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 さて、呪いがしっかりと発動していることを確認した僕はコバくんと一緒に勇者対策のための町強化に奔走していた。

 僕発案のファンシー化計画は順調に進んでいて、新たな世界()に目覚めた魔族(男性)もいるらしい。まぁ楽しそうだからいいと思う。


 そろそろ次の段階に進んでもいいだろう。

 攻撃しずらくなる呪いとこの衝撃的な見た目の町が増えてきたので人間の襲撃は減ったらしい、が、それは冒険者や偽勇者に限った話だ。

 勇者(真)はこれくらいじゃ軽い打撃にもならないだろう。


 次はもっとすごいことを考えないといけない。


 勇者が攻撃しずらくなる、勇者……ゆうしゃ……。

 確か前世で僕がホラゲの次に好きだったRPGに、世界を半分くれてやろうとかいう魔王がいたな。僕としては世界なんていらないからアイテムよこせって思っていたけど。

 そういえば、神具とかよく言うけど、あれって勇者しか使えないのかな。人間が使えるって言うなら、僕も使ってみたい。

 あわよくばビームとか破壊光線とか打ちたい。

 魔法使えばできる気がするんだ。目から、とかは無理だと思うけど。



「ねぇ、イルカ様。これなにー?」



 コバくんが両手に抱えているのは僕特製の巨大なキャンディーのような見た目の袋。


 毒霧を出すミミック入りの袋だ。

 それも大量に作ってある。

 これをちょっと勇者の所属国のお城にばらまいてくるだけの簡単なお仕事だ。

 大抵は不審物として回収されるだろうが、確認のためと開けた兵士くらいなら狙えるはずだ。そしてミミックの回収は地面やらなんやらに穴掘ってモグラみたく撤退できるから問題ない。


 さて本当の問題はどうやって城に潜入するかである。


 大抵の人間の国には魔族よけのための神聖術結界が張られているので必然的に僕がいく。そこまではいい。ただ人間でも一般人は城の中なんて入れないのである。

 いっそのこと兵士の振りでもしようかと思ったが、何番隊所属だ?なんて聞かれたら答えられないし、僕自身が人間のお貴族様に媚びへつらうなんてやりたくない。

 貴族の身の振り方はわかるけど、兵士がそれやっちゃまずいし、今世の本名で潜入しても、()()()()()()()一家殺人に合った子供が実は生きていたとかどこの怖い話だって噂になる。最悪魔族が化けている判定をされる。いや、魔族判定自体はこちらに一切攻撃が効かないので問題はないが、めんどくさいことこの上ないのは事実だ。


「あー、面倒だなー」


 僕の独り言はコバくんしか聞いていなかった。




「コバくん、留守中の悪戯結果は録画しといてね」


「はぁーい」


 しっかりと返事をしてくれたコバくんは、少し寂しそうに笑う。

 彼曰く、イルカ様がいないと世界がつまらない、そうだ。僕としては、それは依存症になりかけているのでは、と心配である。



 みんなへのお土産は何がいいだろうか。やっぱり人肉とかの方がいいのかな。でもそれだと一小隊分くらいの人間を狩ってこないと量が心配である。

 ここは普通に何か買って帰るのがベストな気がする。お菓子(砂糖菓子)とかお菓子(砂糖漬けの果物)とかお菓子(ケーキ)とか。いや甘いものが好きじゃないクジラに半殺しにされそうなのでやめとこう。無難に農作物を盗難してこよう。

 ついでに前世で僕の好物だった、肉じゃがにシラタキが入ったやつが食べたいのでしらたきっぽい何かを入手したい。

 魔族や魔物の食事は人間だったり同族だったり、もちろん人間の食事も無いわけじゃないが、なかなかにグロい。当然人間用食事の品目は少ない。

 僕は普通の家庭料理に飢えている。

 いや、料理長が優しいからカレーライスとかオムライスとか食べれるんだけど、僕はしらたきが食べたい。

 なかったらコンニャクを切り刻んでしらたき()にしてやろうと思う。

 そもそもコンニャクはこの世界にあるのか?



 クジラに聞いたら普通に厨房にしらたきがあった。



 お土産はやっぱり人肉にしよう。

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