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8/12

ママと常連さん

今日の客は、大家の紹介で、バーのママとその常連だ。珍しい組み合わせだな。


今回の問題は常連が店の若い子にしつこくして出禁に、ただバーのオープン当初からの常連ってことで、ママはショックみたいだな。


まぁよくある話だな。

しかし……、火がついてしまったんだろうな。


俺はいつものように、体を鍛え、銭湯に行き、追加の具材を買っておく。


今日は公園では、犬を放している奴がいた。

俺は犬なんぞ怖くわねぇが、犬嫌いの人が見たら、通報されるぞ。


これは都市公園法や条例で定められてる。

動物管理センターや保健所や公園管理事務所に通報されたりすると罰金とかになるケースがあるからな。


犬がこっちに走ってくる。

どっかで見た顔だと思ったら、こないだの犬か……。


「この子が懐くなんて珍しい」

と飼い主の女は言った。


ふと見ると女はミニスカートで、太ももにそれぞれムカデと蛇の入れ墨が入ってた。


俺は注意しようと思ったが、他の人がスマホでリードをはずしている様子を撮影していたので、通報されるだろう。


ほっておこう。


俺が通報したと思われても損なだけだからな。


俺はとりあえず身体を鍛えることにした。10分後気がつくと、飼い主は誰かに注意されていた。


飼い主がスマホで悪るそうな男を呼びだした。

男の腕にはそれぞれムカデと蛇の入れ墨が入っていた。


ペアルックか……。


その男が喧嘩腰になると、警察に通報されて、そのままどこかに連れていかれた。


俺はなんて言えばいいのだろう。

訴状が届いていないのでコメントは差し控えさせていただきます。

だろうか。


まぁいい。俺には関係のない事だ。


スーパーではうどんを買う事にした。



20:11、客がうちのアパートの前に来る。窓をあけ、2階まで来るように窓から言う。



「べぇさん?」


俺がうなずくと、


「はじめまして、今日はお世話になります」

中年の男と、女が挨拶する。


「おぅ。まぁ上がってくれ

えっと、悪いんだけどな。

俺は人の名前を覚えるのが苦手なんだ。

だから、常連とママって呼ぶけどいいか?」


と俺は言った。


2人ともうなづいた。


「で……、具材はなんだ?」

と言うと、2人は俺に具材を手渡した。

肉:牛すじ、鶏もも、豚しゃぶ

野菜:大根、小松菜、舞茸

なるほどなぁ……。

俺はしばし沈黙する。


「さすがに牛筋はムリですか?」

とママは言った。


「いや。できない事はないんだが、今日中に終わらないからな……」

と俺は言った。


「これ持って帰って使うか?」

と俺がいうと、二人とも苦笑いをした。


「じゃあこれは誰かにやるよ。それでいいか?」

と言ったら、二人ともうなづいていた。


俺はアパートの大家に会いに行った。

大家はおでん好きだ。

大家なら使うだろと渡すと、めっちゃ喜んで、

明日使うおうと思ってたけど、おでんにするからと、

もやしを2つくれた。


さて……今日は何にしようか?

材料的には、ピリ辛の味噌ちゃんこだな。

モヤシもあるし。



俺は鍋を準備しだした。テフロン製のホットプレート兼電気鍋。


「えっとじゃあ材料を切っていこう」


鶏ももは一口大、

豚シャブは半分に切って、クルクル巻いておく。


野菜:大根、小松菜、舞茸


小松菜は根を落としざく切り、

大根は皮のまま、たわしで洗い、ヘタを落とし、皮をピーラーでむく。

そして包丁でイチョウ切りにする。

皮は千切りにする。

舞茸は石づきを取る。



それでは調理開始だ。


まずはテフロン製の鍋に材料を全部入れる。


そして日本酒と砂糖、味噌とコンソメ、キムチと水を入れる。

そして、コトコト煮ていく。


「あとは待つだけですか?」

とママは言った。


まぁテーブルに座ってくれとちゃぶ台に案内する。



さて酒でも飲もうか?


