いざ契約しに...
やっと教会の中に入ってみると子供たちが並んでいて
机に座っている神官に出身地、名前、性別を答えて
その神官は名簿らしきものを見ながら指示をしていた。
一人の神官にそれぞれ子供を5・6人ずつ集めて案内させているようだ。
私も列に並び、私の担当になった神官はちょっと気難しそうな神官らしく
一切無駄な話をしないタイプで、無言で進んでいった。
なんか今更すごく緊張してきた。
よく小説で一人だけ契約できない前代未聞なことになって...
みたいな流れの小説を読んだことがある。
私みたいに転生した人間はどんなことが起きるのだろう。
周りの子たちが大人から聞いた話をコソコソと話していた。
狼たちの世界にワープするらしい。
未知の世界に行く感じでとても不安でたまらなかった。
他の子たちも私と同じなのか私たちを案内する神官に尋ねて言った。
「神官様、どうやって行ってどうやって帰ってくるの?」
「契約できない事もある? 」
「迷子にならないの?」
子供たちは次々と質問をしている中、
神官は何も答えずにひたすら前へ進んでいった。
すると、子どもの中の一人が神官の服をつかみ言った。
「何で答えてくれないのさー」
「行けばわかる。説明したところで分からないからだ。」
神官は一言いうと服をつかまれた子供の腕をつかみはがすと
さらに速足で進んだ。
みんなは慌てて付いていった。
広くて何か厳かな雰囲気の教会の中に取り残されるのが
怖くてみんなして小走りについていった。
そしてある広間につくと
愛想のない神官は振り向き早口で言った。
「みな、ひざまずきなさい。
私が言うとおりに続けて復唱しなさい。
黙ってたり言わないものは契約できないと思いなさい。」
子供たちは慌てて横一列に並び跪くとゴクンと
みんなつばを飲み込む動作をして神官のいうことに耳を澄ました。
私もこんなに早口な人で言えなかったら
契約できないなんて最悪だと思い神経を集中した。
この場にいた子供たちは私と同じ思いなのか
誰一人おしゃべりをするものはいなかった。
「我らがメリル神よ、わが半身たる者を選ぶ資格を与えたまえ。
生涯苦しい時も幸福な時も一緒に共に生きることを誓約いたします。」
なんか、結婚式の誓いの言葉みたいだと思いながら
子供達はたどたどしくも復唱した。
心配をよそに神官はこの言葉だけ赤子に
言っているぐらい優しくゆっくりと話してくれた。
すると、突然神官の後ろにいた私たちは下から真っ白な
光があふれ出しみんなを包みこむと何か転移するように
それぞれ個人個人光の粒子が巻き付けるようにくっつくと次々と消えていった。
うっすらと神官の声がまた早口で聞こえた。
「そなたらの、思うままに行動し話しなさい。
さすれば、答えてくれる半身が出てきます。
危害を加えることは、そなたらがしない限りあり得ません。
契約すると自動的に戻ってきます。 安心しなさい。」
もう!そういうことは早めに言ってほしかったよl
そして、眩しくて真っ白にしか見えなかった界が目を閉じてゆっくりと
開けてみるとそこには、
モフモフだらけの子犬に埋め尽くされた広場だった。
ギリシャ神話に出てきそうな白に統一された
石柱に囲まれ、狼の子犬達に囲まれていた。
私の周りを見渡しても人、一緒にいた、他の子供たちは一人もいなかった。
「ちょ、ちょっと待ってね...」
ウルウルと見つめる複数の子犬達に私は恐る恐る言った。
もういかにも遊んでと言ってる顔だ。
なんか、嫌な予感が......。




