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 お菓子作りって難しいんだね。


 なんでいきなりこんな話をしているのかというと、僕が今、カメとウニに誘われて渋々(嫌々)お菓子作りをやらされていたからだよ。


 僕は前世で、ちょっとレンジでチンすれば美味しくなるとパッケージに書いてあったチョコの菓子をレンジで加熱したことがあったんだ。


 そしたら何故だか、煙が出たんだよね。


 どうやらやりすぎたらしい。

 5分を50分にしたことが原因みたい。


 昔から細かいことを気にするのは苦手なんだよね。


 そんな僕はもうチョコを溶かす段階で失敗しかけた。


 湯煎って、チョコにお湯注いじゃいけないんだね。


 危うくチョコの薄まったものが混ざったお湯というなんかもう、不味そうでしかない液体が出来上がるところだった。


 ところで、カメとウニは女性なのだけど、カメは科学者で、ウニは医者志望だったという理由からなんの脈絡もなく、お菓子に薬品を混ぜようとしてくる。

 ひでぇ。

 僕は、もうこの時点で、自室に戻りたくなったけど、この謎のお料理()()教室はまだ続くらしい。


 味見を強要されること数回。

 僕は全部頑張って拒否した。

 あれを断りきるのはとても苦労した。


 きっと生贄(男性陣)が半殺しになるんだ。


 昔、アニメや漫画で、失敗した料理が紫色の煙をだしたり、一口食べてひっくり返るオーバーリアクションなシーンがあった。

 これはその比じゃない。


 匂い嗅いだら気絶。


 一口、口に入れれば即死の代物だ。


 なんでこんなものになっているかって?もう既にこのお菓子(毒物)は薬品の餌食になっているからさ。


 僕は止められなかったどころか、焦がして燃やして、灰にしてしまった。

 危うく、自分まで火傷するところだった。


 火の魔法で料理とか正気じゃないね。


 モチロン、失敗作として土に還した。

 灰みたいになっていたので、きちんと土の栄養になるはずだ。


「ぎゃぁぁぁぁー?!」


 あぁ、この声は…タツノオトシゴかな。

 とうとう被害者が出たみたいだ。


 僕は悲鳴が止むまで自室で読書をすることにした。




「犯人は全員か、え゛? 被害者が不憫すぎる……」


 ミステリーを読んでいたのだけど、まさかの展開でちょっとドキドキした。

 そして被害者兼主人公は不憫である。

 恋人から親友まで、みんなグルで殺されかけている。

 しかも原因は全部相手側の勘違い。


 こういう展開もいいかもしれない。



 今度、勇者相手に何かしかけてみようかな。



 実は仲間みーんな魔王側だったとか。

 いや、魔族じゃあ近づけないか。


 人間の仲間も増やしたほうがいいのかもしれない。


 難しいなぁ。

 僕は頭脳派じゃないんだよね。


 いっそのこと、この案だけアシカに言って、作戦作ってもらおうかな。


 そうそう、今日は、前々から使わなきゃと思っていたチケットを使おうと思う。

 お食事券ペアチケットだ。


 美味しい料理で有名なレストランのである。


 誰を誘うのかって?




 モチロン、クジラさ……。




 と言いたいところなんだけど、今日任務で城にいないんだ。

 カルガモにしよう。


 彼女、今回のお菓子作りの生け贄(男性陣)じゃないのに試食させられたら可哀想だからね。



 あ、今日の夕食も薬品入りかもしれないのか。



 よかった、チケットがあって。

 おけげで死ななくて済む。



 真面目な話、あの料理って魔族しか食べられないものも入っているみたいだったから、人間の僕じゃ食べられない。




 知ってるかい?




 魔族って毒ヘビをおやつにする文化があるんだよ。




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