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道のりは長いです。

今日は私の家族だけではなく村や町がいつもと違う雰囲気が漂っていた。


それは年に1回春に行われる洗礼式があるからだ。




この国では5歳になると近くの教会に行って儀式をする。

そして、その中で一番重要な事は契約狼とそこで契約するのだ。

5歳でなくても5歳を超えれば教会に行けば契約は可能だ。

だが洗礼式で契約する習慣になっているので

たとえ貧民でも孤児でも受ける。

特に貧しい者にとって、もし力が強い狼と契約すれば生活が一変するし

紫の狼のままでも自分を守ってくれる存在がいるのと

いないのとは大きいからだ。


だから、この国には契約していない者は決していない。






何よりこの国の者にとって自分にとって狼は

一生一緒に過ごすから大切な相棒であり、家族になるのだ。


そして、どうやって契約するか.....。

教会に集まった子供たちを儀式の間に連れて行き

教会の中にある聖堂で床にある円が彫ってある部分に立つと

オオカミの世界へワープするようになっている。

どういう仕組みになっているのかは不明だが

そこの空間で、”自分を気に入られた”狼と契約して一生一緒に生活するのである。


狼は気に入った人を相棒にする。

条件は何かはその狼次第だが...。強さを求めたり、やさしさを求めたり

面白さを求めたり、様々色々な理由があるが

狼も人もお互い子供の段階で決めるのだ。

契約しない事は有り得ない。どんな悪人でも5歳児では早々にいないからか、

この国の歴史上契約ができなかった事例はない。


そして、人生を左右する重要な事は狼の強さだが、

狼の強さは契約した時は分からない。

最初に会うのは全て紫の狼だからだ。


そもそも紫色の狼がなんだって思うかもしれないが、

この国では力の「魔力」の強さが契約狼の色で分かる。

紫→青→赤→銀→金→黒

たいてい村人は紫、貴族は青か赤、上位貴族は銀、王族は金、黒はここ最近では出ていない。

そして色を変えれるのは赤か銀か金のみで、格下の色にしかなれない。

まあ好き好んで下の色になろうとする貴族はいないが、

お忍びで出かける時は役に立つ。

契約する時は全ての狼は紫で強さは分からないが

1か月もすると色に変化が出てくるのだ。


そしていよいよ今日私は狼と契約する為に教会に来たのだ。

周りの子供たちは「じゃあ」とすぐに両親や家族と別れ

次々と教会の中へ入っている中私と家族だけはとっても長引いていた。



「レイ必ず見知らぬ人には近づいてはいけないよ。

 教会の中でも特に男の子には話しかけられても返事だけでいい。

 可愛すぎるから笑顔を振りまいてはいけないよ。女の子とだけ話しなさい。

 狼との契約は一番気が合う狼がいいぞ。

 ああそれとレイがメスがいいと言っていたのは大賛成だ。

 ああそれとパパは常に常にお前の事を思っているからな。

 それとだなあ、直ぐに終わったら戻ってくるんだよ。」


パパは意味不明な忠告をしてきながらまるで今生の別れみたいに

号泣しながら抱きしめてきた。

私はひたすら無言になって首だけで返事をしていた。

あっちなみにママやパパや兄の契約狼は影の中である。

こういった行事の時は混雑するのでどの家族も狼は影の中である。

私はそれを聞いたときはホッとした。

そんなことを思い出している間も

ひたすら現在進行中パパは泣きながら話していた。


「すぐに終わったらパパの元へ真っ先に帰ってくるんだよ。それとだなあ、..」


「うん。パパ遅れちゃうよ。」

私が終わりそうにないパパの話を遮るように言うと、

「パパ」と兄が言いながら後ろから私からパパを無理やりはがして

怒りながらパパに話しかけてきた。


「パパ寂しいのはパパだけじゃないんだよ。

 パパがしつこいからレイが疲れた顔してるじゃないか。

 レイ、気を付けて、狼との契約は直観も大事だよ。

 ちなみに僕もメスは歓迎だな。..っつと」


兄が私にヨシヨシとしながら話していると、

いつものようにタックルしながらヴィルが抱き着いてきた。

両手を私に巻き付けるように抱き着き

ものすごく服がシワシワになるぐらい握りしめた。


「レー...........。」


「ヴィル僕はまだレイを抱きしめてないよ。」


「ヴィル終ったらパパと交代だぞ。」


兄やパパまで余計なこと言うから

さらに絞め殺す勢いで強く抱き着き離そうとしなかった。


「もう、何してるのヴィル遅れてしまうでしょ。」


ママが私からヴィルを取り上げだっこするとパパと兄弟をなだめると、

早くいってらっしゃいと手を振りながら言った。


「気を付けて、レイ狼も感情があるのよ。

 ちゃんと正直に真心を込めて接しなさい。」


「はい!」

私は母にホホにキスをすると笑って教会の中へ向かった。




「なんでパパにはキスしてくれないんだ。」

「結局抱きしめてないよ。」

「ウーーー」

3人も私の後姿を食い入るように見ていた。


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