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美観地区の夏祭りと、浴衣のうなじの密やかキッス

いつもお読みいただきありがとうございます!

【第2部:完全反撃編】今作初の超特大ボリューム(8,000字オーバー!)でお届けする第17話!

父・五郎の隠し捜査ノートを発掘し、鳥居たちへの反撃の鍵を手に入れた田中といづみ。

緊迫した捜査の合間、ふたりは夏の提灯が幻想的に揺れる美観地区の「夏祭り」へ……!

普段の黒パンツスーツやラフな部屋着姿とは一味違う、可憐な「浴衣姿」で臨む特別な夜。

賑わうお祭りの空気と、人目を忍ぶ二人きりの甘い雰囲気、そしていつも以上の和風ギャップに、健人先輩の理性が……!?

過去最高の甘さと情熱的な体温が交錯する、超濃密なストーリーをどうぞお楽しみください!

父・村瀬五郎の隠し捜査ノートが奇跡の発掘を果たし、暗黒組織『とぐろを巻いた蛇』と鳥居信一郎を追い詰める決定的な鍵を手にした翌日の夕刻。

 倉敷警察署での日中の執務と極秘の先回り手配を無事に終えた二人は、避難先である村瀬の部屋へと戻っていた。

 今夜は倉敷の歴史ある美観地区で、年に一度の夏祭りが催される日である。

 連日の厳しい緊張感と捜査の疲れを癒やし、恋人同士としてのささやかな思い出を作るため、二人は極秘で夏祭りへ出かける約束を交わしていたのだった。


 「うあぁぁ……っ、帯を結ぼうとすると、どうしても衿元がガバガバ開いちゃうよぉ……っ!」


 部屋の奥で、村瀬いづみは真っ赤な顔で半泣きになりながら、可憐な藍色の夏浴衣と格闘していた。

 警察官としての昼間の黒パンツスーツ姿や、部屋での慣れ親しんだノーブラ白キャミソール姿とは異なり、滅多に着ることのない和装の着付け。

 刑事としての判断力は抜群の彼女であったが、一人での浴衣の着付けとなると、持ち前のズボラさと手先の不器用さが炸裂してしまい、帯を背中で結ぶことすらままならない状態に陥っていたのである。


 ちなみに、浴衣の下には薄地の和装肌着(スリップ)と可憐なショーツを穿いているだけであった。


 「……村瀬、準備はできたか」


 「きゃっ……っ!? 健人さん……っ!」


 着替えを終えた田中健人が、ドアを静かにノックして室内へと足を踏み入れてきた。

 彼の姿を目にした瞬間、いづみは思わず息をのんでその場に氷付いた。

 普段のスリーピーススーツ姿とは一変し、深いネイビーのシックな和装羽織をサラリと着こなした彼の体躯は、どこか大人の男の品格と色気が漂っていたからである。


 田中は黒縁メガネの奥の瞳を和らげ、部屋の中央で浴衣をはだけさせながら半泣きになっているいづみの姿を目にすると、低く笑いを漏らして首を振った。


 「やはり一人では無理だったか。……ほら、こちらを向け」


 「うぅ……健人さん、笑わないでください……っ。お帯が上手く結べなくて……っ」


 「笑ってはいない。可憐だと思っているだけだ。……貸してみろ」


 田中はいづみの真後ろへと回ると、しなやかで力強い腕を伸ばし、彼女の華奢な腰回りへと優しく手を添えた。

 背中に直に伝わる彼のたくましい体躯の重みと、あたたかな生の体温。

 彼が後ろから抱きすくめるような体制で大きな手を動かすたび、いづみの背筋に甘い痺れが走る。


 「……衿元が緩んでいるぞ。こうして少し引いて、帯を交差させるんだ」


 耳元を直接撫で上げる、低く掠れた愛おしい声。

 田中は手際よく帯を手繰り寄せると、いづみの細いウエストをキュッと心地よい力加減で締め上げていく。

 その作業の最中、普段のポニーテールから夏祭りのために綺麗にアップへと結い上げられたいづみの白く滑らかなうなじと、はだけかけた衿元から覗く美しい鎖骨のラインが、至近距離で田中の視界いっぱいに露わとなった。


