(後編):暗闇の密室スリルと、静かな朝のぬくもり
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連載『死に戻った新米刑事は、生真面目先輩とやり直し(と恋)を始める』第19話(後編)をお届けいたします!
鳥居の監視網を欺くため、田中の昔からの知り合いである鑑識・科捜研の園田美里が「缶ビール女子会」として四〇二号室へ極秘訪問した夜。
美里の凶悪な寝相の悪さから、狭いベッドにいづみと田中が二人で滑り込む形になり……!
すぐ目と鼻の先で同居人が眠る密室で、声を殺して交わされる息をのむほど甘く切ない情熱の熱気!
そして、暗闇の中で二人の気配と甘い水音を察知した美里さんが魅せる、大人の女性としての密やかな余韻と変化……。
サスペンスの緊張感と、息をのむほど甘く妖艶な密室のスリル、そして翌朝の温かな手料理まで、第19話のクライマックスをどうぞお楽しみください!
夜の静けさが深まる四〇二号室。
スタンドライトの薄暗い橙色の光だけが、息を潜めるように室内を細く照らし出している。
すぐそばの床に敷かれた布団からは、すっかり警戒心を解いた美里の安らかな寝息が聞こえてくる。
もちろん、田中もいづみも、最初から一線を越えるつもりなど毛頭なかった。いくらお酒が入っているとはいえ、すぐ数メートル先には鋭い観察眼を持つ科捜研の女性が寝ているのだ。
スタンドライトの薄明かりの中、いづみが上着のサマーシャツを肩から滑り落とす。続いて、長年愛用して首元のヨレた白のキャミソールの裾を掴み、いっそ清々しいほどの無造作さで、ふわりと頭上へ引き抜いた。
その瞬間、田中の視線は、布という障壁を失って薄闇に放たれた彼女の上半身に完全に釘付けになってしまった。
抜けるように白く華奢な肩のライン。そこからなだらかに下り、布の圧迫から解放されてふんわりと揺れた、女性らしい柔らかな胸の膨らみへ。決して暴力的な大きさではないが、手のひらにすっぽりと収まりそうなその無垢な丸みは、ひどく生々しい質量を感じさせる。
さら、その双眸の頂へと吸い寄せられた。布の摩擦と夜の冷気に触れたことで、うぶで可憐な桜色の蕾がきゅっと粟立ち、ツンと上を向いて硬く結ばれていくのが、薄暗い橙色の光の中でもはっきりと見て取れたのだ。
昼間の隙のないスーツ姿からは想像もつかない、あまりにもありのままで、一切の飾りを捨てた素肌。
すぐそばに他人がいるという極限の緊張感の中で、自分にだけその姿を見せつけてくる圧倒的な艶かしさは、田中の脳裏に強烈な視覚的刺激として焼き付いてしまった。
そのまま、上半身裸のいづみが掛け布団の下に潜り込み、田中もそれに続く。
二人並んで横たわったベッドの中。極力互いの身体が触れないよう、硬直したまま息を潜めて朝を待とうとする二人だったが、一度脳裏に焼き付いた『桜色の突起と柔らかな素肌』の残像は、目を閉じても消えることはなかった。
さらに、逃げ場のない密着状態は、残酷なまでに二人の理性を削り取っていく。
狭いベッドの中で、互いの吐息がかかるほど正面から向かい合って身体を横たえた二人。一枚の掛け布団の下に閉じ込められた体温。
薄暗い橙色の光の中、田中の眼差しは、すぐ目の前で身悶えする愛する女の艶やかな変化を逃さず捉えていた。
いづみが必死に声を殺して耐えようと荒い息を吐くたび、飾りのない柔らかな生の胸肉が激しく上下し、田中の腕や分厚い胸板に直接擦れる。そして何より田中の理性を激しく揺さぶったのは、その双眸の頂だった。極限のスリルと抑えきれない熱情によって、かつてないほど限界まで充血した桜色の蕾は、痛いほどに硬くツンと尖りきっている。我慢の限界に達してチリチリと熱を持つその自己主張の激しい突起が、わずかに身じろぎするたびに田中の素肌へと擦り付けられ、彼の強固なストッパーをゴリゴリと削り落としていくのだ。
