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エピローグ 樹海の魔女
あの日、あの子が来た。
あの時のままの姿だった。
不安そうで、それでも目に映るものをひとつずつ確かめようとする顔。
その時、ようやく私は気づいたのだ。
彼女は、まだ「私」に出会っていないのだと。
胸が苦しくなった。
彼女の顔を、まともに見られなかった。
もう一度会えることなど、ないと思っていたのに。
この手で、抱き締めたかった。
アリスに、伝えたかった。
あの子が帰ってから、初めてマリィに涙を見せてしまった。
驚くマリィへ、大丈夫よ、と微笑んでみせた。
それから、私は書斎へ向かった。
せめて、この手紙に託して伝えよう。
五十年も待ったのだ。
それくらいは、許されるだろう。
きっと、あなたのところにも来る。
――私たちのひかりが、と。