 「――――――っ」


 田中の動きが、一瞬だけピタリと止まった。

 無骨な指先が、帯を整える振りをして、彼女のすべすべとしたうなじと耳裏の柔らかな素肌を撫で擦るようにかすめていく。


 「んぁ……っ、健人さん……っ? 指先が……触れて……っ」


 「……あしからず。お前のうなじが……あまりにも白く、可憐だったものだからな」


 「あうぅ……っ、そんな至近距離で見つめられたら、照れちゃいます……っ!」


 真っ赤になって首をすくめるいづみだったが、田中の中に再び火がついた密やかな激情は、もはや抑えきれなくなっていた。


 「照れる必要はない……」


 低く掠れた声が耳朶を揺らした直後、田中の熱い唇とうなじに這う湿った舌先が、彼女の白く柔らかな首筋をゆっくりとなぞり上げた。


 「んぁっ……!?っ! んんっ、……!」


 首筋を駆け抜ける生々しい熱気と濡れた感触に、いづみは思わず背筋を跳ねさせ、浴衣の生地をぎゅっと握りしめる。


 首筋の熱を舌先で貪りながら、田中の無骨な手ははだけかけた浴衣の衿元へと深く滑り込んでいった。しなやかな鎖骨から柔らかな胸の起伏へ。大きな掌で豊かに盛り上がる生の胸肉を下から包み込むと、彼は指先で弾くのではなく、親指の腹で尖りきった最頂部をじわじわと押し潰すように円を描いて擦り潰した。

 さらに、浴衣の衿元をぐっと押し開き、夕光の中に覗いた桜色の突起へそのまま直接顔を寄せると、熱い口内で丸ごと含み、舌の裏でコリコリと転がしながら微かに歯を立てて甘噛みしてみせる。


「んぁあぁっ……!? あぁっ……っ!」


指で摘まむのとは違う、口内の生々しい濡れと密着、そして甘噛みの刺激。ダイレクトに頭を痺れさせる快感に、いづみは瞳を甘く濡らし、彼の黒髪に両手で指を絡ませながら背中を甘美にしならせた。


「あ……っ、健人さん……そんな、出かける前に……っ」

「……くっ」


いづみの切ない甘声と、すっかり熱を孕んだ身体の温もりに、健人は本気で理性を吹き飛ばされそうになる。このまま彼女をベッドへ押し倒したい強烈な衝動と葛藤するように低く唸ると、彼は名残惜しそうにいづみの胸元からゆっくりと唇を離した。


「はぁ……はぁ……っ」

「すまない……あまりにもお前が可憐で、つい理性が揺らいだ」


荒い吐息を吐き出しながら、健人は熱くなった息を整え、己の愛撫によって崩れてしまったいづみの浴衣の衿元を、壊れ物を扱うようにそっと優しく整え直す。溢れ出た胸元にうっすらと残る己の痕跡を愛おしそうに指先で一度だけ撫でると、彼は再びいづみの真後ろへと回り込んだ。


「これ以上触れれば、今夜は祭りに辿り着けなくなりそうだ。……よし、仕上げるぞ」

「は、はい……っ」


いづみが頬を真っ赤に染めて熱い溜息をつくと、健人は彼女の腰を優しく引き寄せ、解けかけた帯を手際よく手繰り寄せた。

彼のたくましい胸板に背中を預けながら、きゅっと帯が締め上げられていく心地よい緊張感。胸元に残る愛撫の余韻で身体の奥を甘く痺れさせながら、いづみは彼にすべてを委ねて身を任せた。