だが、それ以上にいづみの理性を狂わせていたのは、向かい合って身を縮める自身の柔らかな腰回りに、嫌でも押し当てられている田中の熱く硬い感触だった。
田中は生真面目な理性を総動員して必死に耐えていたが、愛する女の限界まで昂ぶった姿と真正面から密着しているのだ。男性としての圧倒的な生理現象までは誤魔化しきれるはずもなく、彼の熱量はすでに限界まで張り詰め、薄手の布越しでもはっきりとわかるほどの存在感を持っていづみの柔肌にぴたりと密着してしまっていた。
いづみは必死に気を逸らそうとした。しかし、男の強烈な熱と硬さが触れるたび、胸の奥と身体の最奥がじわじわと甘く疼き始める。自身の意志とは無関係にとめどなく熱い蜜が溢れ出し、下着のショーツの繊細な布地をぐっしょりと重く濡らしていく。自身の女としての本能が、すぐ目の前にある男の熱を求めて悲鳴を上げていた。
手を伸ばせば届く距離に他人が眠っているという極限のスリル。絶対に声を出してはいけない、触れてはいけないという禁止事項が、逆に強烈な媚薬となって彼女の理性を溶かしていく。
限界だった。
「……健人、さん……っ」
耐えきれなくなったいづみが、熱に浮かされたような上気した吐息を真正面から漏らす。そしてシーツの下で迷うように彷徨った彼女の華奢な手が――自らに押し当てられていた田中の熱く硬い昂ぶりへと、思わずそっと触れてしまったのだ。
「っ……!」
男の喉の奥から、苦しげな呻きが漏れた。
いづみの震える指先がもたらしたその不用意で甘すぎる接触が、田中の残された僅かな理性を完全に焼き切った。
田中はゆっくりと、いづみの華奢な腰を力強い腕で抱き寄せた。
逃げ場のない狭いベッドの中で、二人の身体が隙間なくぴったりと合わさる。突然の強い拘束にビクッと肩を震わせたいづみの耳元へ、田中はその熱い唇をすり寄せた。
「……声を殺せ、いづみ。美里が起きるぞ」
「ん……っ……健人さん……っ」
耳の輪郭を撫で上げるような、掠れた大人の低音ボイス。その響きだけで、いづみの背筋に甘い痺れが走る。
ついに抑え込んでいたタガを外した田中は、自身の着ていた薄手のサマーシャツのボタンをそっと解き、分厚い胸板を密着させると、掛け布団の下でいづみのなめらかな素肌へ、温かく武骨な掌をすっと滑り込ませた。
飾りのないそのままの姿で放たれていた素肌に直に触れる、男の大きく分厚い手。
柔らかな生の胸肉の起伏を下からすっぽりと包み込み、掌全体で甘く圧をかけるようにじっくりと揉み解していく。指の腹が、先ほど視線でなぞった白磁の素肌の滑らかさと生温かさを直接確かめるように動くたび、いづみは声にならない可憐な悲鳴を必死に殺し、顔を真っ赤にしてシーツをキュッと強く握りしめた。
「あ……っ……ん……っ」
吐息混じりに漏れた震える声。密着した裸の肌と肌を通して、ふたりで直接重ね合わせる生の体温が、ベッドの中の空気をさらに濃密に発酵させていく。
田中はいづみの耳の裏に熱いキスを落とし、「こんな姿で俺を煽る、お前が愛おしすぎるのが悪い」と低く甘く囁きながら、直接触れている彼女の柔らかな胸の谷間へと指先を這わせていく。
そして、男の指の熱にあてられてツンと自己主張し始めた桜色の最頂部へ狙いを定めると、二本の指先で生身の蕾を軽く摘まみあげ、指の腹を使って優しく転がすように弾いてみせた。
「ひぅっ……!」
指先の微かなざらつきを伴った絶妙な直の愛撫が脳天を貫き、いづみの口から甘い鳴き声が跳ねる。
摘まみ弾かれた桜色の蕾は、一瞬にして逃げ場のないほどキュッと硬く結ばれ、擦れ合う田中の胸板を痛いほどに突き上げ始めた。すぐ隣で美里が眠っているという緊張感と、最愛の男に隅々まで直に支配される快感が極限で絡み合い、いづみは声を出せまいと唇を強く噛み締めながら、たまらず背筋を甘美にしならせた。
