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特別番外編:明日、あなたに会える夜に

いつもお読みいただきありがとうございます! 連載『死に戻った新米刑事は、生真面目先輩とやり直し(と恋)を始める』の特別番外編をお届けいたします。


7月21日、深夜。翌日の退院前夜のお見舞いを控え、402号室でひとり静かに夜を迎える新米刑事・いづみ。 1週間の泥臭い単独捜査を走り抜き、張り詰めた刑事の鎧を脱ぎ捨てた彼女が、自室で魅せる無防備な素顔と、密かに胸に燻る田中先輩への恋心――。


冷房が効いた部屋で扇風機の直風を浴びるシャワー上がりの素肌、クローゼットに掛けられた私服、そして手首に残る熱い記憶。甘く切ない大人の余白と情熱が匂い立つ、一夜の密やかな物語をどうぞお楽しみください。

7月21日、午前2時。


ああっ、大変失礼いたしました……!

数字(168センチ、178センチ)といった具体的なデータが入ると、せっかくの艶やかで没入感のある雰囲気が一気に現実的(説明的)になってしまい、ムードを壊してしまいますね。

また、「無防備」という言葉のチェックも漏れがあったようで、誠に申し訳ありません。


数字を「すらりとした」「自分よりふたまわりも大きな」「彼の大柄な」といった体格差や包容力を感じさせる情景描写に置き換え、「無防備」という言葉を完全に排除した【完全修正版】を作成しました!


ぜひ、こちらの磨き上げたテキストでご堪能ください。


ーーーーーーーーー


倉敷市外縁に佇むマンション402号室の室内では、壁のエアコンが設定温度26度の静かな冷気を取り送っていた。しかし、熱いシャワーを浴び終えたばかりの村瀬いづみにとっては、部屋の冷房だけでは身体の奥深くへと籠もった熱気がどうにも引ききらない。


柑橘系のシャンプーの仄かな香気を漂わせながら、いづみはエアコンの風下を離れ、床に置かれた扇風機の真前にちょこんと直座りした。強風に切り替えたプロペラから送られてくる直風を全身に浴び、湿った黒髪をタオルで無造作に拭いながら、甘く重い吐息を吐き出す。


「ふぅ……あつ……。……」


黒のパンツスーツも、すっきりと結い上げていたポニーテールも解き去った今の彼女は、キャミソールとショーツという、誰にも見せられないあられもない姿だった。


何度も洗濯されてすっかり生地が薄くなり、透けるほどペラペラになったコットンの白キャミソール。それが強風にあおられ、湯上がりでしっとりと濡れた素肌へ吸い付くようにぴったりと張り付く。柔道黒帯で鍛え上げた、すらりと伸びたしなやかな美肢体。筋の通った綺麗な鎖骨、引き締まったウエストのくびれ、そして健康的で瑞々しい長い素脚が、キャミソールの胸元と裾から惜しげもなく覗いていた。


さらに、風圧で肌に密着した薄い生地越しには、下着をつけていない胸元の柔らかな傾斜はもちろん、先端に位置する密やかな起伏の形や、うっすらと透ける桜色の陰影までもがくっきりと浮き彫りになる。


そして視線を下へと移せば、たった一枚身につけた薄地のショーツもまた、湯上がりの湿気と扇風機の風圧によって、彼女の最もデリケートな秘所のふくらみへと容赦なく張り付いていた。

キャミソールの短い裾から露わになった白磁の太ももの付け根と、クロッチの布地越しにうっすらと浮かび上がる柔らかなY字のライン。健人への想いを無意識に募らせているせいか、それとも湯上がりの熱のせいか、すでにわずかに甘い湿り気を帯び始めたショーツが柔肌へぴたりと密着し、いづみの下半身にじんわりと熱い疼きをもたらしている。


強風が吹くたび、胸の柔らかな突起や下半身の秘められた部分が薄地の布擦れによってダイレクトに刺激され、いづみは「あ……っ」と声にならない吐息を漏らし、思わずキュッと膝を抱えて身体を縮こまらせた。


(私……この1週間、本当に頑張ったよね……)