田中は帯を見事な文様で手際よく結び終えると、彼女の華奢な肩を包み込むように振り返らせた。

黒縁メガネの奥の瞳を濃密に濡らし、上気した彼女の顔をじっと見つめて囁いた。


「……完成だ。……実に、よく似合っているぞ、いづみ」


「健人さん……っ! ふふ、ありがとうございます……っ!」


 田中は帯を見事な文様で手際よく結び終えると、彼女の華奢な肩を包み込むように振り返らせた。

 黒縁メガネの奥の瞳を濃密に濡らし、上気した彼女の顔をじっと見つめて囁いた。


 「……完成だ。……実に、よく似合っているぞ、いづみ」


 「健人さん……っ! ふふ、ありがとうございます……っ!」


 二人して顔を真っ赤に染めながら、互いの和風ギャップに胸をキュンと躍らせ、二人は夕闇が迫る倉敷の街へと繰り出すのだった。


 美観地区へと足を踏み入れると、そこには江戸情緒を今に残す白壁の蔵屋敷と、倉敷川の川面に揺れる無数の提灯の橙色の灯りが広がっていた。

 遠くから響く祭りのお囃子の音色と、屋台から漂う香ばしい匂い。

 大勢の人々が行き交う賑やかな祭り情緒の中で、田中はいづみが人混みにはぐれてしまわないよう、彼女の華奢な手を包み込むように力強く握りしめた。


 「きゃっ……健人さんっ」


 「はぐれたら大変だ。……離すなよ」


 「はいっ……絶対、離れませんっ!」


 恋人としてしっかりと繋ぎ合わされた手のひら。

 二人はりんご飴を買い求めたり、提灯の光が映える倉敷川の橋の上で佇んだりと、束の間の平和で甘い夏祭りの時間を心から満喫していた。

 1周目と2周目の絶望的な悲劇を乗り越え、いまこうして健人先輩の手の温もりを感じながら夏祭りを歩けている奇跡に、いづみの胸は溢れんばかりの感謝と愛おしさで満たされていた。