男らしい強引さと、壊れ物を扱うような優しさが混じった角度で顔が傾けられ、舌先がすっと滑り込む。逃げ場のない狭いベッドの上で、二人の唇は息をするのも忘れるほど深く深く貪り合われた。すぐそばの床で寝返りを打つ美里の気気配にびくっと肩を震わせながらも、いづみは田中の広い背中に腕を回し、自らその熱い口内へとすがりついていく。
声を潜めた、ひたすらに濃厚な口づけ。唇が離れるたびに、スタンドライトのあたたかな橙色の光に反射した銀色の唾液の糸がきらりと引き、じゅぷり、ちゅ……と湿った甘い水音だけが、薄暗い密室に密やかに、そしてひどく艶やかに響き渡る。
「んむ……っ、ふぁ……ッっ」
息継ぎのわずかな隙間に、いづみは潤んだ瞳で田中を見上げ、声にならない抗議をこぼした。しかしその可憐な身体は、彼に直に触れられる快感と、いつ見つかるかわからないスリルで小刻みに震え、かえって熱を帯びている。
「……今夜は声を出さずに……」
耳の奥を甘く痺れさせる低い囁きとともに、田中はいづみが身につけていた可憐なレースのショーツのゴムへと、武骨な指を滑り込ませた。
指先に触れたクロッチ部分の布地が、いづみが密かに溢れさせていた熱い蜜によって、ぐっしょりと重く濡れそぼっていた。
(……こんなになるまで、俺の横で必死に我慢していたのか……)
すぐ隣で息を潜めて耐えていた彼女の健気な葛藤と、自分を求めて限界まで熟していたその事実に、田中の胸の奥でたまらないほどの愛おしさが爆発する。
一日頑張り抜いた彼女の体温と香気をたっぷりと吸い込んだ繊細な布地が、するり、と滑らかな腰骨を撫でるように引き下げられ、膝裏から白磁の爪先へと静かにすべり落とされていく。
ついに全裸となったいづみ。すぐさま田中の熱く分厚い肉体が覆いかぶさり、裸の肌と肌が隙間なくぴったりと重ね合わされる。一枚の掛け布団の下で、限界を超えた男の愛情と熱情を孕んだ密着感が、いづみの理性を激しく揺さぶった。
限界まで我慢していたことで堰を切ったように最奥から溢れ出した熱く湿った蜜の雫。田中はその太ももの内側を伝うとろりとした甘い雫を指先ですくい取り、愛おしくてたまらないというように彼女の柔らかな素肌へと優しく拭い広げながら、さらに奥へと濃密な愛撫を滑り込ませていく。
「ひぐ……っ、あ……んっ」
快感に背筋を反らせ、声を殺して身悶えするいづみ。その赤く染まった耳元や、脈打つ首筋、そしてしっとりと汗ばんだ脚の付け根へと、田中は熱い吐息を絡ませながら深く、何度も唇を重ねていく。
「あ……っ、んぁ……っ……っ」
シーツを強く口元に押し当て、声が出るのを必死に堪えながら、いづみは甘く蕩けた瞳で愛しい男を見つめた。
「お前の甘い声も、可憐な身体の熱も、昼間見せる強い顔も……すべて俺だけのものだ」
誰の目も届かない、しかしすぐ隣には他人が眠っているという究極の密室。
重なり合った生の体温と激しく打つ鼓動を一枚のシーツの下に閉じ込め、二人は息を殺しながら、夜の闇の底でどこまでも濃密に、術をつくして愛を確かめ合っていくのだった。
……実はその時。床の布団ですっかり警戒心を解いて爆睡していると思われていた美里は、うっすらと目を覚ましていた。
科捜研の現場で培われた異常なほどの観察眼――いや、この場合は鋭敏すぎる聴覚と嗅覚が、彼女を深い眠りから引き摺り出していたのだ。
暗闇に包まれた部屋。頭上のすぐ近くにあるベッドからは、シーツが重みで軋む微かな音、いづみが必死に抑え込もうとして漏れ出る可憐で甘い吐息、そして、唇と唇、肌と肌が激しく重なり合って生じる濡れた水音が、極めて生々しく響き渡っている。さらに室内の空気には、湯上がりの石鹸の香りに混じって、男女が発するむせ返るような熱気と、濃密な愛の香りがむんむんと充満していた。
