交渉
リトア領主は笑いながらスーッと真顔になり言った。
「嘘とは何の事かね」
「あなたの”使者”と言われた男の正体は誰ですか?」
「.........誰と思うかね」
「おそらく血縁でしょう。」
「なんで分かるのかね」
「第一に使用人と思えない堂々とした姿、ずうずうしさ、立ち振る舞いの良さ、
第二に使用人にしては剣が使える手の平の硬さ、
第三に決めてとなったのは力が強い事ですかね。」
「力が強いと言っている時点で君も力が強い事を認めている事は、
分かっているのかね。
力の強さを見極めるのは強いものしか感じないものだ。
それと、一つ言わせてもらうが君も嘘をついているからお互い様であろう。
私達の嘘は些細な事だよ。 君に至っては”色”も変えてる。
君のほうこそ重大の嘘だと分かっているだろう?
もう逃げる気がなくなったのかね。それに君が強いと肯定するのかね?」
「ええ、もう逃げも隠れもしませんし、
ええ私は恐らく”国で一番”強いでしょう。」
「ふふっそうだろう。色をごまかせる時点で君の力は絶大だからな。
これまで、よく逃げれたものだ。
改めて紹介する私の息子だ。いい加減に笑ってないで来なさい。」
後ろのほうに使用人にしては堂々とオーラを放ちながら無言ながらも
顔は笑顔で立っていた男が優雅に歩き領主の一歩後ろ下がった所で立ち話し出した。
「やはり気づいていたと思いました。
まあ、私の力は強いし何より私自身が優雅なのは仕方がない事ですが
どの時点で分かったんですか?」
すると、父は後ろに立っていたママへ振り向くと
ママが領主のほうへ一歩出て話し出した。
「ノックをする所からです」
「ほう....。」
「貴族の人達の使用人は入室する際はノックを3回しますが、
大抵の一般人へ向けるときは2回するものです。
村や町で3回ノックをするものは殆どいませんから。」
「さすがスワロ伯爵家出身だけあって、切れ者だね。クリスティーナ夫人」
「恐れ入ります。」
「フフッやはり我が息子は良き友、良き縁をもたらしてくれたみたいだ。」
私は何この自画自賛の親子だと思いながら聞いていると
「早速で申し訳ないが、一つ提案したいことがあるんだが
君達にとっても良い話だと思うがね。
私達がスワロ伯爵家と君達の間を取り持つというか、苦情役をするかわり
私の領土で安心して生活して、相談したりもする。
代わりに、してもらいたい事があるんだ。」
領主は後ろに手を組みゆっくりと立っていた場所を何度か歩き
近くの窓辺にたどり着くと振り向きながら言った。
「こっそり力を出して、魔物を狩ってもらえないかね。」




