ろ足に靴履いてるから何かと思ったらケットシーだったのだ。



 ちなみに、虫の息だが生きている。





 良い被験体になると思うのだけどいる? と聞いたところ、普段めったに見ないいい笑顔で『いる』、と返答が帰ってきた。


 嬉しそうで何よりだ。




 その後、お城のプラモもどきを中庭で焼いていたらなにしてるアホとアシカにペシっとはたかれた。



 やだなぁ、庭は焼いてないよ?



 結局最終的に枯葉も燃やして焼き芋した。


 美味しかった。


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