(……ふふっ、甘いわねぇ……。田中も村瀬ちゃんも、一生懸命声を殺してるつもりでしょうけど、科捜研の私には全部バレバレよ……)
布団の中で背を向けたまま、美里は閉じた瞼の裏で、ベッドの上で繰り広げられているであろう艶やかな光景を100%の精度で想像し、最初は口元に大人の余裕めいた笑みを浮かべていた。
しかし、その「余裕」を気取っていられたのは、ほんの数分のことだった。
すぐ数メートル先で繰り広げられる本物の情熱的な愛の気配。それは、美里の予想をはるかに超える暴力的なまでの刺激となって彼女の全身を襲い始めたのだ。
生身の男女が密着し、体温を重ね、互いを貪り合うことで生じる空気の微かな振動。リアルな肉と肉がぶつかり合う音。空間の湿度を急激に引き上げる汗と体液の匂いが、同じ密室の空気を吸っている美里の肺腑へ直接ねっとりと流れ込んでくる。
何より美里の理性を激しく狂わせたのは、あの堅物で生真面目な「田中」が、すぐ真横で荒々しい男となって女を組み敷いているという、圧倒的な現実だった。
かつて夜の密室で、密かに彼を想像の対象にして自らを慰めた時の熱情など比べ物にならない。本物の彼が放つ、低く掠れた色気のある吐息や、いづみを支配する情熱的な気配が、暗闇の中で容赦なく美里の聴覚と嗅覚を犯してくる。
(〜〜っ、ダメ……気配を感じてるだけで、こっちまで熱くなってきちゃった……っ)
息を殺して寝たふりを貫こうとすればするほど、彼女の五感は恐ろしいほど鋭敏になり、ベッドからの生々しい情報を一つ残らず拾い上げてしまう。
素肌に直接羽織った田中の男物Yシャツ。そのダボついた生地の奥で、C〜Dカップの豊かな乳房が、彼らの漏らす甘い吐息と水音に完全に共鳴し、ドクン、ドクンと痛いほどに脈打ち始める。
息を殺そうとしてかえって荒くなる呼吸に合わせて、豊かな胸が激しく上下する。そのたびに、素肌が洗い立てのコットン生地と何度も無慈悲に擦れ合う。その摩擦の刺激だけで、大人色の落ち着いたシックな茶色の蕾にドクドクと血が巡り、限界まで充血していく。ツンと上を向いた先端は、シャツの裏地に擦れるたびにどんどん硬さを増し、やがて痛いほどにカチカチに尖りきって、生地を内側からテントのように激しく突き上げ始めた。背筋を甘く強烈な痺れが何度も駆け抜け、美里はたまらずシーツを強く握りしめる。
全身の毛穴が開き、アルコールで火照っていたはずの肌が、今はもっと底知れぬ原始的な熱によって内側から焼き尽くされそうになっている。
さらに、レースのショーツ一枚に包まれた下半身の奥底からも、自身の意志とは無関係にじわじわと熱く甘い蜜が溢れ出し、繊細な布地を内側からじっとりと濡らし始めていた。
美里は歯を食いしばり、両膝を強くすり合わせて必死に耐えようとした。しかし、すぐ頭上から鼓膜を打つ卑猥な水音と、愛する男に隅々まで開拓されていくいづみの甘い嬌声が、容赦なく美里の奥を鷲掴みにして激しく掻き回してくる。
これまでの人生で味わった、自身が経験したいかなる行為をも完全に凌駕するほどの、圧倒的な生の臨場感と暴力的なまでの興奮。
その異常なスリルと極限の背徳感に脳髄を溶かされ、美里の身体はもはや完全に理性を失いかけていた。内側からとめどなく込み上げる熱い雫は、太ももをきつく閉じてもなお溢れ続け、ショーツのクロッチはすでに限界を超えてぐっしょりと重く濡れそぼっている。それどころか、飽和した愛液がついに下着の防波堤を越え、彼女の滑らかな太ももの内側をとろりと伝い落ちていくのがわかった。
自らの蜜でシーツを汚してしまいそうなほどの激しい熱感に身をよじらせる美里の身体からは、むせ返るような大人の女のむき出しの香気が、狭い室内に向けてとめどなく立ち上り始めていた。
