2007年12月24日 ブラッド・イヴ3
教官が訓練室の扉を蹴破り入る。
『お前ら!早く避難するぞ!…クソッタレが‼︎おい、所長!聞こえるか‼︎』
教官は無線に向かい叫ぶ。
『こちらジェームス。どうした、ヘミングウェイ?』
無線機越しに所長の声と発砲音が聞こえる。
『あのクソガキどもに逃げられた!俺とチーム2はクソガキどもを追う、わかったらさっさとチーム2を訓練室によこせ!いいな‼︎』
無線機からの発砲音が爆発音と悲鳴に変わる。
『…くそっ!あの爆発音…試験用のXM29を奪ったのか⁈ヘミングウェイ!聞こえるか⁈チーム2なら5分前に訓練室にオーバーロード確保に向かってるはずだ!なぜ合流できてない⁈ニコラ!やめ…』
途中で無線機は黙ってしまった。
『…ジェームス?おい、ジェームス!くそっ、チーム2が訓練室にいるだと。じゃあなんでこんなに静かなんだ…』
ヘミングウェイは銃を構えながら煙に包まれてる訓練室の奥に向かう。
どうも血なまぐさい。
『おい…ヘンリー、サム…いるのか?』
何かを踏んだ。
『うぉっ!…おいおい嘘だろ‼︎マイク!』
ヘミングウェイが踏んだのはバラバラになったマイクだった。
煙の中からか細い声がする。
『た…たぃちょぅ……た すけて…ぁしがうごかな…』
ヘミングウェイが駆け寄ると、そこに倒れているのは同じチーム2のサムだった。
『おい、サム!何があったんだ!』
サムは目を虚ろにしながら話す。
『ォ…バーロ…ド…。か、くほ…できな…かった…。あし…みぇない…ぉ、おれて…ま、すか…?』
ヘミングウェイは見たがすぐに目をそらした。
下半身がない…
ヘミングウェイはサムを助けようとしたが、サムは血しぶきを吐いたあと動かなくなった。
『サム…ちくしょう‼︎オーバーロード‼︎絶対ぶっ殺してやる‼︎待ってやがれ‼︎』
ヘミングウェイは壁の穴に向かって走り出した。
『みんな!早く、急いで‼︎』
暗い廊下を4人の少女が走る。
先頭のアンジェラが廊下を右に曲がり、続いて2番目のサーシャが曲がる。
その時、サーシャが前のアンジェラにぶつかり倒れる。
『いたた…アンジェラさん、どうしたの?…ひぃっ!』
サーシャが驚きで息を飲む。
廊下はバラバラの死体でいっぱいだった。
暗闇で何かが光る。
そして、暗闇から何かが飛び出してくる。
『…くっ!みんな構えて‼︎』
アンジェラがM107を構えた、その時。
飛び出してきたものが、アンジェラの前で止まる。
『あなたたち…だれ?』
それはサーシャと同じくらいの身長の赤いドレスを着た少女だった。
長い黒髪に、人間の腸が垂れてついている。
そして、片手にフレスベルグと同じ刀、もう片手にアサルトライフルを持っている。
『あなたも誰?…でも敵ではなさそうだね〜、私たちと同んなじクローンかな〜?』
少女は刀を下ろす。
『クローン…?…えぇ、そうよ。私は…R-002…』
後ろからきたフレスベルグが口を挟む。
『R-002は私だよ?』
少女は何かに気づいたように訂正する。
『…!あぁ、ごめんなさい…私はR-003…。名前は…リリーって言うの…よろしくね。』
スカートの両端をつまみお嬢様のように頭を下げる。
『リリーちゃんだね♪よろしく〜♪にしても…これ全部リリーちゃんがやったの?』
彼女の後ろには延々と死体が続いている。
『…そうだよ。ごめんね、怖い?』
全員正直、怖かった。ドレスも所々白いところがある。すべて返り血で赤くなっているのだった。
『いや…。ところで、私たち今ここから逃げるんだけど一緒に来るかな?』
サーシャはリリーに話しかける。
『一緒に来ていいの?…私のこと怖くないの?』
フレスベルグが歩み寄り、リリーの髪についてる"人間の一部"を払い落とし抱きしめる。
『全然怖くないよホラ…ね?私たちは家族みたいなものなんだから…』
リリーの瞳から涙がこぼれ、その場に崩れ泣き続ける。
『…よっぽど酷いことされてきたんだね〜。本当に…はやくこんなとこ出ていこうね…』




