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14 (カメ目線)

 こんにちは、カメです。

 いやカメじゃ無いです。

 いつのまにかそのあだ名が定着していますが、本名はもっとカッコいいのです。


 今日は私の同僚の部下であるイルカについて話します。


 私がイルカに持った第一印象は、大人しい子供です。

 人間の子供ってもっと泣き喚いてうるさいものだと思っていたのに、泣くどころか、にへらと笑っていたから驚きました。

 クジラ……じゃなくて、マモンが人間の子供を連れてきたと聞いた時、すぐさま捨ててこいと言ったのは私ですし、イルカから妙に避けられいることは知っています。

 初めは警戒心から近づかなかったのですが、今、私が近づかないようにしていたのには別の理由があります。

 なんせ、イルカはちょっと何処かのネジがぶっ飛んでいるみたいだからです。

 普通なら、保護されたとはいえ、人間が魔族の中に混じるなんて正気の沙汰ではありません。

 いつ喰われるか恐怖し続けて発狂するのがオチです。

 それをイルカは、笑って元気に混じっています。

 毎日楽しそうです。

 いつか喰われてしまうかも、と脅したら、それなら、さっさと食べてるでしょ、と返されました。

 たしかにそうだと思います。

 でも、普通、怖くありません?

 ハムスターがライオンの群れと同居しているようなものですよ。存在が違いすぎていつか踏み潰されるやつです。

 なのに。

 なのに。

 イルカは原来やんちゃだったらしく、ヘイ元気? と毎日魔王に挨拶していたのです。

 もはや魔王が近所のおじさんの扱いです。

 そしてあの子供は誰に教わったのか、魔法の扱いが魔族と比べることができる程度には扱えたのです。

 十歳の人間が、ですよ。

 普通なら大人でも魔族の足元にも及ばないです。

 すごい、と、純粋に思います。


 コイツは確かに天才です。


 本人は魔族(みんな)の方がすごいと言っているがそれは当たり前のことです。

 むしろ彼らと比べている時点でおかしいのです。

 他の仲間たちはもうそれは当然のような扱いですが。

 私はいまだに慣れません。


 それで、ですね。

 私はイルカに上記の理由から近づかなかったのですが、やむを得ない理由から接触しなくてはいけなくなったのです。

 そう、私はイルカよりアシカの方が苦手です。


 彼、生真面目で気が強くて怖いんですよ。


 そんなアシカに休日出勤(旅行)を拒否したら絶対にキレられます。

 怖いです。

 だから代理人に伝えてもらおうと考えました。

 それでこのイルカに目をつけたのです。

 この人は色々目立つので、私の休暇願いよりこの人が目立ち、怒られる確率が低いと予想できます。

 これは好機です。

 まずはイルカと喋って、頼む機会を作ろうとしました。

しかし、今まで距離を開けていた分、少々尾行してタイミングをつかむことになりましたが……。

 イルカはこちらから喋りかければ、元気によく喋りました。

 お菓子作りとかをウニも誘ってやってみたり、結構仲良くなりました。

 イルカは焦がしていました。

 土に埋めていたので、余程ひどい失敗をしたようです。

 あんなに不器用な子供だったかな?

 でもとても楽しかったです。

 新たな薬品の餌食にしてあげてもいい気がしました。

 とりあえず、最近で一番いい出来のものを仕込んでおいたのですが、イルカはカルガモと()()()外食だったようです。

 代わりにタチウオにあげました。

 顔を背けて照れていました。

 そんなに嬉しかったんですね。

 今度、クジラにもあげようと思ったのですが、イルカがやめてやめてと叫んでいました。

 そういえば、イルカはクジラの養子でしたね。

 自分で作ったものをあげたいのでしょう。


 ウニの方はというと、仲のいい魔物の餌付けに使っていたようです。

 どんどん食べていたので、よっぽど食べ盛りの食いしん坊な魔物だったのでしょう。



 え? その魔物の種類?



 スライムです。


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