 だが、賑やかな人混みが少し途切れた倉敷川沿いの静かな路地裏へと差し掛かった、その時であった。


 「……村瀬。少し、こちらへ来い」


 「え……っ? 健人さん……っ?」


 田中はいづみの華奢な手首を優しく引き寄せると、祭りの灯りが届かない、白壁の蔵屋敷の陰になった静かな路地裏へとすっと引き入れた。

 周囲の喧騒が遠のき、二人だけの薄暗く濃密な静寂が広がる。

 壁際に背中を預ける形となったいづみの前に、田中が逃げ場を塞ぐようにして立ちはだかった。


 田中はゆっくりと手を伸ばすと、黒縁メガネを静かに外し、胸ポケットへと収めた。

 メガネを失った彼の瞳は、夜の暗がりの中で甘く妖艶な熱気を帯びて濡れており、目の前の恋人を深く貪り尽くさんとする一人の男の情熱が宿っていた。


 「健人……さん……っ? こんな人目のつきそうな場所で……っ」


 「……人目など気にする余裕がなくなった。……祭りの中で輝くお前の可憐な浴衣姿と、その白いうなじを目にするたび……俺の理性が限界を迎えそうだったんだ」


 掠れた低音が、耳元を直接撫で上げる。

 田中は鍛え上げられた大きな掌を伸ばすと、いづみの和装の衿元から覗く白く滑らかなうなじと上気した頬を、愛おしそうに包み込んだ。


 「あ……っ、…す……っ」


 「……いづみ。俺の愛を受け止めてくれ」


 逃げる隙を与える間もなく、田中は頭を傾けて彼女の白いうなじへと深く顔を埋めた。


 「んぁっ……!? …そ……っ!」


 温かく湿った唇が、すべすべとしたうなじの素肌をダイレクトに吸い寄せる。

 そのまま舌先で優しく転がし、耳裏から首筋にかけて熱い吐息を吹きかけながらしつこく口づけを重ねていく。


 「んあぁぁっ……! ……っ!」


 服の隔たりもない素肌への情熱的なアプローチ。

 至近距離から伝わる熱い吐息と舌先の刺激に、いづみは背中を甘美にしならせ、彼のたくましい肩に強くしがみつきながら恍惚とした可憐な声を漏らした。


 さらに田中はいづみの顎を優しく指先ですくい上げると、上気して開かれた彼女の薄桃色の唇を逃さず深く塞ぎ込んだ。


 「んむっ……! 健人……さん……っ!」


 夜の静寂の中で、深く重なり合う唇。

 すっと滑り込んできた彼の熱い舌先が、いづみの柔らかい舌を絡め取り、口内を貪るように深く濃厚なキッスを交わしていく。

 キスが深まるたびに、じゅぷりと湿った甘い水音が二人だけの暗がりに響き、唇が離れるたびに繋がった銀色の唾液の糸が、遠くの提灯の光を反射して艶やかにきらめいた。


 「はぁ……っ、ふぅ……っ!…お外なのに……っ!」


 「……お前が可愛すぎるのが悪い。……この続きは、部屋に帰ってからだ」


 浴衣越しに直に伝わる互いの激しい脈動と生の体温。

 愛する人の情熱にすっかり溶かされたいづみは、彼の胸元に顔を埋め、夢見るような甘い息をつくのだった。


 夏祭りの熱気冷めやらぬまま、部屋へと帰還したふたり。

 スタンドライトが落とすあたたかな橙色の光の下、部屋の空気は一瞬で濃密な熱を帯びていく。


 ローテーブルの脇に立ついづみの背後。黒縁メガネを外した田中が、低く掠れた声で「……疲れたろう。帯を解いてやる」と囁くや否や、鍛え上げられた無骨な両手が手際よく帯の結び目へと伸びる。

 解かれた帯がスルスルと滑り落ちるのと同時に、支えを失った藍色の浴衣と薄地の和装スリップが、滑らかな肩から惜しげもなくすべり落ちていった。


 スタンドライトが投じるあたたかな橙色の光の中に、一切の隠し事なく晒されたいづみの全身。そこには、これまでの熱い愛撫によって完全に愛で尽くされ、開花し切った生の肉体が浮き彫りになっていた。


 浴衣を着る前から田中の熱い指先と口唇によって存分に弄くり回されていた彼女の胸は、内側からの甘い熱気で可憐な朱色に染まり、浅い呼吸に合わせて豊かに脈打つように上下している。

 その柔らかな膨らみの最頂部――先ほどまで何度も生地越しに摘ままれ、ダイレクトに吸い寄せられていた桜色の突起は、すでに逃げ場のないほどキュッと硬く尖りきっていた。先端には田中の熱い唾液と彼女自身の甘い汗がしっとりと絡み合い、橙色の光を受けてまるで濡れた宝石のように生々しく艶やかな光沢を放っている。


 さらに視線を落とせば、引き締まったウエストのくびれから、可憐なショーツの細いゴム紐が柔らかな腰肉へと深く食い込んでいた。

 その薄い布地に包まれた股間は、収められたアンダーヘアの確かな厚みと柔らかな肉感でふっくらと優しく盛り上がっている。浴衣を着る前から幾度となく焦らされ、身体の奥底から込み上げ続けていた密やかで熱い蜜の雫の存在だった。


 溢れ出る情熱を抑えきれず、最奥からとろりと溢れ出した透明な雫は、すでにショーツのクロッチ部分を内側からぐっしょりと湿らせ、密やかな布地に生々しい濡れの染みを広げている。それだけに留まらず、溢れ出た熱いしずくはしなやかな太ももの内側へと細く伝い落ち、吸い付くような白肌の上でスタンドライトの光を跳ね返してキラキラと艶やかにきらめいていた。


 「あっ……んぅ……っ、健人さん……見ないで……っ」


 首筋を舐められ、胸を強烈にしつこく揉み潰された快感の余韻と、自分の下半身がすでに耐えきれず蜜で濡れ濡れになっているという決定的な羞恥。いづみは顔を耳元まで真っ赤に染め上げ、溢れる雫を隠すように太ももをギュッと密着させて擦り合わせた。

 しかし、脚を閉じる動作すらも、濡れた太もも同士が滑り合う生々しい擦過音を響かせ、男の理性を完全に吹き飛ばす最高のおねだりとなっていた。


 メガネを外した田中の瞳が、硬く尖った乳首の濡れから、ショーツを湿らせ太ももを伝うキラキラとした雫の痕跡までを貪るように捉え、その狂おしい激情の火をいっそう激しく燃え上がらせた。

 田中の瞳に灯った狂おしい激情の火は、もはや抑えきれるものではなかった。


 「隠す必要などない。……お前のその柔らかな素肌も、可憐な恥じらいも……すべて俺を狂わせる」


 低く言い捨てると、彼は逃げ場を塞ぐように華奢な身体を抱き抱え、綺麗に整えられた布団の上へと倒し込んだ。


 重なり合う二人の体温。覆いかぶさる男の重みと、それに押し潰されるような密着感に、いづみの口から甘い吐息が漏れ出す。

 田中の武骨な大きな掌が、無防備な素肌の胸元へと吸い付けられる。掌全体でじっくりと圧がかけられるたび、柔らかく瑞々しい肉感が指の間から豊かに押し出され、その刺激に反応していづみの背筋が甘美にしなりを帯びた。


