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特等席で修羅場鑑賞

なんやかんやで1日1話投稿で50話ちょっとを達成しました!

もし面白いと思ってくださったら、感想や評価、リアクションなどをいただけるととても励みになります!

「おはよ」

「おはようございます。今日はノクスさんが一番ですね」


 今日も今日とて店番をしている看板娘と挨拶をかわす。昨日の夢では大雨だったが、こちらでも雨が降っていたようで水たまりが所々に見られる。


「2人とも、あんまり気乗りじゃなさそうだったしなぁ」

「ケンカでもしたんです?」

「いや、今日は別々に行動しようって話になってさ」

「はぁ~、とうとう見限られちゃいました?」

「どうしてそうなんだよ」


 ほっぺたを両手で挟みうりうり~とやれば、やめてください~とタコの口で暴れる。

 マセガキめ、本当に見限られてたら立ち直れないだろ。


「ん、おはよう。楽しそうなことをしているな」

「おはようございます。あの、待ちましたか……?」

「あっ、おはようございます! 良かったですね、来てくれましたよ」


 途中で合流したのか、2人一緒にやってきた。うゆは買ってもらったばかりの枕をギュッと抱きしめて臨戦態勢だ。昨日と変わりない2人にホッとする。いやいや、別に心配してないし。


「おはよ、俺も今来たとこ。昨日言ってた単独行動、大丈夫そ?」

「やってみるしかあるまい。ダメだったら相談させてくれ」

「了解。フェリシアも無理すんなよ」

「は、はい……。でも、一人でやるのは慣れてるんで大丈夫です……!」


 あんまり大丈夫そうではない言葉が聞こえたが。


「後でいっぱい一緒に遊ぼうな」

「え? は、はい……!」

「そういやフェリシアは何やるか決まった?」

「えっと……僧侶、やってみたいと思います……」

「おー」


 僧侶っていうと回復役だよな。回復魔法とかの練習をするのだろうか。

 職が職だから神様の名前を覚えろとか言われたら多分無理だと思うんだけど、趣味のことって謎に記憶力を発揮することあるからな。


 友達の三国志オタクはテストで三国時代が出れば満点とれるのにとボヤいていた。そんなのテストは無いにせよ、漢字や故事成語に慣れ親しんだせいかそいつは国語の成績が良い。

 意外な所で意外なものが役に立つものだ。


「僧侶だったら、昨日いった神殿に行けば教えてくれたりしないかな」

「かもしれません……。一旦、聞いてこようと思います……!」

「いいね、回復役がいると心強いよ。頑張って」

「えへへ……頑張ります……!」


「うゆちゃんは魔法使い……ですよね? どこで教えて貰うんですか……?」

「ん、皆目検討もつかん」

「親父さんが言ってたけど、魔法のスキルカードが売ってる店があるんだろ? そこで聞いてみたらどうだ?」

「それが一番丸いか。まぁダメで元々、行ってみるさ」


 軽い発言とは裏腹に、枕を皺ができるぐらい抱きしめている。マイホームの外に出る時も過剰にビビってたし、人がいっぱいいる所は怖いんだろうな。


「なぁ、無理そうなら……」

「んにゃ、いつまでもノクスにおんぶに抱っこでは務まらんだろう」

「ならいいけど……ダメそうならすぐに連絡してくれよな」

「その時はおんぶに抱っこをしてもらうからそのつもりでな」

「そのつもりでな、じゃないっつーの」


 頭を撫でて髪をグシャグシャにしてから、整えてやる。今度髪ゴムとか買っておくか。

 櫛とか簪(かんざし)でもいいけど、と思ったが、それを使って髪の纏め方とか知らねぇしな。ただの棒でどうやって髪を纏めればいいんだ。今度調べておくか。



「いいか、うゆ。知らない人の腕に抱きつくんじゃないぞ」

「私を何だと思ってるんだ。それとも……はぁ~ん、嫉妬か?」

「そんなんじゃねーよ。まぁ、枕があるから平気だとは思うけど……」


 と、腕に柔らかい感触。いつの間にかうゆに組み付かれ、5秒ほどで自分から離れていく。


「ん、これでしばらく大丈夫だ。それじゃ、行ってくる」

「お、おう。気をつけて」


 意気揚々、とは行かないまでも、しっかりとした足つきで出発する背中を見送った。はじめてのおつかいを見守る気分だ。特に何もなければ良いけど。


「じゃあ俺達も……」


 振り返ろうとすると、うゆが抱きついた側とは反対の腕をフェリシアに抱きとめられる。とはいっても、うゆと違って弱々しく遠慮がちにだが。


「手のかかる子の方が構って貰えるなんて羨ましいです……なんて。行ってきますねっ!」


 サッと腕を離して小走りで去っていくフェリシア。あまりスキンシップの少ない方だと思っていたから、内心ドキドキしている。

 やっぱり、2人とも仲間に依存しすぎな気がするから、ここいらで自立心を養って欲しいところ。




「そのうち刺されますよ」

「その時は証言台に立ってくれるか?」

「イヤです」


 一部始終を見ていた看板娘に愛想を尽かされた俺だが、自分のタスクをこなすべく歩みを進める。

 運動に精を出して、さっきのことは忘れよう!

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