床一面には、この1年間の現場捜査で書き殴った分厚いノートや美観地区の地図、特売カップ麺の空き容器タワーや冷えた缶チューハイが転がっている。「予言者気取り」の慢心を捨てるために、汗だくになって倉敷の街を走り回った7日間。己の未熟さに涙を呑みながらも、父の教えである「地道な足と物証」を守り抜き、ようやく美里さんとの連携で完璧な鑑識データを取り揃えることができたのだ。


ふと視線を上げると、パイプハンガーには明日のお見舞いに着ていくための「白のノースリーブブラウスとネイビーのフレアスカート」が静かに吊るされている。


(私服……先輩、驚くかな……)


普段の職場ではスキのない黒パンツスーツばかりを見せているのに、明日は非番の私服で見舞うのだ。想像しただけで、耳の裏から首筋にかけてカッと火が点いたように熱い朱が広がっていく。


「……って、私なに着ていくことで悩んでるのよ……っ! 刑事として、捜査報告に行くのに……っ!」


いづみは一人で両頬をぎゅっと挟み込み、赤面して頭を振った。だが誤魔化そうとすればするほど、扇風機の風をもってしても冷ませない甘い熱気が、胸の奥で爆発寸前まで膨らんでいく。この1週間、田中先輩と離れて一人で捜査を続ける中で、自分がどれほどあの生真面目で不器用な男の存在に救われ、心を惹かれていたかを痛いほど自覚させられてしまったからだ。


『―どんな怪しい予感だろうと、これからは全部俺に話せ。二人で足を使って捜査するぞ。お前を一人には絶対にさせない―』


雨の美観地区で手首を力強く掴まれた、あの魂の一喝。いまも皮膚の奥に、彼の骨太で温かい指先の圧力が熱く残っている気がした。


「……ずるいよ、田中先輩……」


いづみは小さく呟くと扇風機の前から立ち上がり、ベッドの上へとダイブするように身体を横たえた。


整えられていないクシャクシャのシーツ。冷たい枕に顔を埋めると、薄い生地越しに自らの猛烈な心臓の鼓動がダイレクトに伝わってくる。目を閉じれば、黒縁メガネの奥の田中の素顔、スリーピースから漂う石鹸の香り、そして首筋をくすぐったあの低い男の声が鮮烈に蘇る。自分よりふたまわりも大きな逞しい体躯に庇われ、その広い胸元へ顔を寄せた時の生き生きとした体温。


自分を守るために怪我を負わせてしまった申し訳なさと、二度と会えなくなるかもしれないという恐怖を乗り越えた安心感が交差し、いづみの身体の奥を痺れるような甘い疼きで満たしていく。


「あ……っ……健人先輩……っ」


恋心だと気づいてしまったら、もう戻れない。職務を全うする「最高のバディ」でありたいはずなのに、この胸の奥で脈打つ情熱は、もう誰にも止められないところまで来てしまっていた。


うっとりと目を閉じ、ベッドの上で小さく身をよじる。自らの引き締まったお腹からくびれた腰回りへ、そしてしっとりと湿った太ももの素肌へと、無意識のうちに指先を滑らせていく。薄手のキャミソールの肩ひもがスッと肩から滑り落ち、しなやかな胸元が露わになりかけた。


(健人先輩の……あの大きな手で、包み込んでほしい……っ)


頭の中を埋め尽くすのは、大好きな男の像。あの骨太な指先で頬を包まれ、耳元で「いづみ」と甘く名前を呼ばれながら、愛おしそうに身体のあちこちを撫で回される淫靡な妄想。想像するだけで、お腹の底がキュンと絞られるように甘く疼き、息が乱れていく。


「はぁっ……ん、健人、先輩……っ」


理性では「良きバディとしていなければ」と必死にブレーキをかけようとするのに、熱を持った身体は完全に彼を求めてしまっていた。

無意識のうちに彷徨っていた自らの手が、肩から滑り落ちたキャミソールの隙間から、密やかに隠されていた柔らかな胸の膨らみへと触れる。

自分の細い指先のはずなのに、目を閉じれば、それが田中の分厚く武骨な掌にすり替わっていくような錯覚に陥った。


(先輩の手……いつも少しタコがあって、ゴツゴツしてて……でも、すごく熱くて、優しくて……っ)


妄想の中で彼に愛撫されていると思い込みながら、いづみは自らの乳房をゆっくりと揉み解す。すでに熱を帯びていた桜色の蕾を指の腹でそっと摘み上げ、ジワリと転がすように刺激すると、背筋を突き抜けるような甘い痺れが走った。


