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2007年12月25日 盲目少女

『…ねぇ何あの子、ボロボロじゃない?』

『あれ血じゃないか…?警察に連絡しといた方がいいんじゃ…』

オーバーロードは研究所を離れた後、近くにあった街に逃げ込んでいた。オーバーロードの着ている服を不審に思い辺りの人々は、こそこそと話をする。

そして、その姿をみて不運な四人組の不良がオーバーロードに声をかける。

『ちょっと君〜、そんなボロボロの服きてどこ行くの〜?』

オーバーロードは無視し道を歩く。

『ちょっと無視ですかぁ〜、ねぇ君人の話聞いてる?』

『おいおい、よく見たらこいつ可愛くね?君一人?』

オーバーロードは少しイライラしてきた、初めて相手するようなタイプだったからだ。

なんなのだろうかコイツらは。


…殺すか。


『ねぇ、俺らと一緒に遊ばなぁい?ほら…一緒に向こう行こ、ね?』

オーバーロードはこくりと頷く。人目のつかないところで殺そう。

『おっ!いいじゃんいいじゃん、みんなで楽しもうぜ!』

不良たちはオーバーロードを囲みながら裏路地へと入って行く。

だいぶ進み、人通りがほとんどな居場所に着くと不良たちはヒソヒソと話し出す。

『おい、ここでヤっちゃうか…?』

『だな、ここなら大丈夫だろ。』

『さて、お嬢さん!なんでここに来たのかわかるよな!ほら!』

不良の一人がズボンを脱ぎはじめる。

『…ほらしゃぶれよ!』

それにつられ他の不良達もズボンを脱ぎはじめる。それをみてオーバーロードは眉をしかめた。

なにをやってるんだコイツらは…。

『なにやってんだよもたもたするなよ!』

一人がオーバーロードに掴みかかったその瞬間。

不良の腕が鈍い音を立てて折れる。

『…汚れた手で触るな。』

不良達がそれを見て騒ぎ始める。

『いてぇ!いてぇよ畜生!クソガキが!』

『このガキが!ヤったあとぶっ殺してやる!』

オーバーロードは手をかざす。すると

二人目の首が折れ、三人目は局部が潰れ悶え苦しみ、最後の一人は両足が折れたあと首がねじ切れた。

最初の不良がそれを見て後ずさりをする。

『ひぃっ…なんなんだよテメェは!バケモンが…誰か!助けてくれ!』

不良は走り出すがオーバーロードの"見えない力"で引き戻される。

『…お前は私に何をしようとした』

不良は涙目になりながら話す。

『畜生…お前を犯そうとしたんだよ!そんで、そのあと身の回りのもん盗って逃げるはずだったんだよクソが!』

『そういうやつはどうなるべきだと思う?』

『…知らねぇよ!さっさと離せよ!』

『死ねばいいんだよ。』

ぐちゃっ

顔の骨と肉が潰れる音が裏路地に響く。裏路地のさらに奥からの叫び声や音は大通りや民家には聞こえない。ある意味、自業自得な死に方だといえるだろう。

オーバーロードは不良達の服やポケットの中身を漁る。

『これが"けーたい"で、これが"おかね"かな?…ナイフは…いらないな。

こっちのちっちゃい奴の服をいただくとするかな。』

オーバーロードは首の折れてる死体から服をはぎとる。しかし、いくらグループの中で小さいとはいえまだ幼いオーバーロードには大きかった。


その時背後から足音がする。

『…大丈夫ですか?』

オーバーロードは反射的にナイフを宙に浮かせ臨戦態勢に移る。

物陰からオーバーロードより少し小さいくらいの女の子がひょこっと出てくる。

『よかった!無事だったんだね!』

オーバーロードは安心してナイフを下ろす。

『なんかね、さっきここで寝てたら大声がして誰かな?って思ったら悲鳴が聞こえて…』

女の子はベラベラと話し始める。

少し違和感を感じた、ここで寝てて?ここは裏路地のハズ、それに…死体をみて驚かないのか?


『お前もしかして…


目が見えないのか?』


女の子はニコッと笑う。

『…うん、そうだよ。』

『それにここで寝てたって…』

『…私ね、お家から出されちゃったの。目の見えない悪い子なんて家の子じゃない、でていけって…。

それでね、私ひとりぼっちだったの。』

オーバーロードはそれを聞いて少し"かわいそう"だと思ってしまった。こんな女の子が危険な裏路地で寝ているなんて…。

『…そっか、実は私もひとりぼっちなんだ。行く場所が私にもないんだ、少しここにいてもいいか?』

女の子はまたニコッと笑う。

『うん!いいよ!』

『ありがとな、お前は優しいな…。』

オーバーロードは女の子の頭を撫でる。そういえば研究所にもこのくらいのクローンがいたっけ。…あいつらは無事なんかな。

女の子はオーバーロードの手を引き女の子の"居場所"まで連れてく。

そこはだいぶ古くなった倉庫だった。風が吹くとギシギシ音がし、何箇所からか水の音がする。おそらく雨漏りしているのだろう。

『こんなとこで寝てるのか?』

『うん、いや…かな?』

『いいや、寝れるとこがあるだけ十分だよ。』

古くなった毛布に二人でくるまる。少しカビ臭かったが冬の12月、ないよりかはマシだった。

『そういえば、お前はどうにここまで来れたんだ?目が見えなくて大変だったろ?』

女の子はう〜んと言った後答える。

『実はね、よくわからないの…君には役目がある?みたいなこと言われて手を引かれてここに連れてきてくれた人がいたの。手が私とおんなじくらいで声も女の子みたいだったよ。』

『…そっか、そんなこともあるんだな。』


『ねぇ…』

『どうした?』

『…抱きついていい?』

オーバーロードは少し戸惑った。が…

『…うん、いいよ。おいで。』

『ホントに⁈ありがとう!』

女の子はオーバーロードをぎゅーっと抱きしめる。頭からはまだいい匂いがする、おそらく追い出されてまだ間もないのだろう。

『…あったかい。』

『そうかい?…それならよかった。』

『…ねぇ、お姉ちゃんって呼んでいい?』

『…あぁ、いいよ。いいけど、お前はなんて名前なんだい?』



『…リカ、大宮リカっていうの。』



『そうか、リカ…可愛い名前だな!』

オーバーロードはリカの髪をわしゃわしゃする。

『きゃははは!くすぐったいよー!』

『はははは!可愛いやつだなお前は。さて、そんなことよりもう寝るぞ〜。』

『うん!』

『おやすみ、リカ。』

『おやすみなさい、"やさしい"お姉ちゃん♪』


リカはすぐに寝てしまった。オーバーロードはふとリカの方を見る、彼女といると心の悪魔が出ないような気がする。

やさしいお姉ちゃん…か。



『…全然優しくなんかないよ、私なんて。』





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