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24(少しだけタツノオトシゴ視点)

 今日も元気に勇者の存在を消そうとしている転生者、イルカさんだよ〜。

 最近は柵作りに飽きてきたので、幹部に悪戯して遊んでいる。

 仕事はどうしたって?僕の仕事は勇者の足止め及び暗殺だけで他は特にしなくていいんだ。

 書類仕事?知らない言葉ですね。


「何してるんだぁ? イ・ル・カ?」


 あっ、しまった。アシカに捕まった。

 黒いオーラがスケスケどころか、くっきり見えている。

 この人本当に真面目人間なんだ。いや、魔族か。僕みたいな不真面目さんが目立つくらい。


「いや、ちょっと遊ぼうと思って……」

「仕事はどうした?」


「書類は部屋……他は今日はないけど」


「つまりディスク仕事が嫌だった、と?」

「う、うん」

 あ、めちゃおこっている。

 激おこまで入ってないけど、怒ってる。


「真面目に仕事してきまーす」


 最初からそうすればよいものを、って独り言が聞こえた。

 そんなことできていたら、僕は今頃書類仕事を終わらせていたはずさ。



 アスモデウス(タツノオトシゴ)side


「ねぇ、タツノ……アスモデウス。あの人いつも何してると思う?」

「はぁ? カルガ……メランコリーはあの人の行動読めるってか?」

「いや、読めないけど、気になったから」

 魔王城の廊下で、メランコリーが声をかけて来た。

 彼女はイルカという同僚にカルガモと呼ばれている。

 ウ…ルシファーは今日も黙って俺らの話を聞いている。

「急にどうしたんだよ」

 あの人の行動がわけわからんのは昔からじゃないか。

 よくよく話を聞くと、なにやら最近のイルカがイライラしている様子なんだとか。

 あの人いつもニコニコしているし、この前もいい笑顔でいたから俺は気がつかなかった。

 でも、言われてみれば確かに最近の言葉に棘が多かった気がする。

「コボルト……」

 ウニ……ルシファーは何か知っているらしい。

 コボルト?そういえば。


「どっかの人間がコボルトを家畜にしてたって話聞いたな」


 俺がそういうと、かる……メランコリーも何か思い当たる節があったらしい。


「あの人の悪戯仲間の魔物にコボルトもいなかったっけ?」


 そうそう、悪戯仲間を増やして楽しそうに笑っているあの人の顔を思い出す。

 ああ、確かにそれはイライラしているはずだ。

 あの人はタチの悪い悪戯が大好きだけど、魔族や魔物何より仲間が大好きだ。

 人間なのに人間に悪魔呼ばわりされているかわいそうな子供だ。

 だからこそ情に熱いところがある。

 仲間に何かされたら、嫌になるのはみんな同じってわけだ。


「あの人、あんなことする癖して、優しい」


 ウニ、じゃなくて、ルシファーのセリフに俺らは頷いた。

 珍しくメランコリーと同意見だ。


「ぎゃぁー!」


 何か悲鳴が聞こえた、何事かと声の方を見たら、全力疾走(魔法でさらに速度を上げている模様)のイルカがいた。

 その超スピードで走っていくので、なにをしているのかと見てみると、その後ろに誰かの影が見えた。


「真面目に仕事しろぉー!」


 アシカだった。鬼の形相のアシカだった。

 あっ違う。

 レヴィアタンだ。

 イルカの謎のあだ名が定着しつつある。

 でもレヴィアタンにイルカ以外がアシカっていうと半ギレされる。

 カメが間違えかけて、元々高かったアシカに対する恐怖心をさらに高くしていた。

 あの人たち同期じゃなかったけ?

 イルカはビュンビュン進んできて、とうとう俺らを追い越した。

「あ、三人ともぉー!クジラにこの書類渡しといてぇー!」

 そして流れ作業のごとく俺らに書類を押し付けてきた。

 パラパラと中身を見てみるがしっかりやってある。

 あの人は本当にサボっていたのか?

 とりあえず


「アシカ、イルカはちゃんと仕事してたみたいだ」


 きっと怖がっているふりして遊んでいたんだな。

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