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やっほー、僕、イルカ。
イルカって漢字で書くと海豚って書くんだよね。
ちょっとひどいと思う。
実際のところ、僕の泳ぎは人並みで、太ってもいないから漢字は当てはまらない。
というかお前、シャチだろ、と言われたことがある。
誰があんな海の中の凶暴パンダだ。
僕はもうちょっとのんびりとした人懐っこいイルカなの。
それはさておき、魔王領内街中ファンシー化計画は結構進んでいた。
今日は城下街をファンシーにしていく。
魔族からのクレームは、勇者に襲われてもいいならそのままで、とご返答している。
力があるやつほど楽しんで仮装している。
力があるやつは崇められたり奉られていたりしているので真似されやすい。
そのせいか強がって着ないやつすらでない。
……クレームはあったけど。
すげぇ、みんな豪華な貴族服(女性用)着てるすげぇ。
魔王領が僕の知ってる禍々しいとは別の意味で混沌と化している。
まぁ、発信源は僕なわけだが。
「イルカサマー?イルカサマー?コンナモノツクッテドウスルノー」
なんかとても聞き取りずらい声がしたから振り向いたら、コウモリの魔物が数匹パタパタしていた。
なかなか愛嬌のある顔をしているけど、頭がすっぽり覆われるくらいの骸骨をかぶっているので普段は見れない。たまに外している。
彼らがこんな物と言っているのは、監視カメラのことだ。
彼らは、というか魔族や魔物は人間より察知能力が高いから普段、警戒のために付けておくということもない。
犯罪が起きて証拠のためとか、真偽判定の魔法使えば一発なので意味もない。
そんなわけでそもそも監視カメラの存在すらなかったこの場所で僕は作らせたのだ。
幸いにも、カメラの技術はあったし、古代文明とやらの遺物はみんな僕の前世の家電製品みたいなものが多かったので意外と簡単に作ってもらえた。
ここはカメラも冷蔵庫もある異世界だった。
ないものといえば銃くらいだ。
銃使うより魔法使うほうが速いし、人間が銃使ったとして、魔族にはなんの効果もない、鋼の肉体で弾かれて終わりだ。
僕としては、僕が人間で、敵対者も人間だから作ってもらおうと考えている。
今のところは出来上がる様子もないし、威力のしょぼい魔法で我慢する。
「そのカメラで勇者が入ってくるかどうか察知するんだ、そして入ってきたらこの城下町はダンジョンにする。警報を鳴らして、ね」
「ダンジョン?」
「迷宮っていうのかな。罠をはり、住民には戦闘態勢になってもらい、魔王城までたどり着けるのかゲームをしていってもらうの」
「ゲーム……」
「そうそう、そのゲームの後にたとえ魔王にたどり着いたとしても、絶対に勝てないように弱らせるためのゲーム」
「ナンカスゴイ」
「そう? まぁ足止めになればいいよ。痺れ薬から毒薬までいろいろ仕掛けておくし、もちろんのことだけど、みんなには効かないようにしておくから。問題ないよ」
説明し終わるとコウモリたちは楽しそう、と言って羽ばたいていった。
あのカメラ、実はもう一つ役割がある。
勇者が来た時にセンサーで感知させ呪いをかけると言う役割だ。
最初は街に入ってきた人間にかける呪いにしようと思ったけど、それだと僕にまで被害がくる。それだとちょっと困るので、カメラを設置することにした。
さて、城下町には勇者用の宝箱(偽)と罠(本物)も置いてきたし、次は何を仕掛けようか。
あっその罠たちも勇者にしか反応しないから問題はない。
作り終わってから知ったけど、勇者たちは神聖な魔素を持っているからそれで他の人間と判別がつくらしい。
僕が監視カメラを仕掛けた意味はどこに……。
あぁ、早く獲物が引っ掛からないかなぁ。




