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2007年12月27日 マリーとゴスロリ少女

『まてー、フーちゃん!』

『ふふふ、私を捕まえられるかな…♪』

エレナとフレスベルグはリハビリがわりに中庭で鬼ごっこを始めていた。

そう、本人たちは"普通の鬼ごっこ"のつもりでやっているがリフレイン同士だと普通通りにはいかない。

並外れた身体能力を持つので本気で走れば地面はえぐれ、壁を走ることもできる。

そのおかげで中庭は一瞬でぐちゃぐちゃになった。

『二人ともご飯だよ〜♪……うぁ、なにこれ』

まずマリーの目に入ってきたのは、まるで耕されたようにぐちゃぐちゃになった元芝生。そして、その次にはえぐれた屋敷の壁、倒壊した銅像、泥だらけの容疑者二人だった。

『……なにか言うことは?』

『マリーさん!お昼ご飯なにー!』

『お腹空いたね〜エレナ〜。』

マリーは怒ろうとしたが昨日の夜、リリーからされた話を思い出す。

…そうか、ずっと実験台にされてたんだもんね。なにがいい事でダメな事なんてわからないよね。

『…今日はシチューだよ♪泥だらけだから、お風呂に入ってからね。』

『シチュー!なにそれ、美味しそう!わぁーい!』

『私も初めて聞いた料理ね、じゃエレナお風呂いこっか♪』

フレスベルグはエレナを連れて浴場に行く。

マリーはそれを見届けた後中庭を見渡す。

地面は芝生だった面影すらなくなっていた。マリーは中庭を一通り巡り、倒れた銅像に寄りかかった、その時。

『…大変そうね、でも楽しそうでよかったわ。』

『その声は…、!』

銅像の後ろから聞き覚えのある声で話しかけられた。そう、その声はマリーをこの屋敷まで導いたゴスロリ少女のものだった。

『実はね、あなたに頼みたいことがあって来たの』

『…なによ?』

『彼女達と一緒にとある政府の施設を潰してもらいたいの。座標はもうUATCS-1483に送ってある。』

それを聞いてマリーは少しムッとした。

『…なんで彼女達にそんなことさせなきゃいけないの?それに、あなたなら…私たちに頼らなくてもできるでしょ?』

ゴスロリのクスッと笑う声が聞こえる。

『その施設は彼女達と同じ"クローン"を作る施設よ、私一人で十分だけど…あなた達も実戦は積まなきゃね♪』

マリーも、少しは納得した。確かに実戦を積まなくては運命の日を乗り越えられない。

しかし…彼女達をこれ以上苦しめたくなかった。

『…もしやらないと言ったら?』

『彼女達のような可愛いクローンが作られて、実験台にされたり、兵器として利用される。』

『…わかったわよ、やればいいんでしょ!』

『その返事を待ってたわ♪日時は1月9日AM3:00。やることは、製造装置及び関連装置の破壊。…わからないことがあったら、UATCS-1483に聞けばいいわ。』

マリーは嫌々ながらも引き受けた。やらなかったら後味が悪い…。

もう、彼女達のようなクローンは作らせたくなかった。

『一応私も現地に行くわ。姿は見せないけど最低限のサポートくらいするわね。』

『わかった…それと、あなたの名前を聞いてなかったわね…』

マリーは名前くらい知りたかった。屋敷に連れ込んだ原因だが、あの地獄から救い出してくれたことに少しは感謝していたからだ。

しかし、そこでゴスロリは返答をしなくなる。

『…ねぇ、聞いてるの⁈

……』

そこには誰もいなかった。銅像の周りは開けているので何処かに隠れることは不可能なはずなのに…。

『…本当に何者なんだろう。』

『マリーさーん!そんなところで何してるの〜?』

アンジェラが屋敷からマリーを呼ぶ。

『あ、ごめんね!今行くよ…。』

…彼女達にはなんと説明すればいいだろうか。マリーは複雑な気分になった。

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