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16温泉回2

 クジラは黄身を綺麗に完食した。

 もそもそしてるとか文句言っていたのに、全部食べていた。

マヨネーズをかけたら美味しいらしい。

というか、マヨあったんだね、知らなかった。


 どーもーイルカさんだよー。

 今日は温泉旅行二日目。

 あの謎のクジラ号泣事件の後、謎の同僚号泣事件にまで発展して、最終的には、僕が全員に理不尽に怒られる羽目になった。

 僕、自分だけ迷子になったんだよ?誰も巻き込んでないし、ちゃんと帰ってきたからね?

 なんとなく納得いかないが、僕は今日も元気に朝食を食べる。

 朝食も和風だった。この世界ではニーズ風というらしい。なにそれ、チーズみたいな語感。

 朝食後、今度はみんなと散歩する。

 迷子にならないようにクジラと手を繋いで歩いた。

 ねぇ、そんな幼児みたいな扱いしないでほしい。

 中身はもう前世含めると成人どころじゃないのだ。

 恥ずかしい。

 昨日は食べなかったお菓子を食べながら、時々カルガモと交換してタチウオに僕の(嫌いなものを)あげたりしながら、のんびりゆっくり歩く。

 昨日より楽しかった。

 昨日の小鴨は二匹に増えていた。いつの間に分裂したんだ。

 いや、兄弟かもしれない。

 和やかだと思っていたら、あぁー鴨料理食べたい、とアシカが言い出し、魔王と僕がチベットスナギツネみたいな顔になった。

 あんな可愛いのを見て食べるのか。

 ちなみに魔王も悪の頭領(ボス)の癖して優しい。

 だからこそ、嫌いになれないんだけども。


 勇者はどんな人なのだろうか、噂だと、聖人君主だとか。


 実は外道だった、とかだととても面白いのに。

 ちなみに脳内お花畑だったら、全力で迎え撃つ。

 そんないじりがいのなさそうな相手でないことを切に祈っています。

 でも、やっぱり。


 僕の大事なものを奪いにくるのなら、



 排除しないとね。




 ところで、今回の温泉旅行、メンバーは六人だった。

 僕、クジラ、カルガモ、アシカ、タチウオ、クラゲ。


 他のメンバー、カメ、ウニは休暇欲しさと研究がしたいという私情で欠席。珍しく、タツノオトシゴは風邪をひいていた。

 カルガモがいい笑顔だった。


 そういえば、クラゲはあまり見かけなかったが、どこにいたんだろうか。

 本人曰く、自室で本を読んでいたらしい。

 相変わらず、マイペースな人だと思う。

 というか、温泉来た意味なくない? と聞いたら、お前なんか入れなかったじゃないかと言われた。

 うん、入れなかったねぇ。でも僕は温泉卵と温泉まんじゅうを堪能したからいいのだ。


 お土産に三人に買って行ったら喜ばれた。

 ウニの笑顔なんて初めて見た気がする。

 カメは愛想笑いはするけど、普段は真顔が多いし、ウニも情緒が乏しいのかというほど無表情だ。

 だからこそ、すごく驚いた。

 そんなに食べたかったのだろうか。


 クジラに言ったら、お前()と仲良くなれて嬉しかったんだろうと返された。

 もしかしなくても、認められた? いっつも警戒しかされなかったのに、仲良くなれて嬉しいってほんと?

 つい嬉しくて照れ隠しに突撃寝起きドッキリしてみたら、朝っぱらから殴られた。

 彼女は科学者だったはずなんだけど、ものすごく痛くて顔が腫れた。

 軽くヘビを頭に乗っけてみただけなのに。

 しばらくそのネタでクラゲに、いじられた。

 そして魔王(ボス)に説教をされた。

 毒蛇はのっけちゃいけないらしい。


 魔族なら大丈夫だと思っていたのに。


 次からはカエルにしようと思う、とクラゲに言ったら、やめろよバカと頬をつねられた。

 クラゲは爪が長かったから血が出るかと思うほど痛かった。



 最近はいつも散々な目に遭っている気がする。



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