くらやみ
今日はなんとなくやっている部活が長くなってしまい帰りが遅くなった。
すっかりあたりは暗くなってしまった。
ここまで暗くなってから帰るのは新鮮である。
久しぶりの感覚だ。
久しぶりに少しだけ感情が現れたようだ。
だが、それもすぐに消えてしまった。
まるでシャボン玉のように…。
また、いつも通りの自分に戻ってしまった。
いつも通り淡々と歩いているとふと路地裏からへんな音が聞こえてきた。
今までに聞いたことのないような音だった。
最初は無視して通り過ぎようとした。
しかし、とても強く抗いがたい感情が生まれてきた。たぶん好奇心だろう。
こんなに強い感情が生まれるは久しぶりだ。
自分にこんなつよい感情が生まれるなんてもうありえないと思ってた。
自分の好奇心に抗うことをせず、好奇心に従って、路地裏を覗いてみることにした。
しかしながら、暗すぎて何が起きているのかわからなかった。
依然として音は聞こえてくる。
路地裏を奥に進んでいくことにした。
だんだん音が近づいてきているような気がする。
その音のする方へさらに進んでいく。
ここの路地裏こんなに長かっただろうか?
途中から異臭もしてきた。
そして、ついにその音の原因が見えてきた。
そこには人が一人いた。
さらによくみると周りに何か落ちている。
あれはなんだ…
「ねぇ、そこの君、そんなところで何してるの?こっちへおいでよ。あっ、逃げようなんて考えても無駄だよ。だって逃げ場なんてもうないからね。ほら、後ろを見てみなよ。」
まるで少年のような楽しそうな声色だった。
後ろを見てみると、さっきまであったはずの道がない。
歩いてきた道があったはずなのに行き止まりになっていた。
しかし、不思議と恐怖は感じなかった。
声のする方へ近づくことにした。
ぴちゃっ。
水たまりのようなナニカを踏んだ。
なんだろうと思って少し立ち止まった。
「何してんの?はやく来てよ」
催促されたので気にせずに近づくことにした。
声の主は自分よりも身長が少し高めな中性的な顔立ちをした男の子だった。
この顔ならモテるだろうと思う。
ただし、返り血を浴びてなければの話だが。
辺りにはたぶん元は人であったであろう肉や血が散らばっている。
「へー、驚かないんだ。つまんないなぁ。だいたいここに迷い込んだニンゲンは恐怖で体が震えたり、動けなくなったりいろんな反応してくれるんだよね。」
そう言うと急に腕を触ってきた。
「あー、やっぱりニンゲンの男だと固いね。やっぱり女の方が美味しそうだなぁ。けど、君の肉は男だけどいい匂いする。食べたくなるよ。」
赤く光った目を合わせてその男の子はまるで獲物を見つけたというような笑みを浮かべた。
ゾクゾクした。
今までに感じたことのない感覚だ。
果たしてこの感覚は食べられてしまうという恐怖から来るのかそれとも…
「へー、やっぱ、君おもしろいや。他のニンゲンとは違うな。君はこの状況で恐怖を感じていない。それどころか、興奮しているんだね。食べられちゃうかも知れないのに。変わってるね。」
男の子は楽しそうに言った。
興奮か、この感情は興奮っていうんだった。
今までで一番興奮している。
男の子の赤く光った目から目を逸らしたかった。
まるでなんでも見透かしたような目から。
今まで隠していた自分を暴かれてしまうようだから。
自分の知らない自分を見透かされてしまうような感覚を覚えたから。
しかし、何故か目を逸らせない。
はやく目を逸らさなければならないと思うのに…。
じっと見つめられたまま時間が経った。
どのくらいの時間が流れたのだろうか。
不意に目をそらしてその男の子は話し始めた。
「ふーん、君のことだいたいわかったよ。全部見ちゃった。気に入った。君をその退屈から、絶望から救い出してあげるよ。だから…僕のモノにならない?」
そう言って手を差し出してきた。
文章がおかしなところがあったと思いますが、読んでいただきありがとうございました。




