表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は観測者  作者: ラム肉
束の間の日常
12/19

10 朝

お待たせしました。かなり久々の投稿になりますが、今回は個人的にもかなり気に入っている出来の回になりました。ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

私は目が覚めるとゆっくりと外を見た。外では鳥たちが何匹も鳴いている。正直に言うとうるさい、だがこれもまたいいものだ。心なしか疲れが取れ、軽い足取りで部屋を出た、するとエルが食事を用意して待っていてくれた


「やぁ、おはよう。君は食事を食べられない訳では無いだろう?」


エルは昨日と同じ笑顔で私に話しかけてくる、少し心が落ち着く


「ありがとう、せっかくだから頂くことにするよ」


私はそう言い席に着いた。するとエルが少しこちらに顔を近付けて満面の笑みで


「うん!昨日よりもいい顔をしているね、うちのベッドは最高だったろう?」


そう話すエルは嬉しそうでもあり楽しそうでもあった


「ありがとう。確かに今まで寝た中で最高のベッドだったよ」


他愛もない話をしつつ私が食事を食べ終わる頃エルは手を差し出して話しかけてきた


「この先の話だが、君さえ良ければここで私と一緒に修行しないかい?私は君より長く観測者として存在し初代についても知っている。教えられる事があると思うんだが…」


私は迷わずエルの手を取り


「よろしくお願いします!」


と大声で返事をした。エルは私の大きい声に驚きつつも笑いながら「あぁよろしく」と応えた


食事の後片付けも終わり外に出て修行を始めた


「まず手を前に出して力を一気に出してみてくれるかい?」


私はエルの指さす方向へと力を出してみたすると前にあった木どころか地面ごと大きく抉れた。エルは顔は笑みがあるが呆然としつつ何か考える様にぼーっとしていた。


「エル?!エル?!」


私は何度かそうエルに問いかけるとエルはハッとしたように反応した。


「いやーごめんごめん、あまりに威力が強かったから。これなら先にその今は飾りになっている翼を使う練習の方が先かな?」


エルはそう若干引きつつ言った。


それから私とエルは近くにあるちょっとした高台へとやって来た


「翼の練習ならまず滑空から始めるべきだろう!」


と言うエルの発言からだった


「さぁここから飛んでみてくれ、失敗しても下は水だから少し痛い程度だ」


少し痛い程度って…成功させればいい話なのだ私は助走をつけ勢いよく飛び降りた。

次に気付いた時には私にエルが何度も語りかけていた


「おい!大丈夫か?!」


その声で目が覚め私は大丈夫だと返事をしたするとエルはホッとしたように


「良かった。少しくらい滑空すると思っていたんだが飛び出した瞬間そのまま勢いよく落ちて行ってね」


エルは今まで見た事ないくらい笑いながらそう言った。

……笑い話では無い。私は拗ねた、それはもう見事に。拗ねに拗ねエルが謝り、許す頃にはもう昼だった。


私達は昼ご飯の為の魚を釣りに川へ来た。川と言ってもそれほど大きくはない。深さは深いところで人が1人入るかどうかだろう。


「さぁ!これも静かに気配を消し、魚の心を読み、水の流れを考え、静かに待つことで精神力を鍛える修行さ」


そう言いながらエルはいそいそと釣りの準備をする。

…これ絶対昼ご飯の事忘れてただけだよな。


その後私は30分ほどで5匹釣れたがエルは1匹も釣れていない。


「ま、まぁこれも君の修行だからね。私が釣っても意味がないから…ほら、わざとだよわざと」


嘘である。絶対に。

するとようやくエルの竿が引っ張られた。その瞬間パァーッと顔が満面の笑みになり急いで釣り上げた。


だが、魚は魚でも魔物であった。


思わず私は笑ってしまった。魔物の魚は食べれないのだ、食べようとしても他の魔物と違い魚だけは毒があるのだ。


エルは真顔で魔物の魚を倒し、笑顔でこちらを見た


「何がおかしいのかな?」


あ…目が笑っていない、これはダメなやつだ…そう思い私は謝り何とか機嫌を取った。その後私の釣った魚を焚き火で焼いて食べながら少し雑談をした。


「そういえばエルって性別はあるの?」


「私達には無いよ、あくまで元なだけで観測者だからね。だが性別をつけようと思えばつけられる、まぁ私は性別がない今のままでいいがね」


「へーそうなんだ」


「なんだい聞いといてその薄い反応は」


エルは少し笑いつつムッとした様に言う


「まぁまぁ私の分の魚1つあげるから許してよ〜」


「えっ!良いのかい?ほんとだね?もう返してあげないからね?」


エルはそう言い笑顔で魚を食べる。へっ…ちょろいな。

その後魚を食べ終わり、私達は小屋の近くの開けた場所に来ていた。


「翼を使うならやはりまずは動かせないとな!空から真っ逆さまだ」


エル…半分位バカにしてないかい?…それ。

何はともあれ翼を動かしてみることにしたが、意外と難しい。元々付いていなかった物だからか…少し動かすのが精一杯だ。そんな私を横目にエルは笑いながら


「大丈夫大丈夫、最初はそんなもんなんだよ。寧ろ翼を作り出して急に逃げられる方がおかしいんだよ」


すごい嬉しそうだな。楽しそうに教えてくるエルに思わず笑みがこぼれた。


「あははっ、ピクピクって。翼の先がピクピクって」


それはそれとして、これはバカにしてるのか真面目に慰めて教えようとしてるのかどっちなんだよ。

私はそう思いながら、翼をピクピクさせた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