肩車からのサボテン
「おらー、もっと足広げろー」
「む、これ以上ははしたなくないか……?」
「肩車しろっつったのはそっちだろ」
肩車を提案しといて、今更外聞を気にされても困る。
俺だって女の子を肩車するのに抵抗が無いわけじゃないが、外見は子供みたいなもんだしな。
「そんなもんだろ。落ちないようにしっかり捕まってろよー」
「ん、了解」
うゆの股ぐらに頭を突っ込み、グッと立ち上がる。筋力的にいけるか心配だったが、思ったより軽いようで問題はなかった。
「おっ、おおっ、高いぞ! 背が高いやつってこんな光景なんだな!」
自分でやっておいてなんだが、スポーン地点で肩車をしてる奴なんてそうそう居るもんではなく、周りから好奇の目で見られている気がする。
それより問題は、担がれてはしゃいでいる神輿だ。
「おい、足を伸ばすな。重心が後ろいくだろ。
足は曲げて、上半身は前に寄りかかり気味で頼む」
「それだと重心が前にいかないか?」
「後ろから倒れて後頭部打つより、前から倒れたほうがまだ安全なんだよ」
「ん、なるほどな。だが極力倒れないでくれよ?」
そういうと足を折り曲げて、ギュッと足でホールドしてくる。これはこれで太ももが危険だな……。
「むーん……お、アレじゃないか? おーい、フェリシアー、ここだぞー」
「お、見つけたか? 肩車作戦がばっちりハマったな」
「ふふん、妙案と言っただろう?」
うゆが見つけた人影は、俺達がスポーンした箇所から少し離れた場所だった。
そっちの方向に向き直り、アピールする。
「フェリシアー、こっちだぞ~」
「あ、あの……」
おっと、後ろから誰かに話しかけられたな。
「わりぃ、いま人探ししてて……ん?」
なんか聞き覚えのある声だ。その場でちょこちょこと足踏みをして少しずつ角度を変えて反転すると、探していた人物がそこに立っていた。
「フェリシア!? おい、うゆ。全然違うじゃねーか。誰に手を振ってたんだよ」
「ま、そういう事もあるだろう。……こらっ、足をはたくな!」
お返しにと頭をどつかれ始めたので、ゆっくりと降ろしてやった。今度は転がることなく着地できたようだ。
「とにかく、合流できて良かった」
「だな。よく俺達を見つけられたな」
「あんな楽しそうなことしてるお二人、目立ちます……」
「ん、楽しかったぞ。後でフェリシアもやってもらうといい」
ええっ!? と驚き、俺を上目遣いで伺うフェリシア。
「あ、あの……後で、よろしくお願いします……?」
「お、おう。後でな」
謎に肩車をする約束をしてしまったが、早まったかな。




