遅ればせながら能力値とスキルカード
「ん、どうやらこのカードは、技量ステータスを1上げる効果があるようだな」
さっきポヨヨからドロップしたカードを調べたうゆから、情報を共有された。
たったの1かぁ。それって強いのか?
このゲームではメインステータスが「筋力」「頑丈」「技量」「敏捷」「魔力」「精神」「感覚」「運」の8種類ある。
筋力が上がれば攻撃力が強くなったり、頑丈が上がればHPや防御力が高くなるのだろう。
運が上がるとドロップ率が上がったり? と一瞬思ったが、これは望み薄だ。
なぜなら、一人用ゲームならともかく、レアドロップを血眼になって掘るのが醍醐味であろうオンラインゲームで、ドロップ率が増えるなんて効果は強すぎるからな。
ちなみに俺のレベルは3で、筋力、頑丈だけが2、他全部1だ。うゆも同じレベルだから省略。
フェリシアは5で、技量、敏捷も2になってるらしい。順番に1ずつ上がっているように見える。
というか筋力が変わらないのなら、ポヨヨ一撃で砕いたのレベル関係ないな?
「そのカードってどこにつけるんだ? 武器とか防具とか?」
「ん、スキルカードというメニューがあるからこれだ。
そういえば、まくら屋の親父殿は魔法を使うにもスキルカードが必要と言っていたな」
うゆに倣い、俺もメニューを開いてスキルカードを選ぶ。筋力~運の8種類の項目に分かれたカード装備欄が表示された。
それぞれキャパシティが筋力と頑丈だけ2、それ以外が1となっている。
「自分のステータスがキャパシティになってるっぽい。能力値が上がれば上がるほど、色んなスキカがつけれるって感じかな」
「キャパシティか。ん、このカードはコストが1と書いてあるな……おぉ、付けれたぞ!」
技量ステータスが1(+1)表記になったそうだ。流石にスキカで上がった分はキャパシティに関係ないらしい。
これ、能力値だけなら没個性だが、どのスキルカードの組み合わせにするかでだいぶ個性が出そうだ。スキルカード集めも楽しそうだな。
「お、おめでとうございます……! うゆちゃんが一足先にスキルカードゲット、ですね……!」
「ん? いや、パーティ組んでる時に拾ったのだから山分けだろう」
「えっ……? でも、うゆちゃんが倒したんですから……」
「いや、それは危ない。うゆの言うことの方が一理ある、かな?」
倒した人にレアドロップの所有権が渡るんだとしたら、みんな我先にと攻撃してしまい、誰も補助役をしなくなってしまうだろう。
ドロップは後で皆で山分け、それが一番角が立たない方法だ。
「ま、それは一般論だけどな。俺らの場合はそこまで厳密にしなくていいだろ。狩りの時だけの臨時パーティだったら話は別だけど、うゆやフェリシアとはこれからも一緒に遊ぶだろうしさ。
欲しいアイテムとかが出たらその人に渡す感じで問題ないと思うぜ」
パーティの1人が俺これ欲しい、あれも欲しいと全部持っていくのなら困ってしまうが、この2人ならそんな心配は要らないだろう。
「2人がそれで良いというなら構わないが……」
「はい、大丈夫です……! なので、そのカードはうゆちゃんが持っててください……!」
「ん、わかった。ありがたく貰っておこう。フェリシアとノクスも、欲しいものがあったらちゃんと言うんだぞ?」
そうだ、これいるか? と一口大にまで小さくなったポヨゼラをフェリシアの口に近づける。
だから、あーんじゃない。フェリシアも食うんじゃない。
「あ、うゆ。そういや山分けとか言ってたけどさ」
「ん?」
「スキルカードって、付けたら外せないとかないよな?」
うゆは「お゛っ゛!?」と汚い声を出してメニューを叩きだした。頭の片隅にでも、その可能性を考えてなかったのか。
急いで検証した結果、ちゃんと外せるし、人にも渡せるようだ。
付ける前はフリーだけど、一度付けたら所有権が確定してその人専用になる可能性もあったからな。
ほら、つける前は白いカードだったけど、一度付けたら色がついて渡せなくなる、みたいな。
ビビらせたのは申し訳ないとは思うが、決して余計な心配ではないのだから、頭突きで抗議するのはやめてほしい。
ふぇりしあ~、こいつすぐ頭突きしてくる~!