 さらに、彼の指先が熱を帯びた最頂部――桜色の突起を逃さず捉える。親指の腹でじわじわと圧をかけ、滑らかに円を描くように擦り潰しながら、しつこく捏ね回す愛撫が施される。


 「んぁっ……!? 健人さんっ……そこっ……熱いです……っ!」


 生の肌へ直接響く濃厚な摩擦。先端をじっくりと弄られるたび、いづみの瞳は快感の波に呑み込まれて甘く潤い、薄桃色の唇からは熱く湿った喘ぎ声が零れ落ちる。首筋から胸元にかけては内側からの熱で鮮やかな朱色が広がり、華奢な足先は快感の予感に小さく丸まっていた。

 耐えきれなくなった彼女は、自らの細い腕を田中の首筋に強く回し、爪を立てるようにして彼の背中へと深く抱きつき返す。誰の目も届かない密室で、密着した素肌の熱気と激しく脈打つ鼓動が交錯し、二人は夜が明けるまでどこまでも深く、濃厚な愛の渦中へと沈み込んでいく。


 ベッドの上に倒れ込んだいづみを見下ろし、田中はメガネを外した素顔をさらに近づけた。至近距離で視線が深く絡み合い、互いの熱い吐息が交差する。


 「……私、もう……っ」


 言葉は、深く重ね合わされた唇によって甘く遮られた。濃厚なキスと舌の絡み合いに、いづみの身体はシーツの上で跳ねるように甘く震える。内側から突き上げる熱によって、白磁のように滑らかな素肌は耳元から肩口、そして胸元へと一気に可憐な朱色に染まり、浮き出た甘い汗の粒がスタンドライトのあたたかな光を弾いて艶やかにきらめいていた。


 田中がいづみのしなやかな腰を大きな手で力強く引き寄せ、自身の体温を惜しみなく押し当てる。密着した素肌から直に伝わる高鳴りは早まり、彼女の華奢な胸元は浅い呼吸に合わせて瑞々しく上下した。彼の愛撫によって硬く尖りきった桜色の突起が、田中の男らしい胸板へと生々しく擦れ動いていく。


 二度の死線を潜り抜け、こうして生きて触れ合えている奇跡。田中は彼女の白く細い肩口、キュッと引き締まったウエストの窪み、そして湿り気を帯びて熱く火照る太ももの内側へと熱い唇を滑らせ、素肌へと吸い付くように情熱を注いでいった。唇が離れるたび、吸い付くような白肌の上には可憐な赤みが残され、柔らかな太ももの肉感は快感のあまり固く緊張して甘く震えた。


 「あ…………っ! 深く……っ、っ」


 目尻に快感の涙を浮かべ、愛おしさにうっとりと蕩けた表情で見つめてくるいづみ。頭頂から流れる黒髪が汗ばんだ首筋にまとわりつき、熱を帯びた胴体から股間にかけての滑らかなラインが、群青へと変わる夜光の中で隠しようのない生の立体感を描き出している。さらに最奥からは愛と興奮の証である密やかな雫が伝い落ち、彼女の肉体の美しさをどこまでも生々しく際立たせていた。


 いづみは逞しい彼の背中に深く爪を立てるようにしがみつき、足指までをキュッと丸めながら、与えられる彼の体温を全身の皮膚で受け止めた。


 「いづみ……二度とお前を離さない。この命も、愛も、すべてお前のものだ」


 低く掠れた男らしい誓いとともに二人の身体が隙間なく重なり合うと、いづみは背骨を大きく甘美にしならせ、彼の首筋に顔を埋めて切ない甘声を響かせた。汗ばんだ素肌と素肌がぴったりと密着し、重なり合った肉体が奏でる情熱の波が、二人を逃げ場のない愛の渦中へと深く深く飲み込んでいく。


