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デカくてもちっちゃくても困る

 適当に歩きながらポヨヨを狩り、経験を積んでいく俺とうゆ、フェリシアの3人。

 レベルがあがって、俺とうゆは5、フェリシアは6だ。

 このペースならMAXのレベル10まで早そうだな。


 差が1に縮まって喜んていたフェリシアだが、直後レベルが上がって7になり目からハイライトが消えていた。

 そんなにレベルが離れてるとイヤかね。



 道中、初心者と思わしきプレイヤーから、どうやってモンスターにダメージ与えてるんですか!? と話しかけられた。

 武器を見せて貰えば、どうも片手剣の罠にまんまとハマったらしい。鈍器使え鈍器と師からの教えを伝道してみた。


 鈍器ぃ? かっこよくなぁい……という至極真っ当な感想は、フェリシアの棍棒による痛烈な一撃で黙らせた。

 一撃を浴びせたのは初心者にじゃないぞ、ポヨヨにだからな。もちろん一撃でポリゴンになった。


 町で鈍器探してみまぁす、と初心者と別れ奥へ進んでいく。

 するとだんだん、ポヨヨに混じって黄色いモンスターが見えてきた。



「ん……聞いていた通り、黄色い鳥のモンスター、ではあるが……」


 目つきが悪かったり変なチョロ毛が生えていたりと変な所はあるが、紛うことなきヒヨコ。おまけに横幅だけでも50センチはある。


「なんかでっけぇんだよなこの世界のモンスター……」


 いや、わかるよ? あまり小さすぎても戦いづらいし、そもそも倒していい奴? みたいに思っちゃうよね、うん、わかる。

 でもさぁ、でかいヒヨコとか威圧感パネェよ。ヒヨコでこれならニワトリはどうなっちまうんだよ。


「これでピヨリンは無理があるだろ」

「ん、目つきも悪いしあんまり可愛くないな」

「か、可愛い……」


 おおっと、どうやら最近の女子の感性によれば可愛い判定らしい。

 うゆ? 最近の女子っぽくないからなぁ。


 あっ、うゆと目があった。目を細めて頭を脇腹にぐりぐりねじ込んでくる。

 やめてくださいうゆさん、俺の考えを読まないでください。口に出さなければセーフじゃないのかよ!




 ピヨリンも地面をつついて虫か何かを探して歩いている。ポヨヨと同じくノンアクティブかな……と観察していると、2mほどまで近づいた辺りで突如興奮しだし俺達に襲いかかってきた。


「マジか、近づきすぎるとダメなタイプ!?」


 こいつもピヨリンよろしくジャンプからの体当たりがメインらしい。さっき培った経験で俺狙いの攻撃を躱し、距離をとる。


「ん、襲ってくるなら倒しても良いのだろう。分かりやすくて結構!」


 確かにその説もあるか。ポヨヨとか襲ってこないから少し罪悪感あったしな。


 うゆは棍棒を振りかぶり、横薙ぎに一閃。しかし体勢を整えていたピヨリンにはジャンプして避けられてしまい、棍棒を振る勢いで半回転した。剛腕打者みたいだ。


 間髪をいれず、ガラ空きのうゆの背中にピヨリンの体当たりが直撃。


「ぐお~っ!?」


 そのまま吹っ飛び、ずしゃーと地面を滑る。あちゃ~、あれリアルでやったら膝とか擦りむくやつ!


 追撃を防ぐ為にうゆとピヨリンの間に入り、ターゲットを奪う。

 うゆにはフェリシアが介助に入ったようだ。


 ポヨヨは避けたりしないので油断してたぜ。俺も大振りで殴りかかったら同じ轍を踏むことになるだろう。

 牽制程度に棍棒を振りながらジリジリ近づく。なんかフェンシングみたいだ、持ってるのは棍棒だが。

 傍から見れば不格好なんだろうな。やっぱりフェイントとか覚えたほうがいいのかね。


 まずは棍棒を軽く一振り、牽制を放つ。案の定ジャンプして躱されるが、強振ではないので体勢は崩れていない。

 さっきと同じように体当たりされるが、それを見越した牽制だったので、サッと横に避ける。

 すぐに後ろに振り返り、ピヨリンが着地する隙を狙いフルスイング!


 狙い通り直撃すると、ピィ! と締められた鳥の声を出してポリゴンに還っていった。

 攻撃や回避は高いけど、HPは低いモンスターなのかな?


「す、すごいです、ノクスくん……!」

「へへっ、サンキュ」


 うーん、今のはかなり上手くいったんじゃないか?

 思わず自画自賛してしまっても仕方ないだろう。

 それより……。


「うゆ、ピヨリンは倒したぞ。大丈夫か。」


 フェリシアに介抱されて、起き上がれはしたらしい。いつもの威勢はどこかへいき、顔をへにょんとさせている。


「すまんな、ノクス……」

「別に謝るこたねぇよ。痛かったろ?」

「ん……痛かった……」


 こういう時、強がって本音を隠さないのがうゆの美点だ。

 体の前面についている草や埃を払ってやりながら、話をする。


「ただ、うゆの勇気は無駄じゃなかったぞ? ピヨリンの行動パターンもわかったし、次はノーダメで行こうぜ!」

「……ん。目を瞑っていた訳ではないが、相手を見るのを怠っていたな」

「い、一緒ですね……!」


 イヤな一緒だ。


「よしっと。どうだ、まだ戦えそうか?」

「ん、大丈夫だ。助かった、ノクス。それにフェリシアも」

「そ、そんな大したことは……」



 ピヨリンがポリゴンになった箇所を見てみると、羽が落ちていた。きっとこれが鳥の羽毛だろう。


「ま、これで無事に1個目だ。親父からは20個って言われたけど、もっともっと集めて、色つけて納品してやろうぜ!」

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