やがてベッドの上から聞こえていた激しい衣擦れや水音が落ち着き、互いの存在を慈しむような深く長い吐息へと変わっていった。二人が極限の緊張感の中で濃厚な営みを終え、互いの生の体温を抱きしめ合ったまま、穏やかで幸福な眠りの淵へと落ちていったのが手取るようにわかる。
完全に二人の寝息が規則正しく揃ったのを確認すると、美里は暗闇の中でそっと掛け布団を胸元まで手繰り寄せ、静かに仰向けになった。
薄暗い天井を見つめながら、限界を超えて火照りきった自らの素肌へ、小刻みに震える手でゆっくりと指先を這わせる。田中の残り香が直接染み付いた男物のYシャツの隙間から手を滑り込ませ、張り詰めた自身の豊かな胸元や、痛いほどにカチカチに硬く尖った大人色の蕾を、指の腹で弾くように撫で上げた。
「っ……!」
たったそれだけのわずかな刺激で、美里のグラマラスな身体がビクンと大きく跳ねる。先ほどの圧倒的な現実の気配を間近で浴び続けたことで、彼女の全身の神経は、自分自身の身体ではないと錯覚するほど異常なまでに研ぎ澄まされていた。
(……二人のせいだからね。こんな、頭がおかしくなるくらい火照らせちゃって……)
言い訳のように心の中で呟きながらも、その指先はもはや理性の制御を完全に離れていた。自らの強烈な渇きを癒すように、指はさらに下へと滑っていく。引き締まった腰回りをなぞり、決壊したようにぐっしょりと濡れそぼったレースのショーツの奥深くへと、そっと指を沈めこませた。
触れた瞬間、美里自身が息を呑んだ。
そこは彼女のこれまでの経験においてすら味わったことのないほどの尋常ではない熱を持ち、溢れ出た大量のとろとろの蜜で完全に満たされていたのだ。
だめだと分かっている。すぐ頭上のベッドには数年来の友人と、彼が愛する彼女が眠っているのだ。見つかれば取り返しがつかない。しかし、その極限の背徳感と、指先に触れる自らの異常なまでの濡れそぼり方が、かえって美里の指の動きを狂おしいほどに加速させていく。
溢れ出た熱い蜜を幾重にも指に絡め取りながら、限界まで充血して敏感になりきった秘所のひだを優しく、そして次第に激しくこすり上げる。
「んぁ……っ、あ……ぁっ、ああっ……」
指を動かすたびに、じゅちゅ……くちゅ……と、先ほどまで頭上のベッドで鳴り響いていたのと同じ、いや、それ以上に生々しく湿った水音が、今度は自分の指先から立ち上る。その音を自身の耳で拾うたび、頭上で行われていた情熱的な交歓の記憶がフラッシュバックし、かつてない強烈な快感が脳の芯を直接焼き切るように押し寄せてきた。
指先が最奥を撫で上げるたび、美里の豊かな胸が激しく上下し、シャツの隙間から零れ落ちた双眸が艶かしく揺れ動く。
どうにかなってしまいそうだった。自身の知っている快感の限界値を、今のこの異常な興奮は軽々と飛び越えていく。
「〜〜〜ッ!!」
快感の波が、一気に臨界点を突破した。
絶頂の瞬間に大声を上げてしまいそうになるのを防ぐため、美里は空いた手の甲を思いきり口に押し当て、鋭い歯を立てて必死に悲鳴を殺す。
快感に耐えきれなくなった両脚の指先はシーツを掻き毟るように丸まり、全身の筋肉が甘く引きつって、大人のしなやかな肉体が弓なりに大きくしなった。ガクガクと小刻みに痙攣する腰の奥から、さらなる熱い飛沫がとめどなく溢れ出し、彼女の震える太ももをじっとりと濡らしていく。
薄暗い密室の床の上。すぐそばのベッドで幸せそうに眠る二人からもらった熱い余韻と、自身を包む男物のシャツの無骨な感触に酔いしれながら、美里は自らの手の甲を噛み締めたまま、声を殺して甘く長い、そして深く震える吐息を漏らす。
誰にも知られることのない夜の静寂の中で、押し寄せるかつてない快感の波に幾度も身をよじらせながら、彼女は自らの身体が完全に溶け落ちるまで、その異常なまでの火照りをどこまでも艶やかに宥めていくのだった。
翌朝。澄んだ夏の朝光がこの部屋にも差し込む。