常連は焼酎水割り

ママは赤ワインだった。


2人にグラスを渡し乾杯をする


3口ほど飲んだところで、

俺は話を切り出した。


「で……どういう状況だったんだい?」

俺がそう言うと、


「冗談のつもりだったんだよ」

と常連は言った。


するとママは、

「女の子が笑ってたからって安心しないでよね」

と言った。


「なるほどなぁ。で……常連は出禁を解いて欲しいのか?」

と俺は聞いた。


「まぁな」

と常連は言った。


「……でママはどうなんだ?本当は戻ってきてもいいと思ってるのか?」

と俺は聞いた。


ママはうなづいた。


「じゃあ、あとはそのスタッフの子だな」

と俺は言った。


ママはうなづいた。


「……で。なんでしつこくしたんだ」

と常連に聞くと、言うのを渋る。


仕方ないので、部屋の外に連れ出し事情を聞く。

常連が言うには、彼女は事故で亡くなった娘さんに似ていたらしい。

それで気にかけていたのだけど、ある日強面の男と歩いていて、気になって尾行するとホテルに入っていった。

まぁ関係ないしな。と思っていたら、その強面の男は次の日、別の女とホテルに入っていった。

そこで、あんな男と付き合うのは、やめろと説得しようと思ったら、このザマだと。

「それで……、男の特長は?」

と俺は聞いた。


これでも多少は顔が利く。

調べてやろうと思ったんだ。


「腕に蛇とムカデの入れ墨がある男だった」

と常連は言った。


蛇とムカデ?あいつじゃないか?


「そいつ、さっき警察に連れていかれたぞ」

と俺は言った。


俺達は部屋に戻り、いきさつをママにする。

ママは常連に謝った。


これで話が済んだな。


そろそろ鍋が食べられる頃あいだ。


俺は鍋の蓋を取る。鍋から水蒸気と共にうまそうなニオイが立ち昇る。

これはもう食えるな。


「じゃあ食おう」

俺は箸と茶碗を渡す。


3人で鍋をつついていく。


「うわ。これ美味い」

とママ


「これ美味いわ」

と常連は言った。


それから鍋の具は少なくなり、うどんを投入した。

これまた絶品だった。


後日、2人は御礼を持参して、うちにやってきた。


常連は有名ブランドのワークブーツだった。実は結構大きい靴屋の経営者らしい。

ママはハブ酒を持ってきた。貰ったわいいが、部屋にあるのは怖いからと……。

俺と常連は、捕まった男の事を思いだして、なんとも微妙な気分になった。


あとで聞いたところによると、あの入れ墨の男女は前からこの公園でリードを外して放したり、糞の処理をせずに放置したりしていたそうだ。


ちなみに通報したのは、近所の有名な愛犬家だったそう。同じ飼い主として恥ずかしいと、証拠の動画もこっそりと撮っていたんだって。


しかも、警察に連れていかれて、不審な動きをしたので調べてみると、薬物反応が出て、そのまま逮捕。

しかも、そもそもマークされている男だったらしい。


自宅を調べてみると、薬物以外に、血痕のついたワインの瓶や他人名義の通帳と印鑑が多量に出てきた。


話によるとSNSでお金配りをしますと宣伝をし、フォロワーを集め、お金を渡すからと、巧妙に通帳を作らせたり、持ってるものを騙しとったりで、通帳を集め、犯罪組織に販売していたらしい。

しかも男は女性との行為で薬物を使い、薬物依存にさせ、身体を売らせていたようだ。

その女性の太ももには全て、ムカデと蛇の入れ墨を入れさせていた。


バーのスタッフの子は、常連がしつこくしていた事で、男と揉めて、距離があいていたようだ。


その事でスタッフの子は、常連を恨んでいたが、事情を知り、常連に謝罪。

今では、仲の良い親子のような関係になっている。

実はそのスタッフの子の父親は事故で亡くなったらしく。


その事を聞いて、俺はゾクっとした。


その夜、客もいなかったので、鬼ころしのかわりにハブ酒を飲んだ。


……そして、その後とんでもない事になったのだが、これから先の話は、なにかの機会があったらにしよう……


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