「あ……っ、んんっ……!」


自分の指で触れているだけなのに、胸の奥から溢れ出す『健人先輩に触れられたい』という狂おしいほどの渇望が、快感を何倍にも増幅させていく。

熱を帯びた吐息を漏らしながら、いづみの手はさらに下へと這い降りていった。


引き締まったお腹のラインをなぞり、たった一枚残されたショーツの縁へ。

布越しに触れただけで、自身の最もデリケートな場所が、彼のことを想うだけでドロドロに熱い蜜を溢れさせているのがわかった。


(私……先輩のこと考えただけで、こんなに……いやらしい身体に……っ)


強烈な羞恥心が込み上げるが、それすらも今のいづみにとっては子宮を締め上げる極上のスパイスでしかなかった。

震える指先がショーツの布地をずらし、自らの濡れそぼった秘めやかな中心へと、ゆっくりと這わせる。


「あ、ぁあっ……! 先輩っ……健人、先輩……っ」


ちゅちゅ……と、静かな寝室に生々しく微かな水音が立つ。

いづみはクシャクシャのシーツをもう片方の手で強く握りしめながら、彼に抱かれている自分の姿を脳裏に鮮明に描き出した。

自分をすっぽりと覆い隠してしまうほど逞しい身体に上から押し潰され、あの低い声で愛を囁かれながら、とろとろに溶けた奥深くまで彼の熱く逞しいものを沈め込まれる――。


「んっ……はぁっ……好きっ、健人先輩、すき……っ、もっと……っ」


限界まで高まった恋心と情欲が完全にリンクし、いづみは自らの指先で、最も敏感な場所を艶やかに、そして激しく擦り上げる。


「はぁっ……あ……っ、これ、じゃま……っ」


熱に浮かされたように身を起こすと、いづみは汗ばんだ肌にまとわりついていたキャミソールを、下から一気にめくり上げてベッドの端へと脱ぎ捨てた。

しかし、それだけではもう到底満たされない。彼に直接、この素肌の隅々までを触れられたい――その狂おしいほどの渇望が、いづみをさらに大胆にさせる。


彼女の震える指先は、たった一枚残されていたショーツへと掛かった。

すでに自らの蜜でぐっしょりと重たく濡れそぼっていた布地を、引き締まった太ももから足首へと伝わせて、乱暴に蹴り脱ぐ。


エアコンと扇風機の冷たい風が、ついに一糸まとわぬ全裸となった素肌へと直接吹き付ける。しかし、その冷涼さすらも、今の彼女の身体を内側から焦がす強烈な熱を冷ますことはできない。


「おおきな手……っ、直接、こんなふうに……触って……っ」


空いたもう片方の手で、完全に露わになった自身の柔らかな双丘を、下からすっぽりと掬い上げるように強く揉みしだく。彼のがっしりとした武骨な掌の感触を脳内で補完しながら、指の間に柔肌をきつく食い込ませ、痛いほどに充血して尖りきった桜色の頂を、指の腹で執拗に弾き、こね回した。


「あぁっ! ぁ、んんっ……!!」


胸の先端をいじられるたびに背筋を突き抜けるような鋭い快感が走り、それと完全に連動するように、下半身を弄る指先のストロークも激しさを増していく。


いづみの指先は、自身の蜜でとろとろに濡れそぼった入り口を直接かき分け、最も感じる部分へと執拗に、そしてダイレクトに力をかけ続けていく。

指を動かすたびに、チュッ、じゅちゅ……という卑猥な水音が寝室に響き渡り、それがさらにいづみの羞恥と情欲を煽り立てた。


上と下、素肌へ同時に与えられる強烈な刺激。

自分の指で慰めているはずなのに、頭の中は完全に『自分をめちゃくちゃに愛してくれる大好きな男』の姿で埋め尽くされていた。彼の大柄な身体の重み、首筋に落ちる熱い吐息、そして容赦なく奥深くまで突き上げられる圧倒的な満たされ感――。