床の布団で目を覚ました美里がゆっくりと上体を起こすと、すでに田中は身支度を整えて倉敷署へ出社した後だった。ローテーブルの上には、オカン化先輩らしい出汁の効いた温かい二人分の朝食が、ラップをかけられて甲斐甲斐しく用意されている。
「……ふあ……あら、もう行っちゃったのね」
小さくあくびをして、ふと頭上のベッドへ視線を向ける。そこでは、いづみがまだ幸せそうな寝息を立ててまどろんでいた。
しかし、夏の朝の寝苦しさからか、それとも昨夜の濃密な情事の熱が抜けきっていないのか。掛け布団から乱雑に放り出されたいづみの身体は、一糸まとわぬ全裸だった。
その瞬間、美里の視線は磁石のように、同性であるいづみの生々しい裸身へと完全に釘付けになった。
科捜研としての鋭敏すぎる観察眼と、美里自身が秘める柔軟なセクシャリティが混ざり合い、一切の飾りを捨てた可憐な肢体を、まるで視線で直接触れるかのように隅々までねっとりと舐め回していく。
シーツに投げ出された白磁のように滑らかな素肌。仰向けになったことでなだらかな弧を描く柔らかな胸の起伏と、昨夜、田中によって散々愛され尽くしたであろう、ほんのりと赤みを増して咲き誇る桜色の最頂部。
そこから引き締まったウエストのくびれを辿り、緩やかに開かれた白く華奢な太ももの内側へ――。よく見れば、真っ白な素肌のあちこちに、田中の大きく分厚い手が強く抱きしめたであろう微かな指の痕や、何度も熱く吸い付かれたであろう淡い紅色のキスマークが、艶やかな花びらのように点々と散らされている。
一晩中、愛する男に隅々まで支配され、極上の快感を与えられ尽くした大人の女だけが持つ、むせ返るような色香と艶やかな肌の質感。
その圧倒的で生々しい「事後」の裸身を視覚で完全に取り込んだ瞬間、美里の脳裏に、昨夜の狂おしいほど情熱的な愛の気配と水音が鮮烈にフラッシュバックした。
「っ……」
極限の自慰で限界まで快感を貪り、なんとか宥めてやり過ごしたはずだった。
しかし、同性の美里から見てもあまりに扇情的な友人の裸身と、その肌に刻まれた田中の強烈な所有欲の痕跡を前に、彼女の身体は再び奥底から条件反射のように疼き始めてしまう。
素肌に羽織った田中の男物Yシャツの奥。昨夜から痛いほどにカチカチに硬く尖ったままの大人色の蕾が、布地に擦れてジンと鋭い熱を持った。
さらに、美里は自身の太ももの間へとそっと手を伸ばし、艶やかな自嘲の笑みをこぼす。レースのショーツのクロッチは、乾く暇もないほど未だに自身の溢れ出した蜜でじっとりと重く濡れそぼったままだ。昨夜の絶頂の余韻と、今目の前にある生々しい光景が、大人の女の身体をいつまでも発情の底に沈めたままにしている。
(……本当に、罪作りな二人ね……。朝からこんなに火照らせちゃって……)
まだ夢の中にいるいづみに気付かれないよう、蜜で濡れた太ももをきゅっと艶かしく擦り合わせながら、美里は熱を帯びた溜息を細くこぼす。
昨夜の狂おしいほどの熱情をその身に深く燻らせたまま、美里にとっての甘く悩ましい夏の朝が、静かに幕を開けていくのだった。
第19話(後編)を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
同居人・美里さんがすぐ隣で眠るという究極のスリルの中で深まる、田中といづみの声を殺した濃厚な愛の熱気!
そして、その気配と濡れた水音を100%察知し、大人の艶やかな余韻に浸る美里さんの密やかな変化、そして起きたらすでに出社していた甲斐甲斐しい田中の朝食の気遣いまで、見どころ満載でお届けいたしました!
サスペンスの緊迫感と甘美な愛が交錯する第19話を経て、次回は特別番外編です
大野木事件完封と、鳥居の電撃差押え逮捕をお届けいたします!
1・2周目の悲劇を完全に塗り替える、スカッと爽快な完全勝利クライマックスをどうぞお楽しみに!