 スタンドライトの灯りだけが、激しく波打つ胸元の起伏と、汗に濡れた艶やかな素肌の陰影を優しく照らし続けていた。


 深夜。激しい情熱の宴が静まり返り、部屋には穏やかで甘い息づかいだけが満ちていた。

 整えられた布団の中で、いづみは田中のたくましい胸板に顔を埋め、彼の腕の中で心地よい体温に包まれていた。

 行為の後、彼女は全裸のまま彼の腕の中に納まっている。


 田中は愛おしそうにいづみの滑らかな背中を大きな手で撫で擦り、包み込むように掛け布団を肩まで引き上げた。だが、布団の下で彼女の柔らかい素肌に密着した大きな手は、決して離れようとはしなかった。


 「ふあぁ……健人さん、すごく幸せです……っ。夏祭りもすごく楽しかったし……健人さんにいっぱい愛されて……っ」


 愛おしそうに胸元へ顔をすり寄せるいづみに対し、田中は布団の中でその武骨な掌を、彼女の柔らかな胸の起伏へと再び忍ばせた。瑞々しい肉感をじっくりと包み込み、掌全体で甘く圧をかけながら優しく揉み解していく。


 「んっ……ふぁ……っ」


 「……ああ。明日からは父上のノートの解析手配を進め、鳥居たち裏資金ルートの包囲網を完成させる」


 昼間の一係で見せるような冷静かつ重厚な声。そんなクールで男らしい言葉を耳元で囁きながらも、田中の手つきはまったく容赦がなかった。包み込んだ胸の最頂部――先ほどまでの愛撫でキュッと硬く尖りきった可憐な桜色の乳首を、熱い二本の指先で優しく挟み込むと、ジワジワと揉み潰すように指の腹で転がし始めていく。


 「っ……あ……っっ、そんな風に捏ねられたら……っ!」


 耳に届く凛とした声と、布団の下でダイレクトに先端を責め立てられる生々しい指先。その強烈なギャップにいづみは甘い悲鳴を漏らし、背骨をきゅっとしならせて快感に身をよじらせた。指の腹でコリコリと先端を撫で擦られ、じっくりと引っ張るように焦らされるたび、彼女の体温は再び上気し、首筋から胸元にかけて可憐な赤みが広がっていく。


 田中は彼女の身体をさらに深く引き寄せ、硬くなった蕾に指の圧を微かに強めながら、冷徹なまでの眼差しと掠れた低音で問いかけた。


 「……覚覚悟はいいな、村瀬」


 名前ではなく「村瀬」という厳格な響きで呼ばれたことへのゾクゾクするような背徳感と、その瞬間に乳首をキュッと強めに揉み潰された痺れるような刺激に、いづみの呼吸は完全に乱れた。


 「んぁぁっ……!? は、はいっ……! 健人さんと……んっ、あっ、一緒なら……どんな困難だって……乗り越えられます……っ!」


 声をごまかすように彼の首筋へ強くしがみつき、指先の愛撫に身体を跳ねさせながらも、いづみは溢れる愛情と決意を言葉に乗せて応えた。

 どれほど真剣な捜査の覚悟を語り合おうとも、二人の身体は布団の中で熱く溶け合ったまま。愛する男の体温と力強い鼓動、そして胸元をじっくりと弄り回される愛おしい刺激を直に肌で感じながら、いづみは夢見るような幸せな溜息をつき、一生解けることのない深い安心感に包まれて穏やかな眠りへと落ちていくのだった。

今作初の超特大ボリュームとなりました第17話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

美観地区の夏祭りで魅せた浴衣姿のいづみちゃんと、白壁の路地裏の影で交わされた熱く甘い「忍び逢いの口づけ」!

普段のパンツスーツ姿や部屋着姿とは一味違う和風ギャップと、部屋に帰ったあとの甘すぎる帯解きをお届けいたしました。


次回第18話は、父のノートと2周目の記憶を合わせた完全包囲網!

『水面下の包囲網――鳥居の動揺と先回り差押』をお届けいたします!

裏ルートを完璧に塞がれ、一人焦りを募らせる鳥居信一郎……完全勝利への最終カウントダウンが始まります!

どうぞお楽しみに!

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