効率を突き詰めるという遊び
「え、えいっ!」
フェリシアのゆるい攻撃なんか当たってやらないとばかりに、ジャンプして避けるピヨリン。
「ふんぬっ!」
そんなピヨリンにうゆの全力攻撃が突き刺さり、空中で身動きがとれないピヨリンは哀れポリゴンとなって消えていく。
「やったな、フェリシア!」
「やりました、うゆちゃん……!」
見事なコンビネーションを決めた2人は手を取って喜んでいる。
始めは攻撃を避けて着地狩りで着実に倒していたのだが、3人居るんだからもっと効率よくできないかと連携を試した。
その結果が今の、1人が初撃で回避を誘発させ、もう1人がその隙を殴り抜ける戦法。これが一番ハマった。
残りの1人はうまく連携できなかった時の保険だ。今のところ出番はない。
この方法は素早く倒せるというのもそうだが、相手の攻撃を躱す必要がないというのも優れた所だ。
カウンターパターンをやっていた当初は、俺とフェリシアも躱せず直撃して地面を転がったので、それからは慎重になったというものだ。
結構痛いな、あれ。
「ん、これで18枚だな」
落ちたてほやほやの鳥の羽毛を拾ってインベントリを数える。
「じゅ、15枚です……!」
「俺は17枚。合わせて50だな」
計算早いな! と褒められるが、別にこれぐらい……まぁ褒められて悪い気はしない。習ってて良かったそろばん7級。
もっと続けておけば良かっただろうか。
ちなみに鳥の羽毛以外のドロップもちょろちょろ落ちており、卵の殻とか白い毛とか何に使うんだかわからないアイテムも落ちた。
どうせならカードが出て欲しいと思ったが、中々でないもんだな。
レベルは俺とうゆが8、フェリシアが9。フェリシアはあと1レベルあがれば今の職業である旅人はカンストだ。
……旅人をカンストさせれば転職できると思うんだけど、どうなんだろうか。後で転職の神殿探すか。
「どうせなら全員カンスト目指しちゃう? フェリシアは溢れた経験値ムダになっちゃうかもだけど」
「そ、それがいいと思います! それにしましょう!」
本人の了承も食い気味に取れたし、悪いけど付き合ってもらおう。
「ノクス、次はあのピヨを倒すぞ」
「おっけー、うゆが牽制で俺が本命な」
「わかっ……」
コケーーーーッ!
突如フィールドにニワトリのような鳴き声が響き渡り、一角からプレイヤーの阿鼻叫喚が聞こえてくる。
「な、なんだ、ノクス!? 朝でも来たか!?」
「俺にもわからん! フェリシアはなんかわかるか……フェリシア?」
フェリシアは俺達の後ろを見て、大きく口を開けて固まっている。
嫌な気配を感じる……。ギギギ……っと首を回し後ろを見返すと。
「ん……なるほど……」
「なるほどじゃないが」
そこには巨大なニワトリが、片っ端からプレイヤーを駆逐している光景が繰り広げられていた。




