敵がお金を落とすって?
「えっと、じゃあドロップアイテムは売ってお金にできるんですね」
「そういうこと。敵がお金を落とすゲームもあるけど、ソムニアは素材を換金するタイプみたいだな」
フェリシアの強い勧めとうゆのしつこい押しに負け、ポヨゼラをもちゃつきながら説明する。味は無です。無味じゃなくて無。
うゆの口にも無理矢理押し込んでやった。はっ。
現実でウサギや熊を狩猟してもお金を落とさないが、多くのゲームではモンスターがお金を落とすことがある。
特に理由もなくお金を落とすものもあれば、ギルド的な組合が敵を倒した報奨金として振り込んでくれてるという意味付けをしてたり、パパがお小遣いとして振り込んでくれたりするゲームもある。
お金じゃなくて、敵を倒すと産出する謎物質を通貨として代用してたり、そもそも人間が使ってるお金は敵が発行してる通貨なので、敵がドロップするのは何もおかしくない、という設定もあったな。
面白い設定のやつだと、敵を倒した数によって妹がどら焼きを渡してくれるRPGがあった。大昔のレトロゲームだが、どら焼きがお金とMP兼用というのは後にも先にもあれきりだ。
「じゃ、じゃあ、お金食べちゃったことに……!?」
「ん、序盤の雑魚が頻繁に落とすドロップだ。対した金額にはなるまい」
「それはそれとして、ビビるから急に食ったりすんなよ」
「す、すみません……!」
しっかし、敵のドロップを換金するシステムってことは、全部のモンスターに固有のドロップを設定したってことだもんなぁ。スタッフの労力が計り知れない。
「じゃあ、とりあえず拾えるのは各自拾って、最後に纏めて売るなりなんなりするでOK?」
「いいんじゃないか? 製造とかに使える素材とかもあるだろうが、その時に考えればいいだろう」
特に野良パーティではそこら辺きっちりしとかないと諍いの種になると聞く。
おお怖い怖い、いつか俺も野良パーティに参加したりするのだろうか。
「ん、ポヨヨがいるな。次は私が行っていいか?」
「は、はい……! 頑張ってください……!」
ドロップ談義もほどほどに、次の標的を見定める。今日の目的は駄弁りじゃなくて狩りだからな。
それに、メインターゲットはポヨヨじゃなくて、ピヨリンだかいう鳥のモンスターだ。
戦うのに慣れたらポヨヨ卒業して、さっさとピヨリンに移りたい。
「でりゃっ!」
さっと駆け寄りスマートに一撃を入れ、即座に迎撃態勢をとる。胸元に飛び込んできたポヨヨを辛うじて避け、着地したところを追撃で仕留める。
中々サマになってるじゃん、俺も負けてらんないな。
ポリゴンになったポヨヨからは、先程と同じくポヨゼラチン一塊がドロップ。ん? 一瞬キラリと光ったような……。
「ん、これはカードか? こういうのも落ちるんだな」
うゆの手には白地のカードが握られていた。
もしかしなくてもレアドロップですね?