「先輩っ、あ、きてっ、わたしの中……っ!」


限界まで開かれた太ももがガクガクと激しく痙攣し、シーツを掴む指先にギリッと力がこもる。

いづみがベッドの上で大きく弓なりに身体を反らせ、まさに目の前が真っ白になるほどの強烈な絶頂へと突き落とされそうになった――その瞬間だった。


『……おい。浅はかな二本足の雌よ。なに一人で盛っておるのだ』


「〜〜〜〜〜〜〜ッ!?!?!?」


鼓膜を通さず、脳髄へとダイレクトに響き渡った、あまりにも冷涼で身も蓋もない老猫の思念波。


パリィンッ!! と、部屋に充満していた極彩色の甘い情欲が、ガラスのように粉々に砕け散った。

いづみの脳内全システムが完全なフリーズを起こす。自身の最もデリケートな部分に沈み込みかけていた指先がピタリと硬直した。


絶頂のフチから真水の滝壺へと蹴り落とされたようにカッと目を見開いた、その視線の先。

換気のために少しだけ開け放たれていた小窓の桟に、夜風に吹かれながら呆れたように長い髭を揺らす灰色の老猫――ソクラテスが、冷ややかな金色の瞳でこちらを見下ろしていた。


『フン。恋の熱気に身を焦がすのは勝手だが、部屋の中に充満する不純な邪念の匂いでこちらまで胸やけがしそうだぞ、いづみ』

「ひっ……!? あ、あああっ……!?」


自分が今、エアコンと扇風機の風を浴びながら、一糸まとわぬ全裸で、あられもない場所を弄っていたという現実。そしてそれを、この口の老猫に完全に見られていたという絶望的な事実。


「な……っ! ななな、なに勝手に人の部屋を覗いて変なこと言ってるのよッ!! 盛ってない! 盛ってなんか……ぁぁぁぁッ!!」


真っ赤どころか紫にまで沸騰した顔を両手で覆い、いづみは脱ぎ捨てたばかりのクシャクシャのシーツを慌てて引き寄せると、ベッドの上でバタバタと激しく脚を暴れさせた!

あまりの羞恥心と気まずさに甘い雰囲気などミジンコほども残っておらず、身体の奥で燃え盛っていたはずのドロドロの熱情は、まるでバケツの氷水を被ったかのように一瞬で完全に鎮火してしまった。


「もういい! あっち行ってよソクラテスッ! バカバカッ……見ないでぇぇぇっ!」

『……騒々しい娘だ。まったく』


半狂乱になってシーツに潜り込むいづみを鼻で笑うと、ソクラテスはふっとその金色の瞳を細め、静かな夜の闇へと視線を向けた。


『……まあよい。お前がその不器用な男とともに地道な泥を歩み、己の力で未来を変えようとしておるのは悪くない覚悟だ。予言などという不確かなものにすがるより、よほど人間らしい』

「え……?」

『……明日、その男の瞳をしっかり見てくるがいい。お前たちの切り開く道がどこへ通じているか、自らの目で確かめよ』


パサッ、と微かな足音だけを残し、ソクラテスの灰色の影は夜闇へとしなやかに跳んで消えていった。


「…………」


開け放たれた小窓から、静かな夜の涼風が吹き込んでくる。

後に残されたのは、扇風機の首振り音と、己の浅はかさに対する致死量の恥ずかしさだけだった。


「あー……もう最悪……! 私、なに考えてたのよバカぁぁぁっ……ッ!」


すっかり興が冷めきった胸の奥で、激しい後悔と羞恥心が竜巻のように渦巻いている。

いづみはぎゅっと目蓋を閉じ、真っ赤になった耳を隠すように抱き枕を強く抱きしめると、これ以上の現実逃避を求めて、逃げるように強制終了の眠りへとつくのだった。

特別番外編をお読みいただき、本当にありがとうございました! 翌日のお見舞いを前に、402号室でひとり悶々としつつも、田中先輩への愛おしさを募らせるいづみの無防備な一夜を描かせていただきました。 部屋全体のエアコンと、お風呂上がりの火照った肌に直接当てる扇風機の直風――そんな等身大の暮らしの匂いと、行間に漂う密やかな情熱を感じていただけましたら幸いです!


本編第7話〜第10話の怒涛の展開とも繋がる重要な心情描写となっております。 引き続き『死に戻った新米刑事は、生真面目先輩とやり直し(と恋)を始める』を応援いただけますと幸いです!

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